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MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY - / Dynamaxインタビュー

ハードコア・ガバ・シーンの超名門老舗レーベルMokum Recordsの30周年を祝うイベント「MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY -」がいよいよ今月13日に中野heavysick ZEROで開催されます。

今回は「MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY -」に向けて、出演者でありMokum RecordsからシングルをリリースしているDynamax氏のインタビュー記事を公開します。

日本のモダン・ガバ代表格の一人であるDynamax氏は自主レーベルAoiro Recordsを拠点にオランダのMokum Records、ドイツのGabber Industries Berlinからシングルをリリースされており、世界中のガバ・ヘッズから期待を集めている注目のプロデューサー/DJです。
このインタビュー記事ではハードコア・ガバとの出会いからMokum Recordsに参加した経緯、ライフスタイルとしてのガバについて話してくださっており、「MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY -」の予習に最適な内容となっています。

さらに、インタビューに合わせて特別にDynamax氏が「MOKUM IN TOKYO - 30 YEARS ANNIVERSARY -」のプロモ・ミックスを提供してくれました。
こちらのミックスを聴きながらインタビューを読んでいただき、7月13日は中野heavysick ZEROに遊びに行きましょう。前売りチケットはコチラにて購入可能となっています。

Dynamax
(Aoiro Records / Mokum Records / SenDieCity)
1996年生まれ宮城県生まれ仙台育ち塩竃市在住のGabber
オールドスクールながらも近代的なサウンドを取り入れてアッパーなBPMのEnergycoreと呼ばれるガバを独自解釈している楽曲を主に制作している。
2023年12月にはドイツのHardcoreレーベル「Gabber Industries Berlin」と「Mokum Records」の合同パーティ「GiB x MOKUM - '30 YEARS OF GABBER'」にてヨーロッパでもDJを行うなど精力的に活動している。

Track List
MESSI4H - Beyond Imagining 00:00~03:02
MESSI4H - Maschinengewehr 03:02~03:56
OiraD - Shadowbox 03:56~04:51
Rodox Trading - Just take a little more 04:51~06:31
Arvid - Big Things Have Small Beginnings 06:31~07:24
Hellcreater - Life is a Rave 07:24~09:13
LENZ vs ARJUNA - WE ARE PART OF THE SCENE 09:13~11:20
FIasco Project ^ Drop the needle 11:20~13:0
Kelli Neison - Against 13:09~15:17
Hellcreater & Acidious - Lost on Eden 15:17~17:01
HCM - Listen 17:01~18:42
Xim - Soulless 18:42~21:01
Xim - Predator 21:01~22:20
Xim - Realize 22:20~24:06
Hellcreater x 909Terrorfunk - Blurred Lines 24:06~26:45
MESSHI4H - Terror of God 26:45~27:53
Airesistant Fire - Bad Cop 27:53~29:03
Arcid - Gabber Resurrection 29:03~30:19
Hellcreater & Damage Analyse - From Heaven to Hell (Hellcreater Mix) 30:19~32:48
Arvid - Justice 32:48~33:48
Undunn - Siren 33:48~36:17
Rottencore - This Kind Of Shit 36:17~37:27
Reeza - I Can't Tell (2021 remix) 37:27~39:28
LENZ vs RODOX TRADING - INFINITY DEMO 39:28~40:56
Hellcreator - United we Stand (Rave Nation Anthem 2021) 40:56~45:30 Last
Hellcreator - Memory Collapse -225BPM- 42:58~45:30 Last (2 track mashup)


Q. ハードコア・ガバとの出会いについて教えてください。

自分が初めてこの手のサウンドに出会ったのは幼稚園児の頃に太鼓の達人さいたま2000をプレイした時でした。その後、収録されたROTTERDAM NATION FOO MIXだったり、小学生になった2001年頃はフラッシュ全盛期だったのでたまに、この手の歪んだサウンドが使われている電子音楽に衝撃を受けました。

