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Me, Myself & Jimin 備忘録

 ホットミルクココアを飲みながら優雅にこの記事を書こうと思っていたらココア美味しすぎてnoteを開くより先に全部がぶ飲みしちゃった。
 仕方がないのでお白湯を飲みながら今これを書いています。白湯うま。

 さて右手に白湯、左手には?

 そう、ジミンさんのPhoto-Folio、Me, Myself & Jiminです。

 これが届いてまず開いたときの感想、というか第一声、「うわ」。
 とんでもないものを買ってしまった。これは世に出していいものなんですか?

 それからとりあえず無言ですべて見て、そっと届いたときの箱に戻した。だってなんかずっとは見てらんなかったので。そっとしまいました。部屋の奥に。

 しかしながらそれからというもの、寝ても覚めてもこの写真集のことを考えてしまう。寝ても覚めてもです。さすがに釜山コンのときはバンタンへの愛とWeverseへの恨みで頭がいっぱいでしたが、それ以外のときは写真集のことしか考えられない。そうなったらもうちょっとした悪夢じゃないですか? なのでとにかく備忘録を残しておこうと筆を取った次第です。

 感想や考察といったものではなくただの備忘録なので読みにくいですが、まあ自分のためにまとめているものなので……

 あとユング心理学についてもたびたび触れていますが、私は大昔(高校とかそこら)に趣味でかじったことがある程度の人間で、専門的に学んだことはありません。素人がなんか言ってんな~くらいの気持ちで見てもらえたら幸いです。


4つのテーマについて

 まずみなさん、商品ページの写真集説明文を読んだ時点でユングじゃん!と思いましたよね? 私は思った。

エゴの無意識、混沌、そして自由への渇望。(中略)
JIMINのアイデアで斬新な演出がなされたこのフォトブックは同じ衣装で異なる雰囲気を表現し、自分が向き合う強靭さ、混乱する意識の中で見つけた光の意味、内面の自分と、自分が作り出したペルソナが対面する瞬間など、「自分」を探し、彷徨う混沌(Chaos)の中で自分の未成熟さを表現しました。

商品紹介より

 ユングじゃん!!!!

 私はバンタンの過去コンセプトの中で一番MOSがぶっちぎりで圧倒的に大好きなのでこれ読んだ瞬間ワーイ!!て叫びました。MOSが帰ってくる!! 初めて花様年華に囚われているオタクの気持ちがわかった。私も囚われていたんだな、MOSに……(個人的にファンが囚われるのは全然かまわないけどそこへ回帰することをアーティストに求めるのは違う、と思っています)

 そんなわけで写真集などという、いつもなら絶対買わない世界で一番興味の薄いグッズを即決で予約したわけです。なぜ興味が薄いかというと私は人の顔を認識するのが苦手であんまり推しの顔もちゃんと分かってないし、そもそも人の顔をよく見る習性がないからです。最低! なぜドルオタをやっている!? 私も謎です。

 で、届いた写真集なんですが。

 公式の説明文によると、この作品は「black」「light and darkness」「white」「color : freedom」の四種類のテーマを具現化しているらしい。

 いやどれがどれ?

 説明は一切なし※。まず一番わかりやすいのは「color : freedom」。これはおそらく2番目の、Tシャツを着て紫の翼を背にしたコンセプトが対応しているのではないでしょうか。知らんけど。

 それ以外は正直まったくわからない。普通に考えれば4番目の鹿のマスクを手にしたコンセプトがblackとwhiteなんですけど……だとすると残るコンセプト(衣装)とテーマの数が合わないですよね。1番目のガウンを着たジミンさんがlightで3番目のスーツのジミンさんがdarknessなのかもしれないけど、それなら「black and white」「light」「darkness」と表記しませんか? いやわからん。もしかしたらジミンさんと気が合わないだけかもしれない。ジミンさんはあんまりandの位置にこだわらない人なのかもしれないですね。知らんけど。

 でも落ち着いてみると、1番目のガウンが「white」で3番目のタキシードが「black」、最後の黒と白のお衣装が「light and darkness」と考えることも、まあ、できますよね。知らんけど(なぜガウンが白でスーツが黒かというと、背景というか余白?の色がそうなっているからです)。

 ここでは後者の割り振りを使って以下の備忘録を進めていこうと思います。つまり

1.white
2.color : freedom
3.black
4.light and darkness

 この順番です。これが合っているかどうかは知りません。ただ私はここでは便宜上この前提を採用するというだけです。


※10.21追記
 正解が公式から出ました!

