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中日に新加入のエンニー・ロメロを分析

0.獲得までの流れ
2018年11月30日の中日新聞、全中日ファンが驚愕した「ガルシア退団決定的」の記事が公開されました。一部報道では、中日は1.5億から~2億の複数年契約の提示をしたと報じられましたが、代理人の強気な姿勢を前に森SDが文字通り怒りの撤退。
今年は今までに例のない外国人当たり年で、「新外国人獲得の必要がない」という見解が飛ぶ中、一転して代わりとなる外国人投手の獲得が急務の状況に置かれました。
それから1週間もたたず時は12月4日、中日新聞が「エンニー・ロメロ投手との契約」を発表。獲得発表前から「ガルシアの後釜にロメロが欲しい!」と獲得をtwitterでゴリ推ししていた私を含め、一部の中日ファンには歓喜の瞬間となったのではないでしょうか?
ドラゴンズ的にも得意の外国人選手獲得ルートである、DWL(ドミニカウインターリーグ)に出ている選手の中で、今季最高といえる投手を獲得でき、一件落着となった今回の外国人選手獲得。
そんなロメロを「MLB時代のデータ分析」、「ガルシアとの比較を折り合わせたDWLでの成績・映像分析」という観点から分析していきたいと思います。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

1.MLB時代の成績
ロメロは身長190cm左投右打の大型左腕です。(右打なのですね笑)
08年にプロ入りし、13年にメジャーリーグデビュー。15年から登板数を増やし、16年17年続けて50試合登板を成し遂げます。
特に17年は主力の中継ぎとして活躍し、
53試合 2勝4敗 防御率3.56 55.2イニング 1.40WHIP 65奪三振 23四球
の好成績を記録しました。しかし翌年18年はパフォーマンスが低下し、成績が悪化、シーズン中2度の移籍後KCに解雇されFAとなりました。また、パイレーツ時代の5月末に左肩を故障し、DL入りしているので日本でも再発する可能性はありそうです。
大まかな感想としてはやはり、17年10.23K%、通算9.60K% の高い奪三振能力が魅力ですね。それに加えて17年3.71BB/9、通算4.56BB/9 といったところのコントロールの悪さは懸念材料といえるでしょう。

2.各球種の分析
次はMLB時代のロメロの各球種を、「球速」、「回転数・空振り率・被打率、ゴロ・フライ・~率」、「投球割合・コース別データ」をみて、細かい分析を行いたいと思います。

2-1.平均球速
まず球速です。下の表をご覧ください。
球種のバリエーションはご覧のような形になっています。
15~17年は流石プロスペクトと言わざるを得ないような数字が並んでいます。特に17年の平均158キロという数字は日本人左腕では考えられないようなものですね。中スポが報道した自己最速の164キロも同年に記録しています。
注目してほしいのは18年の4シームです。
前年158キロあった平均球速が154キロと大幅に低下しています。この4シームの劣化が所謂「パーフォーマンスの低下」の大きな要因と考えています。
もちろんそれでも速い方ですし、ましてやNPBなので、MLB→NPB移籍時に多くの外国人が2~5キロの球速低下をするということを加味しても、それでも149~150はでるだろうという予想の上、気になる点と思えない方もいるとは思いますが、単純に18年の成績が悪化したのはこれから書くことを含め、これらの要因があったのだと思われます。

2-2. 4シームの回転数・各球種の空振り率・被打率・ゴロ/フライ率
球速の低下に伴い、4シームの回転数も低下しています。
前年17年に約2314回転あった4シームは18年には約2264回転と大幅に低下しました。
単に球速が落ちただけでなく言わゆる球のノビの部分でも劣化が見られたわけですね。
この2264回転という数字がどれほどのものなのか、
18年MLB全体の投手の4シーム回転数ランキングの、どれくらいに位置するのか調べたところ、MLB全体で、トータルで50球以上投球を行った選手、「590名中284位」と可もなく不可もなしと言える位置づけでした。(因みに1位はLuke Bard投手の2770回転、上位30名まではみんな2500回転以上でした、驚きです。)
ということは当然4シームの空振り率にも影響が出てくるわけですので、こちらも年度別に比較していきます。(↓上の表)
16年に9.71%、17年になんと14.00%もあったロメロの4シームの空振り率が、18年には7.69%と大きく落ちています。
そしてこれらの影響は被打率に大きく表れ、2割後半から前半だった4シームの被打率は18年には5割越えとなってしまいました。やはり、この劣化した4シームが足を引っ張り18年はMLBで活躍できなかったようです。大きな懸念材料と言えますね。
下のゴロ・フライ~率の表(通算)で目立つ点は、平均145キロ前後のカッターのゴロ率が5割と高い点、そして4シームのファール率が4割台と良くファールになっている点ですね。これは威力のある4シームを投げていた証拠と考えられます。
チェンジアップは投球数が少ないので何とも言えませんが、こちらもゴロ率6割越えと多くのゴロを生んでいます。

