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世界は存在しない

中学3年の時、時間や空間の実在がつかめず、アインシュタインの相対性理論に助けを求めた。

時間や空間は絶対的ではなく、可変するという事が理解できて、安心した面はあったが腑に落ちない面もあった。

最近、また、その疑念が呼び出されて、このロヴエッリの本に出会えた。

だいぶ納得できた。

感覚的に、我々は世界の中に存在していると思うが、実は、我々を取り囲むような世界自体や構造は存在しないのだ。

宇宙は元から構造があって秩序的に進んでいるのではなく、際限なく無秩序へ向かっている産物なのだ。

宇宙の緩やかな無秩序化の動きから、時間や空間は、その結果として相対的に生成されるものに過ぎない。

事物を取り囲む様な時間や空間があって、その構造の中で存在物が動いているのでなく、事物そのものが、時間や空間を都度生成している。

なので、時間も空間も不変でなく、あくまで事物の動的なものに対しての相対的であるものにすぎない。
事物同士の関係性の中で、時間や空間を計測しているだけであって、時間や空間の中で事物が動いているわけではない。
だから、時間や空間は無数にダイナミックに動くものであり、一定であるはずがない。

これは、日本なら道元の色即是空、現代の哲学者なら、ガブリエルの世界は存在しない、とも通じるものがある

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