1.Light and Darkness : Chaos
2.Color : Freedom
3.Black : Come face to face
4.White : Intactly

 これが正解みたいですね。私の予想は思いっきり間違えてるんですが、このnoteはただの思考メモなので以下の文章は訂正せずそのまま残そうと思います。読む際はお手数ですが、「white」と「light and darkness」を入れ替えて読んでください……。


タトゥー

 それでは本題に入るんですけど。

 今回の作品でジミンさんはたくさんのタトゥーシールを施しています。代表的なものが首筋、そしておそらくは右胸にも貼られている「Tailor of Chaos」というタトゥーシール。それから右腕には「FREE」や「LOVE」といったタトゥーシールも。左腕に入っている絵柄は花と鳥なんですかね? 鳩とオリーブかも……それと上腕には筆記体で「filter」……

 filter!!!!!!!!(爆泣き)

 すみません。Filter囚われオタクなのででかい声で泣いちゃいました。

 それにしてもやっぱりこの写真集はMOSやユング心理学と深いつながりがありそう!
 これは私の超個人的な解釈ですが、Filterという作品はジミンさんのアイドルとしてのペルソナを歌った曲だと思っています。「Filterを選んで」「なんにでもなってあげるよ」というのは、彼の言葉で言うところの「人間パク・ジミン」ではなく、「BTSのJimin」としてのスタンスと言っていいと思います。それは彼のEgo(自我)から少し離れたところにあるペルソナ(仮面)で、ジミンさんはナムさんがペルソナへの懐疑を歌ったのと対照的に自らのペルソナを楽しみ肯定する曲を歌ったのだと思います。

 知らんけど。

 ともかく、MOSと繋がりがあると言い切ってしまうのは早計でも、ジミンさんのなかで「Filter」というのが今も重要なファクターとして機能しているのは間違いなさそうですよね。

 さらに、そのほかのタトゥーシールが問題なんですけど。

 左胸に大きく刻まれている(貼られている)のはAから始まる単語ですよね。これは写真集では読むことができませんが、ティザーと翌日公開されたビハインドカットで判別できます。

「Artemis」

 マジ?????

 またでかい声出しちゃった。ティザーをあんまり真剣に見ていなかったので(視覚的な刺激が強すぎて見られなかった)今気づきました。マジ???? ジミンさん心臓の上にアルテミスって彫ってる(という設定な)の???? そんなことある????

 アルテミスと言えば当然、ギリシア神話の月と狩猟の女神で処女神。2019年のMMAでジミンさんが演じたのはアルテミスだったそうです。双子の兄は太陽と音楽の神アポロンで、こちらはテヒョンさんが演じたんですけど。(ちなみにニーチェによってアポロンとディオニュソスは対比する芸術の形と位置付けられています。今回は関係なさそうだけど面白い……)

 アルテミスには様々な逸話がありますが、ユング派心理学ではアルテミスの元型は男性とは対等な存在の、自尊心と独立心を持った女性像として扱われることもあるそうです(ユングが言い出したわけではない)(元型、アーキタイプの説明は重要なんですが長くなるので省きます。一言で言うと普遍的な無意識の中にある様々な類型、ということになります。詳しくは調べてみてください)。

 で、タトゥーシールがアルテミスだと思って見れば、写真集の様々なモチーフが次々に明らかになってきますよね。


アルテミスとアポロン

 まずタトゥーシールつながりで言うと、右手の甲の月はやはりアルテミスを象徴しているものだと考えて間違いなさそう? すると左手の太陽(に見える)はアポロンなんでしょうか。

 石膏像も同じく、2番目「color : freedom(仮)」の胸像はアポロン、3番目「black(仮)」の胸像はアルテミスに見えます。ちなみに「color : freedom(仮)」にはもうひとつ胸像があるんですが……アプロディテ、というか俗に言うミロのヴィーナスに見える……ような気がします。確証はありません。

 そして4番目「light and darkness(仮)」の鹿のマスク、これには二つの可能性が出てきました。

 一つ目はケリュネイアの鹿。これはアルテミスの聖獣の雌鹿で、5匹いると言われています。そのうちの一匹は足が速すぎてヘラクレスと追いかけっこをしたことで有名なんですが、それはたぶんまた別の話。

 二つ目の可能性はアクタイオン。これはもともと人間の男だったのですが、うっかり沐浴中のアルテミスに遭遇し彼女の裸身を見てしまったことで、アルテミスによって鹿に変えられてしまいます。そして最後には自分の主人が鹿に変わったことなどつゆ知らぬ猟犬たちに食い殺される、という悲惨なエピソード。

 このうちのどちらかが鹿マスクの正体であると考えていいとは思うんですけど……どっちだかはまるきり分かりませんね。鹿マスクが複数あることを考えるとケリュネイアかなあなんて思いますけど、だとしたら全部で6匹(ジミンさん合わせて7)いるのが違和感?

