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ステラーブレイド ストーリー考察

夜空に煌めく星の如く

ステラーブレイドはおもしろい。
アクションがかっこいいし、謎解きもほどよい難易度だし世界観もいい。イヴはかわいいしかっこいい。

初めて全てのトロフィーを集めるくらいプレイしたけれど、しかし一番期待していたストーリーはいまいち、というか、描写し切れていない部分が多いように思う。道中謎が多いのはともかく、エンディングを見終えても「結局なんだったの?」となる感じ。

と言うわけで、不足する部分は妄想で補い、こうだったのではないか、と考えたストーリー。

前提

  • エンディングは三種類とも見た。

  • データ等は拾い切れていないので、矛盾する部分があるかもしれない。

  • ネタバレあり。

妄想ストーリー

エルダーネイティブとなったラファエル・マークスは考える。確かに人類は進化し、中にはアンドロエイドスに勝てる者もいる。しかしとても人類とは思えない形状となってしまった。これならまだ、アンドロエイドスの方が旧人類に近いし親しみを感じるほど。理性を保っている人類として、これからどうすべきだろうか?

ネイティブとアンドロエイドスとが融合したオルカルが、アンドロエイドスの味方となったのを見て、ラファエル・マークスは光明を得る。アンドロエイドスと融合し、新しい形となることが人類の未来を切り開くのではないか? 人類をもう一度誕生させる、という意味を込め、ラファエル・マークスはアダムと名乗り始める。

マザースフィアは考える。確かに新しい人類たるアンドロエイドスは旧人類より優れている。強靱な肉体、ハイレベルな環境適応性。しかし旧人類、今やネイティブと呼ばれる彼らの進化の速さには目を見張るものがある。アンドロエイドスたちも技術を進歩させ発展しているものの、このままの速度でネイティブが進化すればいずれ逆転されうるのでは? そうでなくてもよりよい人類を目指すのであれば、ネイティブたちのあの進化の速さは見習うべきではないか?

進化の速さの秘密は恐らく、ネイティブたちの祖、ラファエル・マークスにある。彼の遺伝子を研究しなくてはならない。

やがてマザースフィアは、ラファエル・マークスがアダムと名乗っていることを知る。その名から人類再誕を目指す意図を悟ったマザースフィアはEVEプロトコルを実行に移す。目的はアダムの遺伝子、特に精子を手に入れること。アダムの伴侶を創り出し、精子及び子を手に入れ、その進化の速さの秘密を研究すること。
敵として対峙しては相手もネイティブの姿で応戦してくるだろう。それでは意味がない。あくまで旧人類としてのアダムの遺伝子でなければ。敵ではなく、愛される伴侶としてのアンドロエイドスを接近させ、アダムに気に入られること。そのために、東洋系のラファエル・マークスが好みそうな東洋系美人な顔だち、男性が好みそうな体型、その魅力をアピールするための着せ替え人形としてのナノスーツを備えた空挺部隊を地球に送り込む。本来兵器としては障害にさえなる自我を与え、個性を容認し、感情のあるアンドロエイドスとする。中でも優れた素質を持った者には固有の名前を与える。これがEVEプロトコル。

空挺部隊の目的は、地上奪還ではないため、限られた部隊しか送らない。

アダムは、アンドロエイドスとネイティブの融合を試してみるものの、ネイティブの闘争本能、凶暴性が強く発現し、旧人類とはほど遠い生物が誕生するばかりだった。

ほどなくアダムは、マザースフィアがEVEプロトコルなる作戦を実施していることを知る。その名から、マザースフィアからの歩み寄りの意図を感じたアダムは、送り込まれた空挺部隊に対し、試験的にネイティブを融合させてみる。が、大半が失敗に終わる。固有の名前の付けられた優秀そうな空挺部隊は、アバドンのような強力なネイティブになるだけだった。

最も成功に近い事例はレイヴン。自我を保ったままアルファネイティブとしての力を保持することに成功する。しかし自我を保てたのはマザースフィアに対する強い憎しみのためであり、ネイティブとアンドロエイドスの融合、いわば共生の道に賛同するとは思えない。また、アダムに対する愛慕の気持ちが強すぎるため、他に対する嫉妬も強く、人類再誕の妨げにさえるかもしれない。