2-3.各球種の投球割合
投球割合は下の通りです。
「MLBでもなかなかいない160キロの直球を主体としたパワーピッチングで渡り歩いてきた投手」と言えるでしょう。

次にコース別のデータを考察していきます。ここではどのコースに投げスイングされているか、どれくらい空振りが取れているかを主に扱うというスタンスをとりたいと思います。
(これから出すコース別データはすべて通算のもので、brookbaseball.netから引用したものです)。

2-4.各球種の投球コースと空振り率

・4シーム
まずは4シームを左右別に見ていきましょう。
(↓右打者へのコース別投球割合)

右打者への4シームはよく言えば各コース満遍に、悪く言えばあまりまとまりがありません。全体的に高めに浮きがちなのと、特に真ん中付近によく球が行くのは不安ですね。
表は省きますが、コース別の被打率ではストライクゾーンの真ん中と高めとインコースにかけてよく打たれていますが、アウトコースの球だけはほぼ打たれていませんでした。
NPBでも一つ、右打者への4シームはアウトコースへのコントロールを徹底できるようにしてほしいですね。
(↓右打者4シームコース別スイング率)


(↓右打者4シームコース別空振り率)

右打者へはご覧の通り、低めから高めにかけてのアウトコース、高めのストライクゾーンからボール球、そしてど真ん中、これらのコースで多くの空振りを奪っていることが分かります。
先ほどの回転数的にも、高めのボール球のストレートの空振り率が高いところを見た感じでも、打者目線ではかなりホップする4シームを投げていたと予想できます。

次は左打者への4シームを見ていきます。
(↓左打者4シームコース別投球割合)

左打者も多少ばらけている傾向がありますがストライクゾーン、ボールゾーン関係なくアウトコースを多く突いていることがわかります。これも当たり前ですが、右打者よりは制球がしやすいみたいですね。
(↓左打者4シームコース別スイング率)


(↓左打者4シームコース別空振り率)

左打者からは、右打者ほど各コースあまり空振りは取れていないことがわかりますね。比較的高めのコースは空振り率が高く、特に外角高めは空振りを良く奪えています。
因みに4シームのストライク率は左右合わせて24%と意外と普通の数字なので4シームでストライクを取るということに関しては心配しなくてよさそうです。

・カッター
(↓右打者へのカッターの各コース投球割合)

次にカッターです。こちらもまずは右打者から。
ストライクゾーン内では、真ん中から低めにボールが集まっていて、真ん中付近の甘いコースに行くこともそこそこあるということがわかります。
注目すべきは、低めのボールゾーンによく球がいっているという点です。
ストライクゾーンから低めボールゾーンに曲げてくるだけの精度は私がTwitterにのせた動画を見た様子からも、あったと言ってよいと思います。
このカッターの精度については後程書く、ガルシアとの比較でも用いるNPBの外国人左腕に必要な要素と考えているので重要視しています。
↓動画


では次に肝心のボールゾーンでスイング・空振りが奪えているか、見ていきましょう。
(↓右打者へのカッター各コーススイング率)



(↓右打者へのカッター各コース空振り率)

とても良いですね。低めにカッターを制球しかつ、ボールゾーンに曲げることで良く空振りを奪えていることがわかりました。
各コースの被打率で見ても低めの球はほとんど安打は許さず、持ち合わせている変化球の中では良い精度の変化球と言えるでしょう。

(↓左打者カッターコース別投球割合)

対右時とあまり変化はありませんでした。こちらも低めに、そして左打者ですので打者から逃げていくような具合のコースに多く決まっていることがわかります。
(↓左打者カッター各コーススイング率)


(↓左打者カッターコース別空振り率)

外と低めを中心にスイングが取れていて、空振りも外角の低めで良くとれています。所謂「外スラ」のようなものと考えて良いのではないでしょうか。(正確には違いますが)
ガルシアも同じでしたが、左打者との対戦時にこのカッター(スライダー)がうまく決めれるかどうかは特に左打者との対戦時、生命線になってくると思うので注目したい箇所です。