 ちなみに「ユング アクタイオン」で検索すると一件の本がヒットします。ヴォルフガング・ギーゲリッヒの『魂の論理的生命―心理学の厳密な概念に向けて』。ユング派の著者が心理学的視座でアクタイオンを取り扱っているみたいですけどこれが関係あるのかもまったくの謎! です。なんもわからん。

 けれどジミンさんが自らのフォトブックでアルテミスとアポロンを扱ったことには、やはり大きな意味がありそう。

 先ほどアルテミス元型の話をちらっとしましたが、アルテミスとアポロンをユング的にもう少し掘り下げてみたいと思います(素人ではありますが)。

 まず考えられるのはやっぱり「アニマ」と「アニムス」かなあ。アニマは男性の中にある女性像、男性が想像する女性像のことで、アニムスはその逆、女性の中にある男性像のことを言います。ユングはアニマを(あるいはアニムスを)抑圧するのではなく、自らに取り込むことが個性化、すなわち自己の確立につながると言っています。
 後世の研究では、アニマ、アニムスを受け入れる(つまり自分の中の異性像を受け入れる)ことで心理的両性具有が獲得されると考えられてきました。
 ジミンさんの中にある男性性、そして女性性。その両方を抑圧も疎外もせず、自己として受け入れる。心理的両性具有を成し遂げること、あるいは成し遂げたこと。アポロンとアルテミスはそのことを象徴しているのかもしれません。
 「Artemis」のタトゥーのほかに月と太陽の両方を手の甲に貼ったことは、両性具有を裏付けているようにも思えます。ギリシア神話からは離れますが東洋で言うところの陰と陽、みたいな感じかな。知らんけど。

 あるいは、ほかの元型をあてはめて考えることもできるかも。「永遠の少年(プエル・エテルヌス)」と呼ばれる元型の可能性を考えてみますね。永遠の少年とは、その名の通り成長することなくエネルギーに満ち溢れ、美しく清らであり続ける少年、あるいは少女の元型(無意識の階層に存在する類型)のことを言います。
 アルテミスやアポロンは神話の中で永遠に大人にならない、青年、少女の姿で描かれます。アルテミスが処女神なのが象徴的ですが……この二柱はある意味で、「永遠の少年」元型の表出したものと言ってもいいと思います。

 そう、Young Forever!

 つまりアルテミスとアポロンのモチーフは、ジミンさんの中に「変わらない少年」(Yet To Comeの歌詞より)が今もいることの象徴なのかもしれません。
 ジミンさんの両腕に「Young Forever」の文字が彫られていること、そして新しく彫られたタトゥーがうなじの三日月と耳うしろの「youth」であったことを考えると、こっちの線もありそうですよね! いや全然知らんけどね!!

 ていうか「Artemis」のタトゥーシールによってジミンさんのうなじ及び背中の月がアルテミスの象徴だとほぼ明らかになってしまったの刺激が強すぎてどう対処していいかわからないですね。むりです。好きな人の背中にアルテミスの月が浮かんでるって言っても一年前の私は絶対信じないと思う。月が浮かんでるだけでもまだ信じられないのに……


こころの地図

 さらに深く、それぞれのテーマについて掘り下げてみたいなと思います。
 そこで参照したいのがフォールディングカードと公式で呼ばれている、蛇腹状のカードなんですが。

 これはメンバーによって違うアイテムで、この蛇腹の形態を選んだのはジミンさんだと考えてよさそうです。公式の商品紹介では以下のように書かれています。

特にJIMINのペルソナを表現したフォールディングカードは見逃せないポイントです!

商品紹介より

 このカードで表現されてるのはペルソナ(仮面)らしい!
 さらに言うとフォールディングカードに載っている写真はすべて写真集の四つのテーマと対応しているので、写真集そのものがペルソナの(あるいはFilterの)表出であると考えられるかもしれない。

 そしてフォールディングカードが蛇腹の形状を取っていることの意味についても考えてみたいです。これはそのまま、ジミンさんのこころの地図(MAP OF THE SOUL)を表している……と考えることはできないでしょうか。
 つまり一番下にある「light and darkness(仮)」が意識の下の階層にある、隠れたエゴ(自我)に近いペルソナで、一番上の「white(仮)」がジミンさんが普段私たちに見せている部分である、という考え方です。


white

 その上でテーマを上から(最初から)順にひとつずつ見ていこうと思うのですが、おも、思う……けど……

 この人なんで服を着てないんだろう……

 わからない……正直1番目の「white(仮)」に対して分かることは服を着てないな……ということだけです…… いや服は着てるんですけど……ボタンを閉めてほしい……

 真面目に考えるなら(私はいつだって真面目ですけど)胸元の「Artemis」のタトゥーが見えているのはこのお衣装だけですよね。タトゥーを見せるために服をはだけさせているなら、ジミンさんのペルソナ=アルテミス、と考えることができる、かもしれない。わからん。100%こじつけです。

