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ハルトの話をさせてくれ

 みなさん、BOYS PLANETをご存じでしょうか?

 K-popアイドルグループを育成するオーディション番組で、現在ABEMAで配信されています。今日お話ししたいのは、先日までこの番組に出演していた私の推し、前田晴翔についてです。

 先日の生存者発表式で惜しくも脱落してしまった彼ですが、「前向きにカムバを準備している」ことをファンにお手紙で教えてくれました。彼が準備しているのなら、ファンもカムバを迎えるべくやれることはやらねばならない。そこで、彼の魅力をボイプラを見ていなかった方にも知っていただこうと今このnoteを書いています。

 なおこれまでにも同じ趣旨で書いたnoteがあるため(最後にリンクを貼っておきます)、ここでは重複する内容は避けて記述していきたいと思います。そのため多少マニアックな内容になることはご了承ください。


ファンに対して

 まず、ハルトがどれだけファンに真摯に向き合ってくれたかについてお話させてください。

 左の動画はBOYS PLANETでのステージ映像です。ハルトはパフォーマンス中に観客の中から自分のファンを見つけ出し、とっさにファンサを飛ばしています。


 またこれは宿舎での彼のベットサイドです。彼はファンの方が作ったスローガンや、ファンの方からもらったぬいぐるみを飾っています。

@momoonaaa9

もし今日気付かれたりしたら〜 っていう謙虚さと一枚一枚手書きで書いてたシールを一人一人に貼ってくれるいい子ハルト (この後マネージャーさんも俺の携帯にも貼ってって言って貼ってもらってた笑) #보이즈플래닛 #boysplanet #ボイプラ #하루토 #ハルト #haruto

♬ 3:03 PM - しゃろう

 さらに自分の広告が出た際には、四か国語でお手紙を書き、写真を用意し、ステッカーとフェルトに名前やメッセージを手書きし、ステッカーは手ずからその場にいたファンの服やスマホに貼り、フェルトはあとから訪れるファンのために広告の前に残していました。

 広告が出る日程が決まったのは前日だったんです。ハルトは前日に広告が出ることを知ってから、手紙を書き、写真を印刷し、ステッカーとフェルトを用意したのだと思います。

 ハルトはファンのために、たくさん準備してくれました。

 私たちファンは彼になにも返せなかった。もらうばっかりです。最後までそうでした。ハルトは、脱落後ファンに向けたお手紙でファンを元気づけるような言葉をたくさん書いています。とりわけ「前向きにカムバを準備しているので、僕の脱落をそこまで悲しまないでください」という言葉は、どん底にいた私たちにまばゆいばかりの希望をくれました。

 どう考えたって一番つらいのは彼のはずです。ハルトは脱落後、「これからの人生が真っ暗に思える。ボーイズプラネットにすべてをかけていたから」と言っていました。そんなに簡単に前を向けるはずがないと思います。けれどファンの欲しい言葉ばかり詰め込んだ宝石箱みたいなそのお手紙で、彼は私たちを前向きな気持ちにしてくれました。

 ハルトはファンを笑顔にさせる天才なんです。


マルチリンガル

 ハルトのスペックの高さを端的に示すのは、やはり言語面です。彼は韓国語、日本語、英語に堪能で、さらに中国語を理解します。

 SuperChargerの練習室では、ハルトが基本的には韓国語を話しつつ、オリーに対しては英語、ワンズハオに対しては中国語で対応している様子が映し出されていました。4か国語を使い分けながら、短い練習時間で全員をひとつにまとめることができたのはおそらくハルトだけです。

 もしみなさんがBOYS PLANETを視聴していたなら、言語問題がチームにとって大きな壁になり得ることは理解していただけると思います。ボイプラを見ていない方にもきっと想像できることですよね。ハルトはその壁をなくすことができます。

 そもそも「異なる言語を話す」ことは人間の連帯を不可能にします。旧約聖書によると原初、人間はみな同じ言葉を話していました。しかし神は天にも届くバベルの塔を建設しようとした人間の高慢さに怒り、二度と人間同士が手を組まないように我々の言語を異なるものにしました。異なる言語を話すことがいかに意思の疎通を困難にするか、よく表している神話です。

