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FF7リバース感想(妄想強め)

注意

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 注意 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ファイナルファンタジー7リメイク(以下、リメイク)
ファイナルファンタジー7リバース(以下、リバース)
原作の方のファイナルファンタジー7(以下、原作)
のネタバレがあります。
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■1 前提

  • リバースを一周だけクリア。 従って、忘れている部分、見落としている部分多々あり。

  • 派生作品はプレイしていない。

  • リメイクの感想以上に妄想全開。

  • この記事はストーリーについての感想。

    • ゲーム全体についての感想は別の記事として書く予定。

■2 白と黒のフィーラー

四年前に書いたリメイクの感想で、今後白のフィーラーが現れると思う、と書いた。その予想は当たり、リバースで白のフィーラーが現れた(ので、どや顔でこの記事を書いている)。

フィーラーが結局なんなのか、についての意見はリバースをプレイしても変わらない。

黒のフィーラー=「原作通りに物語を進めて欲しいファンの気持ちの代弁者」
白のフィーラー=「エアリス生存ハッピーエンドルートを望むファンの気持ちの代弁者」

クラウドは黒のフィーラーをセフィロスの手先と言っているけれどこれは正確ではない。リメイクではバレット怪我を治したり、リバースにおいては眠りの森で、道案内するように飛んでいた。クラウドたちを妨害することもあるけれど、味方をすることもある。

忘らるる都では、白のフィーラーが敵となって進路を妨害した。白のフィーラーが単に「クラウドたちの味方」という存在であればクラウドの妨害をするのはおかしい。白のフィーラーは単なる味方ではなく、目的=エアリス生存ハッピーエンドルートを目指している存在。なので進路を妨害する。クラウドが一人でたどりついてしまえば原作と同じ展開になってしまうから。

同じく忘らるる都では、両者の立場がわかりやすい場面がある。
進もうとするクラウドたちを止めるため、白のフィーラーがまとわりつこうとする → それを黒のフィーラーが邪魔をする → 黒が「運命の壁」を創り出して全員を通さないようにする → 黒が三体、運命の壁に突撃して一人だけ通れるサイズの道を開く → 原作通り、クラウドだけがエアリスにたどり着くようにする。
止めたい白と、クラウドだけを通したい黒の争いが見られる。

■3 可能性の世界

リバースでは、ザックスを操作してちょっとだけうろうろするパートがあった。その世界でクラウドとエアリスは眠り込んでおり、ビッグス以外、どうやら他のアバランチメンバーは亡くなっている。
空に亀裂が入っていたり、この世界はもうすぐ終わりと言われたり、あの世界は結局なんなのか。

あれはきっと、白のフィーラーが創り出した可能性の世界。
「もしここの分岐がこっちだったらエアリスは救えていたか」を確かめるために創り出したたくさんの世界のひとつ。白のフィーラーが現実世界に干渉して生み出した世界。可能性の世界はひとつではなく、分岐のたびに増えていく。

複数の世界はリユニオンするとセフィロスは言う

今のところ、それらの世界は上手くいっていない。ザックスのいた世界のエアリスとクラウドは眠り込んでおり、起きる気配がない。ザックスが生きていたらうまく行くのではないか、との可能性を確かめるための世界で、ザックスは色々な選択肢を取るけれど、結局神羅兵に蜂の巣にされたり、メテオが降ってきてしまったりしている。

上手く行かなかった世界は消える。白のフィーラーとしては欲しい結果ではないから消すことにためらいがない。可能性世界の住人は、その世界が終わることを知っている。例えばお菓子屋のおばちゃんは「最後だと思って冒険してみた」と言うし、セフィロスは「こんな辺境にいたのか」と言う。もちろんザックスもわかっているから「どうせ世界は終わる」「またな!」と言う。

可能性世界が現れるとき、その世界にいるときは虹色の光が見える。
ザックスが、ビッグスの元に向かうか宝条博士を訪れるか悩んだ場面では虹色の光が見えていた。わかりやすい象徴。

選択によって新しく生まれる世界

■4 重なる世界

おそらく多くの人がどうなるんだと注目したあのシーン。上から降ってくるセフィロスの刀にエアリスが刺される場面。

リバースではセフィロスの刀をクラウドの剣が弾き、エアリスを護った、かに見えた。が、仲間は悲しんでいるし、エアリスが見えているのはクラウドだけみたい。

あの場面では、何が起こったのか。

セフィロスの刀をクラウドが弾いたとき、虹色の光が見えた。あの時またひとつ、新しい可能性の世界が生まれた。すなわち、エアリスが生きている世界。クラウドのフラッシュバック的に、エアリスの腕から血が流れたり流れていなかったり、セフィロスの刀が血で汚れていたりいなかったりする映像があったけど、エアリスが刺されていない、つまり血が流れていない場面の背景には虹色があった。
クラウドには、両方の世界が見えている。世界は重なっている。

エアリス生存ハッピーエンドを望む白のフィーラーにとって、この場面は絶対に譲れない分岐だった。クラウドがバスターソードを振り上げるとき、白のフィーラーがバスターソードの周りをぐるぐる回り、力を与えているのがわかる。今すぐ現実を変えることはできなかったけれど、新しい可能性の世界を作ることはできた。