 それにしても壊れたマネキンたちは一体何を象徴しているんだろう。むずかし~あんまよく分かんないです。まあこのnoteは備忘録であって考察じゃないから……


color : freedom

 次は2番目「color : freedom(仮)」ですよね。これは公式の商品説明にあった「自由への渇望」を表現していると考えてよさそう。腕の「FREE」「LOVE」のタトゥーが見えているのもこのお衣装だけです。
 アポロンとアプロディテ(?)の胸像、花、翼、王冠、「JIMIN」のオブジェクトなど、さまざまなモチーフが使われていますが……

 アポロンは音楽、芸術の神です。ジミンさんにとって自由とは音楽そのものである、ということかもしれません。

 ちなみにTwitterで調べるとアポロンがバイセクシュアルであることが取り沙汰されてジミンさんのセクシュアリティを決めつけるようなツイートが散見されますが、まず他人のセクシュアリティを決めつけること自体が望ましくない行為ですし、さらに言えばギリシア神話の男神は大体バイセクシュアルです。アポロンがバイセクシュアルを象徴しているわけでは決してありません。そもそも古代アテナイの男社会自体がバイセクシュアルの文化だったので……。

 アプロディテは愛と美の女神なのでたぶんそのまま愛の象徴なのかな~腕にもLOVEのタトゥーシール貼ってるし……いやこの胸像が本当にアプロディテなら、の話なんですが。

 また紫の翼ですが、翼、ユング(MOS)とくればやはりBlack Swanを思い出します。あれは踊ることをやめる恐怖を死にたとえた作品であり、黒い翼=黒鳥は恐怖、不安、死の表象として機能しています。
 とすると紫の翼は何なんだろう。あまりヒントもないので完全に憶測ですが(まあこのnoteは最初から最後までずっとフルスロットルで憶測だしな)、紫といえばBTSとARMYの色ですし……暗い意味ではなさそうな気がしますよね。個人的にはBlack Swanの「踊れなくなる恐怖」と対比される「踊ることの自由」なのかなという気がしています。

「僕自身の世界」というフレーズは本当にそうなんです。初めてダンスを習ったときみたいに、踊っているときには僕は他の何も考えず自由に楽しく体を動かすことができると感じます。

GQ Korea インタビューより

 上記はGQ Koreaでジミンさんが語った言葉(英訳から和訳)ですが、ジミンさんの中でダンスと自由が結びついているのがわかります。たぶん。

 そもそも紫の翼がBlack Swanと対比されてる確証などどこにもないんですが……すみません。Black Swan囚われオタクなもので。

 王冠と花はよくわかりません。でも「JIMIN」のオブジェクトは、「filter」のタトゥーシールと合わせて考えると「人間パクジミン」ではない、「BTSのJIMIN」のほうを指していると考えられそうです。

 上述したようにフォールディングカードがジミンさんのこころの地図であるとすると、この「color : freedom」は比較的こころの表層に近い部分であるということになります。要するに彼が私たちに見せている部分により近い? となると、自由そのものである音楽、愛、ダンス、それらすべてが「BTSのJIMIN」である……ということなんですかね。知らんけど。ぜーんぶ憶測ですフルスロットルで。

 あ! あとティザーを見る限りアクセサリーにもこだわってそうですよね。南京錠のついたチェーンネックレス……彼の心が完全には自由でないことの表れなのか(商品説明で「自由への渇望」としているのはそのため?)、あるいは「BTSのJIMIN」に秘密がある、ARMYには開示できないこころの領域があることの表現なのか、はたまたはまったく別の意味なのか、それともただのオシャレなのか。

 ただのオシャレかもしれない。


black

 その次のテーマはスーツを着たジミンさんで、「black」に対応する、と私が勝手に思っているコンセプトです。blackというかこんなんほぼ宝塚の男役じゃないですか? ヅカオタ心がうずきまくる~

 ここで登場するのは金継されたアルテミスの胸像。金継されているのが意味深。
 金継とは、一度壊れたものをつなぎ合わせ、新しい芸術品として再生させること。
 ジミンさんが心臓の上に「Artemis」のタトゥーシールを貼り付けていることを考えると、一度壊れ、再生したのはジミンさん自身?