・カーブ

(↓右打者各コース投球割合)

カーブは全体的に低めのボールゾーンに決まっていますね。
(↓右打者カーブ空振り率)

ストライクゾーンを通過してボールになる低めの球が多いと見れますが、まぁまぁ空振りを奪えていますね。
カーブの通算ストライク率も37%と悪くない数字です。

(↓左打者各コース投球割合)

(↓左打者コース別空振り率)

対左にも右ほど空振りを奪えてないものの同じような傾向が出ました。

・チェンジアップ
次はチェンジアップなのですが、左打者に対してはほぼデータがないので右のみ扱っていきます。
(↓投球割合)

多くの投球が低めのボールゾーンに決まっています。
(↓スイング率)


(↓空振り率)

あまり空振りがとれているとは言えませんね。これもガルシア同様、右打者に対して緩急が使えるという点で良い点と言えそうですが、そもそもあまりチェンジアップを使用していないので正確な事に関しては現段階では未知数と言えるでしょう。
ストライクゾーン真ん中から低めにきたチェンジアップはほぼスイングされていますがほとんどヒットになっていなかったので、安心できるポイントかもしれません。

ストライクとボール球のスイング率コンタクト率については表をはっておきますのでそちらを参照してください。



3. ガルシアとの比較で考える18年DWLの成績・映像分析

MLB時代の細かいデータ分析をもう少し深める予定でしたが、これ以上は長すぎると判断して、当初の予定より短くして先に進むことにしました。
この章ではロメロのDWLでの成績と映像を踏まえて分析するとともに、ガルシアとの比較も実施し、活躍の手口を探っていきます。
なぜガルシアなのかというと、変化球のバリエーション、球の出どころ、体格など共通点が多くあるためです。


3-1. 成績を考察
今回、ロメロを獲得した経緯がガルシアの穴埋めである以上、ロメロに最初に求めらる能力はスターターとしての能力でしょう。
ご存知のように今季のDWLでロメロは、ほぼキャリア初と言える先発に挑戦し素晴らしい成績を記録ました。(以下成績)

ご覧の通り今季のDWL投手の中で最上位スタッツとなっていて、最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。MLBとはまったく違うレベルのリーグとはいえ、ほぼ初のスターター起用でこれはすごいですね。
ガルシアの17年DWL成績は以下の通りです
3勝2敗 防御率2.77 10試合 39.0イニング 12自責点 2被本塁打 10四球 37三振 
1.18WHIP
単純な成績ではかなり差がありました。 

・DWLのレベル
ここでDWLのレベルについて軽く触れておきたいと思います。
お気づきになったかはわかりませんが下から3番目に元中日のラウル・バルデスがいます。奪三振はロメロに次いで2位、防御率は全体6位とこちらも好成績を記録しています。17年NPBの防御率が3.71ですので、日本にいた頃よりは、やや良化しています。
「もしかして結構投高リーグなの?」と思う方もいると思いますが、極端な投高ではないのでご心配なく。今年はやや少ないですが、3割越えの打率も多く出るリーグで、バリバリのメジャーリーガーやマイナーでそこそこ打ってる打者も多く出場しているので単純な打者のレベルは高いと言えるでしょう。
それでも、日本よりはやや投高かなという感じは否めません。全体的に打球があまり飛ばないなと見てて感じます。
ですので、来日後今回のDWL成績より成績が良化するということは、過去にドミニカから来日した選手を見た感じでも、ほぼありえないでしょう。
ですが15年に横浜の筒香選手が参加に全く打てなかったことや、NPB経験者の成績をDWL時の成績と単純に比較したときに、NPBに移籍してもある程度の成績が出せることを期待できるほど圧倒的な成績なので、ロメロが出した今季の成績に文句のつけようはなさそうです。
:19年1月18日追記
今回、18年DWLのAAA級打者の成績をAAA時とDWL時で比較したところ多くの打者の打撃成績が落ちていることが判明しました。
AAAと比べて投高と言うことができます。

・コントロールの良化
私が最初に注目したのが先ほど懸念材料としたコントロールが大きくDWLで改善されている点です。
54回をなげ四球はたった15個、与四球率に直すと、2.50という数字に。尚且つ三振も多く奪えているのでまさに良いところを残し、悪いところを改善したということですね。
これだけでもロメロの活躍を大きく期待させられると思います。
コーナーや厳しいコースといった細かいコントロールについては後程触れていきます。