背景に虹色

エアリスが刺されなかった場合でも、メテオは止めなくてはいけない。だから可能性の世界でも、エアリスは祈る。

■5 白と黒のマテリア

ナナキとエアリスの会話中、黒のフィーラーに記憶を奪われた、という話題があった。白マテリアは中身を奪われ、「ガラス玉みたい」になっていた。

奪われたあとはガラス玉

エアリスが言っているように、マテリアは星の記憶の結晶。白マテリアの中の記憶は、原作の物語だろう。黒のフィーラーからすれば、エアリスたちが原作の記憶を持たれたまま行動されるとよろしくない。「どうせ黒マテリアは奪われちゃうし、神殿なんか行かずにさっさとホーリーを唱えよう」などと言われたら困ってしまうから。

白マテリアの記憶が原作の物語だとしたら。
だとしたら、黒マテリアも同じなのでは?

リバースのラストにおいて、黒マテリアはクラウドが持っており、バスターソードに統合してしまった。原作をはっきり意識してしまったクラウドは、果たしてどんな行動を取るのか、さっぱりわからない! セフィロスを倒す、という行動は変わらないような気がする。

■7 三作品目の展開

白のフィーラーがしなくてはいけないことは二つ。
ひとつは、創り出した可能性の世界においてそのままエアリスが生存し、メテオを止めること。
もうひとつは、その可能性世界で現実を上書きすること。

白のフィーラーと黒のフィーラーがぶつかって、お互い消滅するシーンがあった。たぶん、可能性世界で現実を上書きするためには、白のフィーラーの力が上回らなければならない。セフィロスが行う世界の統合、リユニオンのとき、現実以上に存在感を示さなくてはならない。

黒のフィーラーは原作通りに進めるのが目的だから、次作の終盤ではクラウドたちの味方をすると可能性もある。原作のとおり、セフィロスは倒されなければならないから。その時まで存在していれば、例えば飛空艇に手が届かず落下するティファを、黒のフィーラーが風を起こして救う展開が待っている。

白のフィーラーにしても、セフィロスは倒すべき相手である。セフィロスがいたらまたエアリスやクラウドが狙われてしまうかもしれないから。

ということは、白と黒が共にクラウドたちの味方をする展開もあるかもしれない(世界の統合のタイミングによってはないかもしれない)。

いずれにしても、最後は白のフィーラーと黒のフィーラー、どちらの世界がより強いかの争いになる。でも「No Promises Await at Journey's End」とあったように、結末は決まっていない。世間の意見はどうだろうか? 「エアリスが死んでしまったからこそFF7は名作になったのではないか?」「そうは言ってもエアリスが生きてハッピーエンドの方がいい」など、どちらの意見が優勢だろうか?

結局こういうのって結論が出ないし、出ないことを楽しむものでもある。白と黒のフィーラーは拮抗している。そのバランスを崩すのはひとりしかいない。プレイヤーであるあなたである。あなたが白いフードを選ぶのか、黒いフードを選ぶのかによって結末が変わる、というマルチエンディングになるんじゃないかなぁという妄想。

リバースにおいてセフィロスは、たびたび「星」という言葉を口にした。
リメイク、リバースにおける星とは、『FF7』を巡る世界全体のことではないかと思う。FF7は人気だから、たくさんの派生作品が生まれたし、もしこうだったら、みたいな二次創作もたくさん生まれたんじゃないだろうか。

「怒りと悲しみは増幅し 星の力となるのだ」

エアリスが死んだからこそFF7は名作たり得た、と言っているように聞こえる。
もしそうなら、セフィロスの考えは黒のフィーラーと全く同じで、その場合、原作通り最後の場面で自分はやられるべきだ、と考えていることになる。
「さぁクラウド。俺を倒せ。エアリスを殺した怒りで俺を消滅させろ。その感情が、星の力を永遠のものとするのだ」

でも、セフィロスにも、つけいる隙はあると思う。

セフィロスもFF7が大好き

この場面、セフィロスの長い髪はまるで、白い羽根のように揺れていた。セフィロスにも白=ハッピーエンドを望む気持ちがあるのかもしれない。
もしそうなら、セフィロスは選ばせてくれるのかもしれない。どちらの色のフードを手にするのか、を。

■8 妄想強めの次作エンディング

エアリス生存ハッピーエンドルートと言ったって、はっきり描くものからほのめかすだけで終わるものまで、描き方の程度はさまざまある。
以下は、こんなのがいいなぁという妄想エンディング。


何でも屋を再開したクラウド。街の人が空を見上げてざわざわしている。気付いて空を見上げるティファ。
「あれって……ライフストリーム?」
同じく空を見たクラウドは、突然持っていた荷物をティファに押しつけ走り出す。
「悪い、ティファ。依頼は後回しだ」
「え? うん」
見送るティファは後ろ姿しか写っておらず、表情は見えない。

グラスランドの草原を、クラウドのバイクが疾走していた。バイクの起こす風に、草原の黄色い花が揺れている。
バイクはますますスピードを上げ、一直線に駆けていく。美しい青空に立ち上る、ライフストリーム色をした狼煙の元に向かって。



行きすぎた妄想はきっと大外れなんだろうけど、こういう妄想をしてしまうくらい、おもしろいストーリーでした。

以上、次回作も楽しみ!
やっぱり最後は「リユニオン」かな!


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