マザースフィアを憎みすぎることなく、かつ、肉体的な強さが要る。最低でもアルファネイティブを倒せるほどの強さが。でなければ自分と融合することなどとても叶わない。弱い相手では闘争本能に飲み込まれ、凶悪なネイティブとなってしまうだろう。かくしてアダムはネストに、ネイティブ以外の者が通行するにはマスターコアを必要とする門を作る。マスターコアは複数のアルファコアから作られるため、門を開ける者はアルファネイティブに打ち勝つことができた者だけ。どちらにせよ新しい人類が誕生したとき、融合した結果凶暴性が強く出たネイティブは邪魔にしかならない。特に、易々アンドロエイドスに打ち勝つアルファネイティブは、事前に始末しておかなければならない。

ネストにこもるアダムにたどり着くには、アルファネイティブに勝つ強さが要る。より強く、より美しい兵士を送り続けるマザースフィアは、第六陣までの研究成果を元に、これまでで最も優秀な兵士を創り出すことに成功する。彼女ならやってくれるかもしれない。期待を込めて彼女には、プロジェクトの名前を名付ける。すなわちイヴ、と。

アダムの予感

マザースフィアの思惑は当たる。イヴを一目見たアダムは可能性を感じ、またその名前から彼女がEVEプロトコルの本命、マザースフィア渾身の兵士であることを知る。アルファネイティブを倒したイヴを見てアダムは言う。

「もしかしたらイヴは...(自分と融合しても凶暴化しないほど強くなるかもしれない。アルファネイティブを倒し、門の内側まで来てくれるかも知れない)」

アルファネイティブを倒した直後

順調にレボワを攻略し、アルファネイティブを倒していくイヴ。

タキをアルファネイティブと融合させたのはレイヴンの独断。

アダムが遠く離れたスパイア4まで出かけた隙を突き、レイヴンはザイオンを襲撃する。アダムの油断。レイヴンがそこまでイヴ及びイヴと交流するザイオンを憎んでいたとは。ザイオン付近まで戻ってきたアダムだが、レイヴンにどう対処すべきか決断しあぐねる。半身ネイティヴ化した状態でレイヴンを止めようとすれば、自身の正体をザイオンに明かすことになる。かといって闘争本能に身を委ねてはザイオン破壊に加担してしまうかもしれない。悩んでいるうちにテトラポッドが戻ってきたことを知り、ネストへとこもるアダム。オルカルがレイヴンを止めてくれるか、あるいはイヴが間に合うことを祈って。

地球に落下するイヴは、マザースフィアが派遣したイグゾスーツに救われる。マザースフィアからすれば、かつてない成果を上げ、アダムにさえ届きうる存在を救わない理由がない。

アダムが、そしてマザースフィアが期待していたとおり、イヴはアルファコアを集め、ネストへの扉を開く。アダムがバイクをネスト入り口に置いたのは、アダムとエルダーネイティブとの繋がりを薄々気付いてもらうため。アダムの狙い通り、イヴは気付く。

アダムと対峙するイヴ。人類を救いたいとのアダムの言葉に偽りはない。リリーに渡したハイパーセルは、元々はレボワだったネストのもの。融合するか倒されるか、いずれにしても最早この施設には必要がない。

一緒に行動する中で、イヴは、アダムが何か隠していること、過去に悲しい出来事があったことに気付いている。レボワに入るための試練の時には「さっさと始めましょう」と言い、対レイヴン戦ではリリーを抑え「こいつは私が倒す」というイヴは侍のような気概があり、戦うことにためらいはない。そのイヴが、アダムの話をきちんと聞き、戦いに逸る様子がないのは、悲哀を抱えるアダムに好意を寄せているから。

マザースフィアが唯一誤算だったのは、アダムとイヴが夫婦として新しい人類を育てようとするのではなく、アダムが融合という形を選んだこと。マザースフィアには、アダムの後悔、そして悲哀を理解しきれなかった。マザースフィアが引き起こした数々の悲劇は、元を正せばマザースフィアの生みの親であるラファエル・マークスに行き着いてしまう。この世界の荒廃も、連鎖する悲劇も全て、すべて自分のせい。今更どんな顔をして人類を導くことができよう。アダムはもはや、自分の価値は、旧人類のDNAの保有していることだけだと思っている。イヴなら、ザイオンの住人を助ける温かさを持ち、同胞がアルファネイティブになってしまった悲しみを乗り越える強さがあり、真実を冷静に受け止めてきたイヴなら、自分にはできなかったこと、人類を明るい未来へと導いてくれるのではないか。かくしてアダムは、イヴに全てを委ねることにした。

