ZOOMの話をさせてくれ(BOYS PLANET)
ガムを噛みながら書こうと思ったらガムが切れてたので仕方なくお白湯を飲んでます。ちなみに今0時です。
いい子はねんねする時間なのですが、どうしても眠れなかったので。
このnoteを読んでくださっているみなさんは、K-popオーディション番組BOYS PLANETで披露された『ZOOM』はご覧になりましたか? 見ていない方はとりあえず見てください。
は~~~~~最高………… これ以上何か語ることあるか? これがすべてじゃない?
とは思うのですが、このチームが1位を取れなかった悔しさから今衝動のままにnoteを開きました。このパフォーマンスの素晴らしさを語らないことには私に安眠は訪れないようです。
そういうわけで、これはラミライGの亡霊かつハルト1picのオタクがつらつらZOOMについて語るnoteです。すべて個人の意見です。私はダンスの専門家でもないし演出家でもありません。私の好みだけで喋ってます。
それではどうぞ。
構成とコレオ
まずZOOMの構成のうまさについて語らせてください。
このパフォーマンスはBOYS PLANETにおいて、ラップ&ダンスポジションの課題曲という位置づけでした。求められるのはラップとダンスのうまさ、だけでなく、リリックを書き振付をする創作力です。
みなさんZOOMという曲はそもそもご存じでしょうか? 原曲を貼っておきますね。
見ていただければわかるように、原曲は一人の歌手によるヒップホップ曲です。これを5人でパフォーマンスするには大幅に構成を変えなければならない……のですが、BOYS PLANETのZOOMチームは、原曲の振付をほとんど模倣することなくほぼ全編にわたってオリジナルの振付を展開しています。
そしてその構成とコレオがとんでもなく上手いと私は思うんです。繰り返しますが私は専門家ではないです。ただのダンスオタクです。なので私がこう感じた、というだけなのですが、以下に順を追って見ていきますね。
1番
まず冒頭、キリングパートのヒョンビン以外が倒れているところから始まります。この時点でいいですよね。キリングパートが誰かわかりやすい。キリングパートをちゃんと目立つように配備するあたりに彼らのチームワークを感じます。
ちなみに監視カメラの映像が公開された時点では、ヒョンビンは座った状態でスタートしています。立ってスタートに変更したのは正解だな~と思います。立ったほうが目立つもんね。
そしてヒョンビンが大地を揺らすと周りのチームメイトが起き上がります。トラックの音をうまく拾った遊び心のある振り付け。わくわくしますね!
そのあとに印象的なフレーズ、「Lights, Camera, Action」があります。これは練習風景の段階ではケイタ・オリーがライト、ハルトがカメラ、ウムティがアクションを担当してそれぞれポーズを取っています。ハルトの「Camera」はセンターのヒョンビンにカメラを向けるポーズです。客席には背中を向ける形になります。これが本番では、客席に顔を向けたままヒョンビンと一緒に自撮りをするようなポーズに変更されています。
これ、放送を意識した変更だと思うんです。「Lights, Camera,」でハルトがアップで映し出されることを考えると、そこで客席(視聴者)に背中を向けているのは明らかに映えませんよね。だから客席に顔を向けたまま、「Camera」と矛盾しないポーズに変えた。こっちのほうがはるかに映りがいいです。
さらにそのあとの「Action」も変更点があります。練習段階ではウムティがカチンコを鳴らすジェスチャーをしていますが、本番ではウムティはポーズを取らずヒョンビンがジャケットを翻すしぐさをしています。これもおそらくは放送を意識した変更じゃないかなと思います。
「Action」をウムティの担当にすると、「Action」のあとのシャッター音でカメラが素早くヒョンビンにスイッチングする必要がある。すると画面が忙しくなることを危惧して、「Action」からシャッター音までをまとめてヒョンビンのパートにしたのかな?と。あくまで憶測ですが。
そしてここからヒョンビンのキリングパート! わかりやすくていいですよね。振り付けは原曲のものを取り入れつつ、細かい部分が変更されています。「Zoom in, zoom out」でオリーにズームインするのもおもしろい。こういう小さい工夫が全体に散りばめられていて見てて飽きないんですよね。