 その意味で、ハルトの存在は神の道理にも立ち向かえる人間の鎖です。ハルトという鎖は、グローバルグループをひとつにつなぎとめるばかりでなくアイドルとファンをつなぐ役割をも果たします。ハルトがいれば、我々はバベルの塔を現代によみがえらせることもできるはずです。


立ち姿

 この画像をご覧ください。

 もしみなさんがハルトの顔をまったく知らなくても、「一番立ち姿がきれいな人がハルトです」と言えばすぐに彼を見つけ出せると思います。彼の立ち姿はそれ自体が大きな魅力です。

 ハルトはバレエを学んでいました。バレエをやっていた人は姿勢がよく立ち姿がきれいなことが多いですが、ハルトの立ち方は姿勢の良さだけでは説明できません。

 彼の立ち姿はなぜ美しいのか? それは彼のポーズがコントラポストと呼ばれるものだからです。

 コントラポストとは、片足(支脚)に体重をかけ、もう一方の足(遊脚)でバランスをとるポーズのことです。体の軸がねじれ、S字の曲線を描くことが特徴です。古代ギリシアの彫刻などによく見られたポーズで、その後のキリスト教世界で廃れましたがルネサンス期には再発見され以降の芸術に大きな役割を果たしました。ミケランジェロのダビデ像はその有名なものです。

ダビデ像の代わりにハルトをご覧ください

 古代ギリシア美術の特徴は「理想化された人間の姿を描く」ことでした。神の美は美しい人間の姿に宿ると考えられ、コントラポストは最も理想的な人間の姿を表すものとして多用されていました。つまりコントラポストは神の美です。

 これを自然に行うハルトは人間の理想的な美を体現しているのであり、神の美を身体に宿していると言えます。


ピアス

「可愛い顔をしているのにバチバチにピアスがあいている」

 ハルトの外見について語るとき、上記のようにピアスの存在に触れる人はとても多いです。彼は耳たぶに3つ、ヘリックス2つ、計5つのピアスホールを開けています。

 ハルトは非常に真面目で、頭がよく、礼儀正しい、いわゆる優等生タイプの人間です。そんな彼の耳に5つもピアスホールがあるギャップについては、いちいち説明せずとも理解していただけると思います。

 私はハルトが12歳のころから彼を知っているのですが、18歳になった彼の耳にヘリックスがふたつも開いているのを見たときさまざまな衝撃から気絶しました。

 そんなわけで破壊力の高いハルトのピアスですが、数学的に見てもとても美しい位置にホールが開いているということを説明させてください。

フィボナッチ数列とハルトの右耳

 これは、フィボナッチ数列によって示される図形とハルトの右耳を重ね合わせた図です。

 フィボナッチ数列とは
F0 = 0
F1 = 1
Fn+2 = Fn + Fn+1 (n ≥ 0)
の漸化式によって表される数列で、「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144…」と続きます。要するに隣り合う二項の和が次の項になる数列なのですが、この数列の面白いところは自然界に同様の数字が多く見られるというところです。

 たとえば木。多くの木は、この数列に従って枝分かれします。あるいは花。この世界にはさまざまな花がありますが、その花弁の数はフィボナッチ数と同じものが多いです。もっと有名なところで言うと、パイナップルやまつぼっくりの鱗片、ひまわりの種が描く螺旋の数もフィボナッチ数に従っています。

 そう、フィボナッチ数列は自然界の秩序を表しているのです。それはすなわち生命の神秘です。

 上掲の図に戻ります。さらにわかりやすくするため、図の線分を延長してみたいと思います。

フィボナッチ数列とハルトの右耳

 このようにハルトの3つのピアスは、フィボナッチ数列における隣接二項の比に従って位置しています。

 つまりハルトの右耳には自然界の秩序が秘められているのです。

 もしフィボナッチ数列の素晴らしさがぴんと来ないようでしたら(と言ってもこの数列はかのガウディもサグラダ=ファミリアの建設に利用した非常に美しい数列なのですが)、黄金比と言いかえてもほとんど同じ結果が得られます。

黄金比とハルトの右耳

 黄金比は言わずと知れた、人間の目に最も美しく映る比率のことです。フィボナッチ数列の隣接二項の比は黄金比に収束していくため、ふたつの図形はよく似通ったものになります。なのでハルトのピアスは黄金比に従って位置していると言いかえることもできるわけです。