ただ、その当時はGabbaというワードも知らなかったのですが、中学生になってBeatmaniaシリーズからGabbaというジャンル名を知ってGUHROOVYやTECHNORCHさんの鬼ヤバマストからだんだん海外のGabbaを知るようになりました。Technohead - I wanna be a hippy のoriginal mix(Happy系リミックスじゃない方です)を聴いて目玉が飛び出るくらい衝撃受けてしばらくその曲しか聴いてなかったです。

Q. ご自身でハードコア・ガバをクリエイトされたのはいつからでしょうか?
DynamaxさんのレーベルAoiro Recordsを立ち上げた経緯や、頻繁にコラボレーションをおこなわれているKamikazeさんとの出会いについても聞かせてください。

FL studioを買って曲作りを始めたのは2014年くらいからだったと思います。
当時はハードコア/ガバを専門的…というワケではなく、いろんなジャンルを作ってたので、それら楽曲を出すためにAoiro Recordを設立しました。レーベル名の由来はとある山間部からの景観がとてもキレイだったので、青空から名前を取ってAoiroという名前です。

歪んだハードコアを専門的に作りたいなと思ったのが2016年頃。O_ZI3という名義で曲を作っていましたが、ハードコア専門名義としてDynamaxの名義を作り始めました。途中挫折を何回もして折れたりしていましたが、2017年頃から本格的にEarly系統のサウンドを重点的にやるぞ!と制作の軸が決まりました。

Kamikazeさんは…2017年頃でしょうか。当時Soundcloudで同年代くらいで同じくEarly / oldschoolを作っている人が居てすぐさまフォローしに行きましたね。
2018年に仙台のパーティでKamikazeさんが出演すると聞いたとき、すぐに予定を空けて遊びに行って初めて会ってから、お互いにそこから一年二年くらいとにかくガバの話をしたり一緒に作ったりしてましたね。当時は海外へ…みたいなことを考えてなかったのですが、Kamikazeさんがいろんな海外レーベルから積極的に活動しているのを見て自分もいろいろやってみよう!とすごく励みになってました。

間違いなく彼がいなければ、自分は今のような活動は出来ていなかったです。今では様々な日本国外のパーティどころかHarmony of Hardcoreへの出演をしていたり、Ouwe Stijl is botergeil等様々な本場でプレイをしていてすごいです。技術以外に体力面も(笑)

Q. 2021年にM-Projectさんとの合作『Feel Your Body And Mind』をMokum Recordsからリリースされていますが、今作が生まれた経緯を教えてください。

『Feel Your Body And Mind』がリリースされてからもう三年近く経ちますね(笑)
当時にM-projectさんから「ガバで合作しよう」とお誘いを頂きまして、丁度作っていた楽曲を送ったところ、いい塩梅に手を加えていただいて本作は作られました。tr.1とtr.3は自分が中心に曲を作ったものにM-projectさんのサウンドを乗せて編曲していただいて、tr.2はM-projectさんが中心に手掛けたトラックです。

本作のtr.1は伝統的なEarlyドラムを使っているのにも関わらず、ウワモノはかなり独創的な仕上がりにしております。tr.3はJ-core系統のメロや展開を意識して作りました。
M-projectさんのご協力もあり、初めて自分が関わった楽曲が大手老舗ハードコアレーベルからリリースされたというのがあまりにも嬉しくてリリースされたその日の晩は沢山美味い飯食べていっぱいお酒飲みました(笑)

Q. M-Projectさんとの合作以外にもDynamaxさんはMokum Recordsのコンピレーション『Fucking Hardcore Tokyo』シリーズに参加されていますが、DynamaxさんにとってMokum Recordsとはどんなレーベルでしょうか?