最初のラップパートを担当するのはハルトです。全員が一列になって奥からハルトが登場する導入はシンプルですが、「Lookin at me?」というリリックとマッチしていていい。
ハルトのラップのうまさは動画を見てください! 彼はメインラッパーを掴めなかったことをとても残念がっていましたが、この冒頭部分を担えるのはハルトだけだと私は思います。個性的なラップスタイルと声質はぐっとこちらの興味を惹きつけてくれるし、ジェスチャーもポップでクセになりますよね。「Sorry」と言いながら手を合わせたり、「No」で指を振ったり……練習室風景では彼はハンドマイクでパフォーマンスする予定だったみたいですが、ピンマイクに変更して正解だったのでは。
また、彼の実力で観客の興味を惹きつつも、見た目としては情報量を絞ったパートになっています。コレオはついていないし、ほかのメンバーとも絡んでいません。このシンプルさが導入部分としていい役割を果たしていると思います。ほかのメンバー全員が次のパートの準備に移動する中、一人で、正真正銘ラップの実力だけで勝負しなければいけないこの構成は、メンバーがハルトを信頼したから成立したものではないでしょうか。
そして続くのはウムティのバース。このパートは玉座のように椅子に座るウムティとそれを撮影するケイタ、というジェスチャーから始まります。そして全員でのウムティティティ! シンプルだったハルトのパートに対し、遊び心が多くて目が楽しいですよね。人数が一気に増えて盛り上がっていく感じがします。
それにしても脱落者発表式でのウムティティティをここで持ってくるのは、SNSの起爆力を信頼しているがゆえという感じがしませんか? 自分のネタがスタークリエイターの間で周知されてる前提がないと成り立たないリリックじゃないですか。ここでウムティティティを持ってくるあたり、「みんな注目されるために生きている」というZOOMのコンセプトにすごく合致してる気がする。
そしてブリッジ部分。ここのコレオは完全オリジナルです。よくトラックとマッチしてますよね。メロディアスな曲調だけどうまく歌詞やビートを拾ってメリハリのあるダンスになってると思います。ピンポイントで拾ってほしい音を拾って振りをつけてくれてるから見てて気持ちいい。
2番
そのままフック(サビ)へと続く……かと思いきやフックはカットで2番へ。ここ! ここすごく難しかったと思います。普通フックがあるから曲にメリハリがついて飽きずに聞けるのに、そこをカットしてしまうとなると盛り上がりに欠けます。
その問題を解決してくれるのがケイタなんですよね。
彼の圧倒的なラップスキルがあるから、フックがなくてもケイタのバースが盛り上がりどころとして機能しています。加えてここもコレオがいいんですよね……! バックについて踊るのは2人か3人なんですけど、複雑な振りはありません。ケイタのラップに合わせてヘドバンしたり、簡単なステップを踏んだり。全体的にケイタのフロウを強調するコレオになっていて、それが超きもちいい。ダンスがケイタのラップの邪魔をせず、きちんと引き立て役になってるんですよね。でもハルトのパートとは違ってメンバー総動員で踊っていて、わかりやすく「ここ盛り上がるところです!」というお膳立てをしてくれている。こんなんぶち上がっちゃいます。
ケイタのバースに続くのがオリーのバース。ここはキャラクターで魅せるパートという感じがします。ハルトやケイタのようにスキルだけで戦うのではなく、うまくオリーのキャラクターを活かしたラップとジェスチャーになってますよね。なによりウムティとの絡みは見ていて楽しくてかわいい! ケイタのバースでぶち上がったあとにちょっとほっこりできるようなパートになっていて、やっぱり構成がうまいな~!と思います。
そしてヒョンビンのバース。ここはがっつりコレオがついてますね。私ここのコレオすごく好きなんです。曲に合っててポップだし、グルーヴ感もよく出てる。わかりやすくてキャッチーで、ヒョンビンのリリック(顔肩膝足)を拾った振りもあって気持ちいいです。練習室風景を見るとハルトが振り付けしたのかな? 天才!
