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箱根彫刻の森美術館

 3/10、箱根彫刻の森美術館へ行ってきました。

 予定にはなかったんですが、思ったより時間があったので足をのばしてみました。普段彫刻をたくさん鑑賞する機会ってなかったのでおもしろかったです。屋外美術館なんて初めてでしたし。屋内で観るのとはまた違って開放的な気分というか、屋内だとどうしてもあれこれ思考が内的な方向に働いてしまうけど屋外だとからっとした気持ちで鑑賞できたような気がします。

 ロダンやブールデルの重厚感ある作品に迎えられ、奥に進むにつれ不思議な世界観に迷い込むような感覚。一人で訪れたので余計にそんな感じがしたのかな? 一人でゆっくり鑑賞するのが性に合ってるんですけど、ここは友だちや家族と一緒に訪れるのも楽しいだろうなと思いました。あれやこれやと話しながら進むのもよさそうです。

アルナルド・ポモドーロ《球体をもった球体》1978-80年

 もっと近くから見たいのに遠くからしか鑑賞できないシステム。これはこれで余計なこと考えなくてすむと言えばそうで、パッと見た瞬間に感じる好き! という印象に素直になれるような。これもなんだかよく見えないんですけど好きでした。外側と内側のギャップがおもしろいですね。あと球体をもった球体ってタイトルなんだかフラクタル構造を感じます。球体はフラクタルでもなんでもないですが……。


金氏徹平《Hard Boiled Daydream》2018年

 これも好きだった作品。平面の組み合わせで彫刻作品を作るって面白いですね。ポップなトーンも相まって絵画の死に物申しているような趣を感じました。あと単純にかわいい。


 一番好きな作品だったんですけどキャプションが見当たらなくて誰の作品なのか…… 橋の上をてくてく歩いていると茂みの中から遠吠えする人が現れるシチュエーションが面白くて気に入りました。屋外美術館じゃないと味わえない面白みを味わった。


 奥にあった「ピカソ館」にはピカソの作品ばかりが収蔵されていて、正直に言えばこれが一番面白かったです。まあ屋外もいいけど結局屋内がひきこもりのオタクには落ち着くんですよね……。

 ピカソってそこそこ見る機会はあるのに(馬鹿のような作品数を残しているから)、見るたびに画風が変わっているので一生理解できる気がしません。ただ何というか、「お絵描きってたーのしー!」みたいなポジティブエネルギーはいつもひしひしと感じます。見てて疲れないので嫌いではないです。

 それに理解したいのかと言われるとそんなこともなくて、むしろ理解できないままでいいと思います。理解できてしまったらつまらないので。理解できないくらいがこの巨匠はちょうどいい気がします。


リ・ウファン《関係項ーA》1979年

 最近李禹煥展でたくさん見た李禹煥の作品にもめぐり会いました。外で鑑賞するのは、以前とはまた感じ方が違って面白かったです。建築物の中で見る関係項は、作品自体が人工物の中にあるから主体が鉄板にあるような気がしていたんですけど、自然の中では石が主体に見えます。要するに建築物の中では石が異様に見えて、自然の中では鉄板が異様に見えるんですよね。面白くないですか?


 最近は屋外でアートを感じられる直島が海外からの観光客に大人気! みたいなのを以前見たんですけど、この彫刻の森美術館もめっちゃ外国人多くて新鮮でした。本当にこういうスポットが人気なんですね。

 3月前半の備忘録を4月後半の今更まとめているばかものですがこれでようやく終わりです。3/8~10で計5つの美術館を訪問しました。楽しかったです。また行きます。


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