 これでハルトの、バチバチにピアスがあいた右耳がいかに美しいか理解していただけたと思います。ちなみに左耳にはピカチュウのピアスをしていることが多いです。私はそれを知ったときかわいすぎてふたたび気絶しました。


萌え袖

 これまで芸術学的、数学的にハルトの魅力を説明してきましたが、今度は文学的な角度からハルトを見てみたいと思います。萌え袖についてです。

 ファンの間で、ハルトが常に萌え袖をキープしていることは有名です。

 何を着ても萌え袖。ダウンを着ても萌え袖。着ぐるみを着ても萌え袖。絶対それ萌え袖にならんやろと思われるレザージャケットさえ肩をずらして萌え袖にしています。こうなると彼の萌え袖に勝てるのはもはや半袖だけです。

 萌え袖には幼いかわいらしさがあります。ハルトが意図的に萌え袖をキープしているのか、無意識の習慣になっているのかは謎ですが、いずれにせよ萌え袖によって彼のあどけなさが強調され、ふわふわとした雰囲気で見る者の心をひきつけることはたしかです。

 そして彼の萌え袖の価値を高めるのは、幼さやおぼつかなさなど一切感じさせない彼のパフォーマンスです。パフォーマンス中はゴリゴリに決めるからこそ、普段の萌え袖の尊さが増します。

 なぜ萌え袖が文学的な魅力なのか。その答えは千年前に遡ります。萌え袖について清少納言は枕草子でこう書き記しているんです。

いみじう白く肥えたるちごの二つばかりなるが、二藍の薄物など、 衣長にてたすき結ひたるがはひ出でたるも、またみじかきが袖がちなる着てありくもみなうつくし

 これを現代語訳するとこうです。

めっちゃ色白でぽっちゃりした2歳くらいの子がさあ、二藍の薄物とか丈が長いのをたすき結びしてハイハイしてんのとか、短い着物の袖だけになってる感じで歩いてんの、かわいくない?

 よく知られていることですが清少納言はインテリギャルでした。カワイイに対して並々ならぬこだわりを持ち、エモをこよなく愛する清少納言が、その卓越した審美眼とセンスで千年経った現代でも語り継がれるあの清少納言が、「萌え袖、ちょうかわいい!」と言っているのです。我々は萌え袖に抗えないのです。

 ハルトの萌え袖は、千年前から私たちの脳髄を揺さぶるカワイイの系譜だと言えます。春はあけぼの、ハルトは萌え袖。こういうことです。

 清少納言が言っているのは2歳の子どもに対してであって大人の萌え袖は……と思われるかもしれませんが、そんな反論は何の問題にもなりません。ハルトは04lineのあかちゃんだからです。

 そもそも萌え袖というかハルトの手自体がもちもちでカワイイとか、そのもちもちのおててでぺちぺち拍手するのがカワイイとか言いたいことはたくさんあるのですが、これ以上言うと私が現代の清少納言になってしまうのでやめておきます。


水筒

 ハルトはいつも大きな水筒を持ち歩いています。

 高校でも、ボイプラの宿舎でも、本番でも、ダンススタジオでも。彼の傍らには青い水筒があります。正確には水筒ではなくプロテインシェイカーなのですが、いずれにせよ彼はそこにお茶を入れて持ち運んでいるようです。

 大学生というのは、大概が毎日ペットボトルの水を買って100円を無駄にする生き物です(韓国では100円以上するという話も聞きました)。しかしハルトは毎日このプロテインシェイカーを持ち歩いています。毎朝このシェイカーにお茶か水をとぽとぽ注ぎ、帰ってきたらごしごし洗っているということです。

 水筒を洗う手間を皆さん知っているでしょうか。おそらくこのサイズのものは普通のスポンジでは洗えません。柄つきのスポンジを使用しなければならない可能性が高いです。さらにお茶は茶渋が残るため、数日おきに漂白をしなくてはなりません。またプロテインシェイカーは飲み口が細くなっているため、単純なボトルタイプの水筒より洗う手間が増えます。

 ハルトはこれらの手間を乗り越えて、プロテインシェイカーを使いつづけているのです。とてもまめで、倹約家で、合理的な人です。

 さらに下の画像を見てください。

これはハルトがウムティ、ダンホンハイとともに出かけたときの遭遇写真です。この日ハルトはいつものプロテインシェイカーが入らないサイズの鞄で出かけており(斜め掛けの鞄を肩掛けしてるの可愛いですね)、途中でペットボトルの水を買ったものと思われます。たくさん飲んでえらい!