Mokum Recordsは…TECHNORCHさんの鬼ヤバマストをはじめ、自分が初めてMokum Recordsを知った時からの印象が「実験的なガバも積極的に発信している」というのが変わらず感じておりました。だけども、全てが全て実験的なサウンドかと言うとそれは違って時代時代のトレンドなサウンドも取り入れたり、伝統的なガバ系統サウンド等手広く多種多様なガバを尊重しているイメージです。

ここ数年のリリースではHCMやLENZ、ArvidにMESSI4H、Rodox TradingやSlugnoidにArjuna等アップテンポで909ドラムサウンドに独創的なウワモノを詰め込んでいるEnergycore系統のサウンドも多く出ています。今回提供させていただいたDJ mixを聴いてると理解しやすいと思いますが、Energycoreはアーティストによって様々な解釈があるので一概に言いにくい(Early terror系統の流れだったり、Psytranceを彷彿とするようなウワモノに909を足してたり様々あります)ですが、そのようなサウンドも含めてMokum Recordsはトレンドを抑えつつも様々なガバ/ハードコアをリリースしているので、そのEPやコンピの収録された年代を知ればその時どういったGabbaが流行っていたかも追える歴史書みたいなレーベルだなと思ってます。

Q. 去年12月にはドイツで開催されたGiB x MOKUM - '30 YEARS OF GABBER'にもご出演されていましたね。このイベントはどういった内容でしたか?

まずはGabber Industries Berlin(以降GiB)についてからお話させていただきます。
ドイツはベルリンの地でLØUSとDer Schaffnerというお二人が主宰しているレーベルになります。 
https://www.instagram.com/lous.gib/ https://www.instagram.com/schaffner3x7.gib/

「ハードコア系統サウンドでコンピレーションをやってほしい!」と彼らのもとに依頼が来たのがキッカケで、じゃあ俺らでハードコアレーベル立ち上げよう!と発足されたみたいです。ドイツではガバズが様々なドイツの地に居ても、ベルリン付近では積極的にハードコアを発信しているようなレーベルが当時はあまりなかったそうで…Gabbaに限らずフレンチコア系統サウンドやインダストリアル系統のサウンド。はたまたドイツらしい独自なハードコア系のサウンドを多くリリースしたり、ベルリンを中心に様々なパーティを主宰したりコンピレーションの企画をしているレーベルになります。

自分とGiBないしLØUSとの出会いは…弊レーベルからリリースしている『J-GABBER IS HARD HARD HARD !! Vol.2』に収録されている楽曲「Eastern Land」という楽曲をLØUSがやたら気に入っていただいて、本曲を聴いた彼からすぐさまメッセージが来て「ベルリンで是非DJをやってくれないか!!」とオファーが来ました。しかし、当時は2020年でコロナ真っ只中。今すぐ行くのは難しい…と当時は断ってしまいましたが、2023年の冬に長期の休みを得られたので「3年くらい待たせたね。休みがとれてコロナ禍もマシになってきたから約束を果たすべく、12月にベルリンに行く予定だ!何かパーティは無いか?」と訊いたところ、「丁度主催するパーティがあるからそのパーティに出演してくれ!」と話がトントン進みました。

快諾して後ほど詳細を聞いたら、なんとGiB x MOKUM - '30 YEARS OF GABBER'という親友がやるGiBと、敬愛するMokum Recordsの合同パーティでした。とにかくビックリです。場所はベルリンにあるSuicide Circus clubという場所。DJする時は、主宰の2人が自分に言ってくれた「他で聴いたことが無いような独創的なガバを作っている。それに衝撃を受けた!!」と言ってくれたので自分の曲を中心に『Fucking Hardcore Tokyo』に収録されている日本人ガバズの楽曲をメインにやっていました。
最初はCUEボタンが全然反応しなくてドタってしまい一気にフロアから人が減ってしまいましたが、その後盛り返していったところフロアに人が入れないくらいパンパンに詰まってました。直後のレコメンドでも「俺らが今まで聞いてたようなガバのサウンドとは全然違う!!すごい楽しかった!!!」と言われてドリンクもいただいたりと、とても嬉しかったですね(笑)

当日イベントで観たDJ陣では、同じく日本人でヨーロッパツアーをしていたMiyuki Omuraさんをはじめ全員がとにかくよかったですけど、特に印象的だったのはOut of Orderという女性b2bユニットですね。
DJ時間中はアップテンポ系統のサウンドをとにかく回していました。独特なb2bグルーヴコントロールに一方がミックスしながら一方がエフェクトかけたりEQフェーダーを使って音の抜き差し。その姿から放たれるアップテンポサウンドはとにかく衝撃的でとても強烈でした。彼女らは最後の方の持ち時間でしたが、とにかく自分が立てなくなるくらいまで踊ってしまうくらいすっごく良かったです。

