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#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部のお題で書いた詩や小説をまとめています。
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2023年5月の記事一覧

駄洒落小説 『咳をしても金魚』 #シロクマ文芸部

「咳をしても金魚」 という言葉を小学生の僕に教えてくれたのはじーちゃんだ。 日曜日の昼下…

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私小説 『月の耳』 #シロクマ文芸部

「月の耳さん、今夜もお話聞いてくれる?」  窓辺に肘をつき、薄い雲に隠れかけている月に向…

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3分小説 『月の耳と星の耳』 #シロクマ文芸部

『月の耳、星の耳を食べてみませんか?』  帰り道に見つけた店先の黒板に書かれた文字をじっ…

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青春ミステリー 『初夏を聴く』 #シロクマ文芸部

 『初夏を聴く』というフレーズに、僕は頭を悩ませる。  ここは市立図書館。 ヤングアダル…

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詩小説 『初夏を聴く』 #シロクマ文芸部

 初夏を聴くといえば  カエルの鳴き声。  明日は雨になるのかな?  傘を忘れずに持ってい…

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短編小説 『舞うイチゴ』 #シロクマ文芸部【三粒目】

「舞うイチゴかい?」  道端でたたずんでいたわたしに、知らないおじさんが変なことを聞いて…

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短編小説 『舞うイチゴ』 #シロクマ文芸部【二粒目】

『舞うイチゴが見られるのは、今月も15日頃になるでしょう』 と、天気予報士がさらりと落下注意を呼びかけるようになったのはいつ頃からか。  最初に降ってきたときこそ、イチゴを模した隕石なのではないかと世界的な大騒動となり、研究者たちがこぞってそのイチゴを分析したものだ。しかし、紛いもなく本物のイチゴであることが証明されただけだった。 また、一度に降ってくるイチゴの数は極めて少なく、今では物好きな人たちがブルーシートなどを広げて待ち構え、高値で売買したり、ドライフルーツにし

短編小説 『舞うイチゴ』 #シロクマ文芸部【一粒目】

 舞うイチゴを、私は生まれて初めて見た。 そしてこの先、そんな光景を見ることは一生ないだ…

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