 なにが壊れたんだろう。アルテミス元型だとしたら自信や独立心? あるいは永遠の少年元型と考えると清らかさやみずみずしい強靭さ……はたまたは神話のアルテミスから考えてみるのもアリかな。アルテミスと言ってぱっと思いつくのはオリオンとの恋とか。

 スーツを着てるのは何故なんでしょう~ジミンさんの深層心理そんなフォーマルウェアなの? おもろい人だな……
 というか私は「フォールディングカードの下に行くほどこころの下層(深層)に近づいていく」という仮説に基づいて今しゃべってますけど、その前提も特に根拠はないので普通にスーツジミンさんが私たちの見ている部分に一番近いという可能性もありますね。わかんないな。今適当にしゃべってます(ずっとそうだよ)。


light and darkness

 最後の階層が「light and darkness(仮)」。なんかあの……えっちな……すみません有り体で……でもそうとしか言いようがないので……えっちな衣装を着たジミンさんです。服を……着てるんだけど着てないような気がする……。

 目を引くのはやっぱり脇、じゃなかった、すみません、マネキンと鹿のマスクですよね。もう本当にすみません。

 なんなんでしょうね~これ。よくわかりません。先述したようにケリュネイアの鹿かアクタイオンだとは思うんですけど。ケリュネイアの鹿だとしたらアルテミスに従属するものなわけですから、ジミンさんに従属するもう一人のジミンさん……? 単に「自由を奪われたこころ」の表象でしょうか。
 あるいはアクタイオンだとすると「未知と出会うもの」「変身するもの」「逃げるもの」あたりの意味付けができそうです。

 いずれにせよ、えっちな体にぴったりフィットしたお衣装と対照的に重たげなチェーンが目を引きます。首元と腰、どちらにもチェーンが使われているのは多分意図的ですよね。

 下の階層に行くにしたがって露出が減っていくのもおそらく偶然ではないと思うんですが。タキシードのときには見えていた両手の甲のタトゥーも見えなくなりました。いやわからんけど。偶然なのかもしれない。

 計算だったとして、だからといってそこにどんな意味があるか、までは、正直よくわかりません。

 白と黒のお衣装両方あるのは、どちらにも染まれることの現れ? あるいはこころの中に光と闇が混在することの表現か。
 白いお衣装のときは黒いマネキンに囲まれているんですが、黒いお衣装のときは一人で写っているのも気になる。マネキンが6体いることを思えば、もしかしてこれはメンバーだったりするのでしょうか。だとするとメンバーといるときのジミンさんは光で、一人でいるときは闇ということになりますけど……

 あるいは6体のマネキンもすべてジミンさんのペルソナ、と考えることもできます。ていうかそう考えるのが自然なのかな。みんな仮面(ペルソナ)をつけてますもんね。

 だとするとやっぱり鹿の仮面(ペルソナ)の意味をあきらかにしたいところなんですけど……お手上げです。個人的にはアクタイオンのところで述べた「変身するもの」という表象が一番ジミンさんのペルソナとしてはしっくりくる気がします。気がするだけです。正直何もわかりません。


さいごに

 わからない、ということを、そのままにしておくのが私は好きです。

 無理に意味をひとつに絞って決めつけたくないんです。こうかもしれない、はたまたはこうかもしれない、違うかもしれない、意味があるのかもしれないし、ないのかもしれない。でもそれでいいと思う。

 結局正解は作った本人にしかわからないことです。けれどファンには考える自由も与えられています。だから想像し続けたいと思う。少なくとも、この写真集は想像する余地を与える構成になっている作品だと、私は思います。多くのバンタンのMVや歌詞がそうであるように。

 写真集の撮影は一人で行ったと聞きます。一人の活動でも、こうして想像の余地を与えてくれる作品を作る、そういうセルフプロデュースをするジミンさんが好きです。
 これから展開されるソロ活動も楽しみだな~~!! と素直に思います。それは防弾会食の夜からずっと変わらない私の本音です。ジミンさんが、自分のしたいこと、表現したいことを突き詰めてくれたらそれ以上に嬉しいことはないと思います。それを確信できた写真集でした。

 でも服は着てください。


 余談

 Chaosというのは混沌という意味ですが、ギリシア神話においては原初の神、何もない状態のことを指します。そこは文字通り空っぽで、そのカオスから大地や宇宙、この世のすべてが生まれます。

 ジミンさんがそれを意図していたかどうかは分かりませんが……「Tailor of Chaos」という名は、なんだか空っぽのカオスからジミンさんという小宇宙を作りだす仕立屋のようじゃないですか? 知らんけど。

 ぜーんぶただの想像です!!



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