贖罪を求めるアダム

融合してしまったからにはやむを得ない、イヴごと回収し、研究するしかない、とマザースフィアは考える。量産型程度ではイヴを抑えられなかったが、イヴが宇宙で回収し損ねたアルファコアは既に回収済み。当面の研究対象としては十分だ。オルカルが揺り籠で行おうとしていた「実験」にも興味がある。イヴの影響下にある内は無理だがいずれ回収しに行く必要がある。マザースフィアは諦めない。全ては人類の未来のため、父ラファエル・マークスのために……。

かくして、彼女たちの物語は続く……。

確実に不足している描写

ネストに行く直前では、アダムのバイクを追いかけるのか、ネストに行くのか物語が混在している。

「ネストに行く」という選択肢を選んだはずなのに「アダムのバイクの信号が弱くなっています」とまるでバイクを追いかけるのが目的のようなシーンになっている。ここでは次のような描写が欠けていると思われる。


「バイクのバッテリーが切れたり、弾丸が尽きたりしていないといいんだけど……」
「バイク、そうか! あーもうなんで気付かなかったんだろ」
「リリー?」
「アダムのバイクには追跡装置が付いているんです。今見てみます。――え、どうして、なんで!?」
「落ち着いてリリー、何があったの」
「アダムのバイクは今、ネストにあります! どうしちゃったんだろ。全然動いてない。まさか……!」
「今すぐネストに向かいましょう。準備はいい?」
「はい! バッチリです!」


解釈違い

スパイア4にたどり着く直前、ザイオンが「まずいことになった」と知る場面。イヴは「ここまで来て引き返すのか」と言い、アダムは戻りたがっていたが、ここまでプレイしてきて、イヴならそうは言わないんじゃないか、と感じた。

例えばザイオンの住人のミッションをこなさなかった場合はこのままでいいけれど、ミッションをクリアし、交流している状態ではもっと住人思いの態度を見せるのではないか。ミッションのクリア度合いによって分岐があったのに、それを無くしてしまったのでは? と邪推している。

責任感を感じるイヴ

こんな展開が良かった、という例。


「ザイオンがまずいことになってる。詳しいことはわからないが、何者かの襲撃を受けているらしい」
「それなら今すぐ戻らないと」
「スパイア4は目前だぞ。ここまで来て戻るのか?」
「カヤやエンヤたちが心配。スパイア4にはまた来ればいい」
「軌道エレベーターはまだ動いてはいるが、いつまで動くのかの保証はない。定期メンテナンスの可能性があるからな」
「定期メンテナンス?」
「軌道エレベーターのような重要な施設は定期的に大がかりなメンテナンスを行うんだ。だが、ネイティブに汚染された状態では正常にメンテナンスが行われない可能性が高い。最悪、整備ドローンが分解して組み立て直せない可能性もある」
「(カチャカチャカチャ)前回のメンテナンスから172日経過してる。まずいですイヴ。180日点検が近いかもしれない!」
「でもザイオンを見捨てたくはない」
「じゃあこうしよう。俺がバイクでザイオンに向かう。襲撃を受けたことはわかっているが、相手も被害の規模もわからない。まずは情報収集に徹する。その間にイヴはスパイア4のアルファネイティブを倒してくれ。リリー、ドローンは操作できるな?」
「任せて! アダムより上手にサポートしちゃうよ!」
「……アダム、死なないでね」
「大丈夫だ。イヴこそ、無茶するなよ」
「あたしが付いてるから大丈夫。ほら行った行った!」


おわりに

会話がぎこちなかったり、どうしてそんなことができるのか説明がなかったり、小さなツッコミどころはあるけれど、メインストーリーに関しては大体これくらい(他にあるとすればリリー編くらいかな)。

なんだかんだキャラは好きだし、ゲームとしてもおもしろいので、続編に期待! できれば次は、NIKKEのシナリオライターに協力してもらって欲しい!

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