人選もいいですよね~! 私、ラッパーがダンス強者を従えてラップする構図が大好きなんですけどまさにそれです。ハルトとケイタはとにかくダンスがうまいので、二人を従えてラップするヒョンビンが映えるんですよね。コレオが複雑すぎないからうしろのふたりが目立ちすぎることもない。これでもっと激しい振り付けだったらハルトとケイタの印象が強くなっちゃったかもしれません。でもコレオがうまくヒョンビンのフロウとハマってるからヒョンビンがぼけない。ちゃんと主役に見える。
ヒョンビンも練習段階では不安があったようですが、バックの二人を従えて堂々とラップしていていいですよね。
ヒョンビンのバースの最後は「Everybody say cheese!」なんですが……。ここほんと上手いですよね。原曲にはないリリックなんですよ。でもシャッター音を活かしてここで遊んでるの、楽しい! ポーズも全員ピースなのにそれぞれの個性が出ててめちゃくちゃいいので一時停止推奨です。
そしてまたブリッジ。一番のブリッジと振り付けがまったく変わってるの、芸が細かくていい! 振り付けできるダンサーが二人いるので底力がありますよね。というか練習期間1週間だったはずなんですけど、2分半の曲ほぼ全編にわたってオリジナルのコレオをつけてるのとんでもない……しかもラップのフロウやリリックに合わせて振りをつけてるので、バース部分に関してはリリックを完成させたあとでコレオの作業に取り掛かってますよね。本当にすごいと思う。
そんでこの2番ブリッジの振付もいいんですよね~。音で遊んでる感じがする。1番ブリッジとニュアンスは似てるんだけど使ってる音が違うので変化があって楽しいですね。
で、ここからがすごいんですけど、本来フックが来るはずの部分をダンスブレイクに変えてるんですよね。
そう、このパフォーマンス、フックが冒頭の一回しかないんです。一番盛り上がるのがフックなのに。フックのキャッチーさに頼らず、構成のうまさと彼らの実力でここまで盛り上がるステージを作ってるんです。すごくないですか?
このダンスブレイクがどれだけぶち上がるかは見ていただけたらわかると思います。ハルトのアクロバットはもちろん、ウムティの高音やケイタのBlahh!で一気にボルテージを上げ、派手でうまくビートを使ったダンスで魅せる。シャッター音の使い方なんて最高じゃないですか? フリーズしてピースするハルトにメンバーがカメラを向ける……うますぎる。
そしてセンターが変わってケイタ中心のダンスブレイク。最後はまたハルトがセンターに来て、畳みかけるようにエンディング。ここの最後のステップ、監視カメラの日に繰り返し練習していただけあって迫力出てましたよね。最後のポーズもいい。最後まで一貫して音をうまく使ってます。
と、ここまでZOOMの構成とコレオについて語ってきましたが、まとめるとこうです。
まず、全員にしっかりバースが割り振られています。ちゃんと全員がラップをしている。なおかつラップをしている人が目立つようにダンサーの人数を絞って、コレオの複雑さを最小限に抑えているんです。だからしっかりラップが見せ場として機能するし、言いかえれば5人全員に見せ場がある。
舞台を広く使っているのもいいですよね。ラップをしてるときにその場にとどまらず動いてくれるから視点が動いて飽きないです。
その上でブリッジではオリジナルの振り付けをし、きっちり踊っています。そして最後のダンスブレイクで一気に会場を盛り上げて畳みかけるエンディング。
これが、構成がうまい、見てて飽きない何回でも見たい! と私が思う主な理由です。
葛藤とチームワーク
ZOOMチームのビハインドは本編であまり放送されませんでした(今からでも遅くないからどこかで放出してほしい……)。だから振り付けと構成を考えたのが誰か、正確にはわかりません。
ただチッケムのコメントに少しヒントがありました。まずケイタが、「振り付けとラップメイキングをしました」と言っています。それからハルトも、「振り付けと全体的な構成は僕が積極的にアイデアをたくさん出してみました」と。オリーは「みんなのアイデアで構成されている」と書いています。ここから、おそらくはリーダーのケイタとメインダンサーのハルトが中心となりつつ、全員で考えてこの舞台が出来上がったのではないかと私は思います。
私はいわゆるラミライGの亡霊というやつで、グループバトルで一番好きな舞台はラミライGだし今でも一番見返すのはラミライGです。私がラミライGに取りつかれているのは、実力差も、言語の壁もある彼らが手を取り合い、観客を楽しませようときらきらした舞台を作ってくれたからです。
