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#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部のお題で書いた詩や小説をまとめています。
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#クリエイターフェス

駄洒落小説 『咳をしても金魚』 #シロクマ文芸部

「咳をしても金魚」 という言葉を小学生の僕に教えてくれたのはじーちゃんだ。 日曜日の昼下…

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1年前
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詩小説 『珈琲とあなた』 #シロクマ文芸部

 珈琲とともに読書をしている私は  本当は珈琲があまり好きじゃなかった。  飲めないわけ…

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7か月前
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オマージュ愛小説 『You Are My Superman』 #シロクマ文芸部【B面】

「りんご箱から転がってきて……」 と言う朱梨は必ずといっていいほど待ち合わせ時間に遅れて…

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8か月前
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詩小説 『りんごコロコロどこへ行く?』 #シロクマ文芸部【A面】

 りんご箱を  自転車の後ろのカゴにのせ  我が家への坂を立ち漕ぎで登る。  さてさて何を…

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8か月前
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オマージュ小説 『秋桜のスローバラード』 #シロクマ文芸部

 秋桜畑をドライブした帰り道  フロントガラスから落陽を眺めて  俺は絶望を覚える。  パ…

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8か月前
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詩小説 『秋桜と父』 #シロクマ文芸部

 『秋桜』という曲があったことを  ふと思い出したのは実家に呼び出され  長年 物置小屋化…

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8か月前
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4分小説 『ここがスタートライン』 #シロクマ文芸部

「走らないで!」  見知らぬおじさんが叫ぶも私のことだとは思わずスルーする。現に私は電車が来るのを待っていただけだから。 「君のことだよ」 と、肩を叩かれて振り返り、ギョッとする。おじさんが着ているのは単なるスーツではなく、礼服だったからだ。 訝りながらも今日が連休の中日だと気付き、もしかしたら結婚式場に向かうところなのかもと思い直して、恐る恐る口を開く。 「……私、走ってませんよ?」 「まあ、今はそうなんだけどね」 どうにも会話が噛み合わない。 「勘違いだった