・体力面
ロメロはDWLでは先発で平均5~6回しか投げていません。
そのため体力面に不安を持つ方もいると思いますが、これは球団が100球前後かもしくは5〜6回でピッチングを制限してるためと思われます。
では体力面は心配ないのか?というと、そうではなく、実際に長い回を投げたデータはないですし本人もあったとしても昔のことなので未知数な部分が多いと言うのが正直なところです。
しかし、去年のガルシアも長い回の経験がなく、完投した際には「こんなに投げたのは人生で初めての出来事だ。」と話していたのを聞いたとき中南米選手の身体能力の高さに驚いたのをよく覚えています。
そんなガルシアを見ていると「ロメロも長い回いけるのでは?」と思ってしまいますが、経験がないことには変わりないので長い回は基本期待しない方が良いでしょう。

・その他問題点
映像を見たところ、リリースポイントが若干ばらけているのと、セットの時に静止できていない点が気になりました。
おそらく、あのまま日本に行くとボークをとられる可能性が高いので、キャンプで修正してほしい点です。


3-2. ガルシアとの比較で映像を考察
次に映像を見て分析していきます。
DWLはMLBのようにセイバーメトリクスや細かいデータを扱ったデータサイトが発見できませんでした。(もしあったら教えてください...) そのため、今回の考察は私が実際に行った集計と個人的な視点で分析していきます。
メジャーマイナー共に登板が少なかった18年MLBより直近の出来事ですのでこちらの分析の方がよりロメロの現状を知るのに適していると考えています。
動画を実際に見ていただいた方がこれからの説明がわかりやすいとは思いますが、少々長いので、見なくてもわかるように書いていきます。もし詳しく動画を見たい方がいましたら、下のリンクからどうぞ。

まずDWLにおける4シームの評価をしていきたいと思います。
前述したように18年に入り球速、球威、が低下されたとされる4シームですが、結論から言うとあまり心配ないのではないかと思われます。下のツイートをご覧ください。


平均球速は142~145キロと「中継ぎから先発になった」だけでは説明がつかないくらい落ちていますが、DWLのスピードガンはそこそこ厳しく、シーズンでは考えられない球速表示が出ることがある選手もいるので、もう2~3キロ多く実際は出ていると見て良いのではないかと。
肝心なのは球速ではなく球威です。

このように甘く入り、とらえられたかと思われた平凡なスピードの4シームが、なかなか飛ばないといったシーンが多くみられました。
54イニングを投げ被本塁打は0という数字からも見て取れますね。
また球速の割によく空振りが取れること、それと意外な事に、ストライクゾーンの両端をつくコントロールも備えていたのです。

動画でわかるように、4シームで内外問わず、見逃し三振を奪うケースもいくつかみられました。現状、自分から崩れるようなコンロトールの悪さはないと言えそうです。
しかしコーナーに決まっている4シームはほとんどが86~89マイルで、91~96マイルの力の入った4シームは高めに浮いています。
では高めに浮いたこの150キロ近い4シームははじき返されているのか?というと、そんなことはなく、MLB時代と同じように空振り、当たってもファールというパターンが多く、やはりなかなか前に飛ばされていませんでした。
因みにガルシアはMLB時代の回転数も2100回転前後と、4シームに威力がなく、NPBでもMLBでも頻繁に打たれていましたのでこの点は大きな違いと言えそうです。

DWLにおける4シームまとめ
・平均球速は142キロ~145キロほど。日本に来てもこれくらいと推測される。
・球威のあるフォーシームでなかなか前に飛ばず、尚且つ空振りも多く取れる。
・低め、コーナーに制球できる能力がある。

悪い点はなかなか見えませんでした。NPBでは先発左腕は平均で144~145あれば早い部類に入りますし、この球速と球威が日本の環境でも維持できるかどうかにかかってくるでしょう。

次にDWLにおけるカッターを見ていきましょう。

ツイートでは「スライダー」となっていますが、これはDWLで確認できた所謂、「カッター」のような球が思ったより緩く、軌道もスライダーに近くなっていたため、「スライダー」とさせていただきました。
どちらかというとスライダーのような気がしますが、このnoteではずっと「カッター」としてきたので、引き続きカッターで行きたいと思います。
DWLでロメロはカッターを左右両方の打者に使っていて、特に左打者にはよく使用し、空振りも取れています。
ガルシアのスライダーは速球に近い軌道からやや縦方向に曲がるスライダーで、主に左打者に対して用い、この球だけで60個近い三振を奪うほど切れ味の良いものでした。
それに比べロメロのカッター(スライダー)はガルシアほどのキレはなく緩いものと言えます。
もう一つ問題点があり、これは変化球全般的に言えることですが若干腕が緩むのが気になりますね。修正すべき点と言えるでしょう。
NPBの左打者を抑えるためにはこの手の変化球の切れ味は必須ですのでしっかり空振りを奪えるか、今後要チェックポイントでしょう。