私はZOOMから、似たようなものを感じます。
ZOOMのメンバーは全員が圧倒的な実力者というわけではありません。オールスターを獲得したのはケイタとハルトのみです(もちろんスター制度に一定の懐疑はありますが)。国籍も違います。
そんな彼らが、互いを尊重したり信頼したりしながらつくったZOOMという舞台が私は好きです。
すこし、私の1picの話をさせてください。ハルトのことです。彼はチッケムのコメントで、こう述べています。
ZOOMを見た人で、彼のこの本心に気づけた人はいたんでしょうか。ステージのあとの表情がほんの少しだけ暗かったから、その部分を見たら多少は勘づいたかもしれません(私は舐めまわすように見ていたので表情が暗いなと思いましたが、そもそも1picでない人は暗いとさえ思わなかったかも)。けれどパフォーマンスだけを見て、彼の葛藤に気づけた人はいないと思います。彼は複雑な本心を完璧に覆い隠して笑っていました。
舞台の上以外でもそうです。彼は劣等感を抱いたり未練を抱えたりしながら、それを表には絶対出さなかったんだと思います。監視カメラに映っていた練習室では、ハルトはずっと休まずヒョンビンやオリーにレッスンをつけてあげていました。振り付けがもっと良くなるように何度も試しているシーンもありました。彼は常にチームがより良くなることを考えているようでした。
たくさん悩んで葛藤して、それでも「キリングパートを変えたほうがいいか」という話し合いで真っ先に「ヒョンビンにやってほしい」と言った、それが私の1picなんです。
きっとハルトだけじゃないですよね。ヒョンビンから相談を受けたとき、ウムティも「僕もやりたかった」と言っていました。それでも「ここでやめたら悔しいでしょ」とヒョンビンに寄り添っています。オリーだってキリングパートをやりたい気持ちはあったはずです。でも手を挙げなかった。ヒョンビン自身もチームのためにもキリングパートを降りるべきか悩んでいましたし、ケイタはそんなヒョンビンを気遣って対話の場をもうけたのだと思います。みんなそれぞれ葛藤があって、生存に必死で、それでもチームのことを思いやって行動していた。お互いに信頼があった。
そして舞台では、葛藤も未練も感じさせない完璧なパフォーマンスを見せてくれた。
だからZOOMは、見る人を元気づけてくれるんだと思います。アイドルってまさにそういうものじゃないかと私は感じるんです。
おわりに
最後に私が好きなZOOMチームのモーメントについてお話しますね。監視カメラに映っていた出来事です。
GANGチームが一列になって肩を揉み始めたとき、ZOOMチームはハルトの指揮でストレッチをしていました。ちなみにリーダーのケイタじゃなくハルトが主導していたのはシンプルにケイタの体が硬すぎるからだと思います。たしか渡辺のほうのハルトもダンス上手いのに体硬かったよね? YGにはストレッチの習慣ないんか?? ストレッチはしないと駄目ですよ。怪我するからね(前田のほうのハルトのストレッチのラインナップまじで真面目だし、全員参加なのはメンバーが怪我しないようにという思いやりなんだろうな~~~~~~~~というのもわかるのでここで好きポイントが一億点加算されました)。
ともかくZOOMチームはストレッチをしてたんですが、ケイタが猫のようにGANGチームの肩もみ列に合流するんですよね。で、ケイタが顎をくいっと上げてハルトを誘う。するとハルトも腰を上げて、それを見たメンバーが全員参加する。マンネのオリーだけちょっと呆れた目で見てる。
最高じゃないですか?
ハルトが動かないかぎりメンバーは動かないことから、ストレッチ中の現場の指揮権はハルトにあると思われます。でもそのハルトを視線ひとつで動かせるのはケイタなの、めちゃくちゃいい。するっと肩揉み列に合流するケイタも、真面目にストレッチ続けようとしたけど空気を読むハルトも、ハルトが動いたらすぐに動き出すウムティとヒョンビンも、呆れつつヒョンたちに付き合ってあげるマンネもかわいい。ZOOMチームの力関係と雰囲気の良さがこの数秒に詰まっています。
だらだら語ってきましたが、これを読んでくださってる方がまたすこしZOOMのことを好きになってくださったらうれしいなと思います。そういうわけで、このへんで切り上げますね。リリックのお話とかもしたかったんだけど長くなりすぎるので。すでにnoteで記事にしてくださってる方がいますし、ぜひnote内を「BOYS PLANET ZOOM」で検索してみてください。
ZOOMチーム、最高だよーーー!!!! 私の中ではZOOMがNo.1だからね!!!!