 しかしよく見ると、ペットボトルにラベルがないことがわかります。これよりもっとわかりやすい写真もあるので気になる方は探してみてください。

 韓国では、環境に配慮してラベルレスのペットボトルが売り出されているそうです。そう、ハルトはラベルレスのペットボトルを選んで買ったんです。

 毎日水筒を持ち歩き、ペットボトルを買うときはラベルレス。ハルトの存在そのものが環境に優しいと言えます。


人間性

 もっとたくさん語りたいことがあるのですが、長くなりすぎるとみなさん疲れてしまうのでこのあたりで切り上げます。最後にどうしてもこれだけは言わせてください。ハルトはとても美しい人間です。

 優しくて気が利く人です。パートを変わってほしいと言われて戸惑うジェイの味方になったり、実力が不足しているのではないかと悩むヒョンビンを励ましてセンターを任せたりしました。全員でじゃんけんをした際には、隣で控えめに手を挙げているワンズハオの腕を掴んで目立つように高く掲げてあげていました。

 努力家です。5歳でダンスを始めた彼ですが、確認できるダンス動画を見ても現在に至るまで上達し続けていることがわかります。ラップも一年半で驚くほど進化しました。宿舎ではいつも中国人練習生と会話をして中国語の勉強をしていたそうです。ボイプラの合間に大学で自習をしたり、ダンススタジオに通ったりしていました。

 真面目で礼儀正しいです。いつも腰を90度曲げてお辞儀をします。大先輩のフイくんが相撲で勝ったときには、ひとりだけ立ち上がって拍手していました。初めてSuperChargerをマスターに指導してもらう際、時間がほとんどなかったにもかかわらず「来てもらうのに何もお見せできないのは礼儀ではない」と言って夜通し練習していました。

 ひとをよく見ています。彼が高校でクラスメイト全員をほめて回るという動画が拡散されたことがありました。数十人のクラスメイト全員の美点を見つけるなんてなかなかできることではありません。ひとのことをよく見ている、それも性善説的な目で見ている証拠です。それに加えて、思ったことを言葉にして相手に伝えられる素直さがあります。

 責任感が強いです。第一回生存者発表式では、脱落したひとたちの分まで頑張ろうと言っていました。アーティストバトルでは、難しい曲に挑戦することになった仲間たちをたくさんほめながら指導していました。自分より年上のメンバーが大勢いる中で指導係を任された彼は、「自信をつけてほしいです」とインタビューに答えています。自分がこのメンバーを率いるのだという責任感がないと言えない言葉です。

 思慮深いです。リアクションや発言がよくカメラに抜かれていたにも関わらず、失言の類がありませんでした。いわゆる芸人枠として注目されていましたが、人を傷つけるような笑いの取り方もしたことがありません。また大量の過去画や過去コンテンツが出回っていますが、彼のイメージを下げるようなものは見当たりません。

 彼の美徳は言い出したらきりがありません。ほかにもたくさんあります。とても人間ができていて、その人間性でいつも私たちを驚かせます。

 彼は完璧なひとです、などと言うつもりはありません。その言葉の暴力性は理解しているつもりです。ただ、彼は特別なひとです。その生き方で、たくさんの人に感動と動機を与えられるひとです。

 彼が脱落した次の日、私の友人は新社会人としてのストレスでいっぱいいっぱいになりながら「床ちゃん、ハルトに出会わせてくれてありがとう。ハルト見てると自分も頑張らなあかんって思える」と言いました。きっと多くの人が同じように感じていると思います。

 私たちは彼に何もあげられなかったけれど、彼は本当にたくさんのものを私たちにくれました。

 私たちは何もあげられないから、せめて彼を信じていたいと思います。私の一番苦手なことです。ずっと避けてきたことです。ひとを信じるって本当に難しいですよね。裏切られたら傷つくから。でも傷ついてもいいから彼を信じたいです。

 だから、いつかまた会えると信じてみます。


 これまでも同じ趣旨で書いたnoteがあるので、お時間のある方はこちらもご覧ください。


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