DWLにおけるカッターまとめ
・MLB時代より軌道緩めに変化し、切れ味がやや低下しているか?
・左右問わず空振りはとれていて、特に左から奪えている。
・痛打はあまりされない印象。
・腕の振りが若干緩い

次にカーブにいきます。


全体的にそこそこ大きな軌道で曲がってきて、緩急もよく効いています。MLBのデータでは低めボールゾーンに決まることが多いとされていましたが、DWLでは割と、まとまりなく色々なコースに投げていました。
ちなみにガルシアはほぼカーブを使用しないのでガルシアに比べてバリエーションが多いということになりますね。多用していて、実戦でも使えることが期待できるので、ポジティブにとらえられるポイントでしょう。
ただ、これもカッター同様腕の振りが少し緩むのは問題点ですね。

DWLにおけるカーブまとめ
・あらゆるコースに投げることができ、しっかりストライクを取れる。
・緩急が効いている
・腕の振りが若干緩い

次は問題のチェンジアップです。
これに関してはなかなか「これがチェンジアップだ」と言いきれる球が確認されず、動画を載せるのは控えさせていただきます。ごめんなさい。
MLB時代も投球割合2%とほぼ投げていないチェンジアップですが、この球はかなり重要さはガルシアを見るとわかってきます。
ガルシアはMLB時代もNPB時代も、右打者との対戦ではチェンジアップによる緩急を生命線にしてきました。MLB時代はそのチェンジアップが通算被打率5割越え、被弾もおおく浴び、MLBで通用しなかった大きな要因となっていました。
しかし、NPBにくると被打率が.150と劇的に回復。右打者との対戦時は4シームとチェンジアップを基本路線とし、そこにスライダーを混ぜることによって苦手な右打者を完全に攻略したのです。
カーブの緩急はチェンジアップとの緩急とは質が異なりますので、ロメロもガルシア同様、NPBでなんとか速球と同じ腕の振りで遅れてくるチェンジアップをものにして、右との対戦時の武器にしてほしいと強く思います。

4.まとめ
最後にここまでの情報を整理して私がロメロに求める投球スタイルについて書きます。
私はロメロが活躍するなら「ガルシアスタイル+α」といったスタイルになるのではないかと予想しています。
DWLで出せている威力のある平均142キロ~145キロの4シームとカッター(スライダー)、そしてカーブの質を維持しつつ、そこに新たにチェンジアップを加えて打者を料理するスタイルを確立してほしいと考えています。これもガルシアが、MLB時代に投球割合の6割を超えていた4シームの割合をNPBに来てから、4割まで落とし、変化球の割合を増やしたように、ロメロもMLB時代に4シームが投球割合の7割を占めた、「4シームで押すピッチングスタイル」は捨て、変化球の割合・精度を高めることが活躍へのカギと言えるでしょう。
前述したように特にカッター(スライダー)とチェンジアップの精度向上が重要です。
また彼の球を受ける捕手のリード、そして登板間隔をしっかり調整し無理な登板はさせないこと、(ガルシアも終盤無理な登板がおおく成績を落としたためです。)といった環境の面でも活躍が左右されるでしょう。
・威力のあるフォーシーム
・ストライクからボールになるカッター(スライダー)
・緩急の効いた変化の大きいカーブ
現段階でも活躍できる要素はそろっていますし、上記の課題を克服すれば
27〜29試合登板
防御率2.40〜3.00
155〜170イニング
BB/9 2.50〜3.00
K/9 7.5〜8.5
くらいの成績は残せるとふんでいます。ガルシアに負けず劣らずマウンドで熱くなる闘志メラメラ、常時アドレナリンの出ているような選手なのでそういった意味でもチームを鼓舞してくれるでしょう。
これからのロメロ投手の成長・そして活躍を期待しています。
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございます。感想・質問は随時ツイッターにて受け付けているのでもしよかったらよろしくお願いします。


終わり


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