Q. Dynamaxさんはガバの伝統的な部分(ファッションやアティチュード)も重要視され、ご自身のライフスタイルに取り入れられていると思います。ライフスタイルとしてのガバとはどんなものなのでしょうか?

自分が思うに、ライフスタイルとしてのガバとは、ガバが当たり前に存在して特別なものではないというものだと思います。例えば、音楽を聴くという日常的な行動も「よーしガバを聴くぞ」ではなくて、「流す音楽がガバばかり」だとか、Australianのジャージを着るにしても「ガバの為にAustralianを着るぞ」ではなくて「着る服がAustralian」のような。靴もわかりやすいですね。ガバの為にAir MAXを履くのではなくて、履く靴が結果的にAir MAXになってる、とか。髪の毛を切るにしてもスキンヘッドなりソフトモヒカンなりスポーツ系のヘアスタイルもそうですね。

「ガバの為に」という考えだと、それは「自分のライフスタイルの中にガバがある」ですが、自分が大事にしている(というか最早当たり前になってるんですけど)のは「ガバの中にライフスタイルがある」というコトですね。なので、「結果的にGabberファッションになっている」という状態になっていればライフスタイルとしてのガバだと自分は思っています。

そしてなによりも…自分がベルリンでDJをやる前の食事会で「どういうスタイルのガバをやるの?」と聞かれたところ 、二つ隣に居たPeckerheadから「何を言ってるんだ!!!このスキンヘッドにAustralin!!オールドスクール以外にないだろ!!」と、初対面の人からでもアーリーガバズとすぐ理解されました(笑)
ライフスタイルとして音楽ジャンルを昇華すると、自己紹介を言葉で出さなくても、見た目だけでわかる人には伝わるので言葉が不要になる点もいいですね。

Q. 現在、Dynamaxさんは曲作りでどんな機材を使われていますか?曲作りにおいて拘っていることはありますか?

自分は今だとMackie VLZ1604とRD-9を組み合わせてドラムの音を作ってます。その前はmicrotoniqでキックを作ったり、FL標準搭載されている909ワンショットを使ってましたね。

VLZ1604というアナログミキサーを通してドラム音をサンプリングした後、FL studio上でプラグインをいろいろ挿したりで調節して使います。VLZはGain DIstortionという手法で作られる伝統的なガバキック制作方法を用いてます。キックを1ch→2ch→3ch→4chと連結して行って、各チャンネルのEQやGainをガンガン上げて歪ませて作る方法です。(是非動画をご覧ください。)

RD-9単体ではいくら本家909に近い音だと言えど、単体では完全にトラディショナルな音にはならないと考えています。そこで、90年代に作られたアナログミキサーを通すことで伝統製法でドラムを作っているという形です。
シンセリードに関してはVitalをメインに使うことが多いです。他にもいろいろレイヤーには使ったりしますが、極論VLZ1604 & RD-9 & Vitalがあれば自分の曲で使ってる音が殆ど再現できます(笑)

スピーカーはAdam audioのs1xという今にしてはちょっと古いスピーカーを使ってます。adam sub7というサブウーファーも組んで2.1chでの制作です。今はスピーカーが鳴らせるのでヘッドホンは使ってません。音も勿論いいのですが、コーンやスピーカーそのもののデザインが好みなので壊れるまでは多分使い続けます。

Q. アナログ機材を使ったライブパフォーマンスも行われていますが、使われている機材は?ライブセットはどのようにして作られていますか?

SenDieCity2で行ったアナログマシンの実機ライブの事ですね。
当日は殆ど何の準備もせず0から演奏を始めました。というのも、最初から歪んだガバキックが鳴っていても面白くないので最初は普通のRD-9サウンドから初めて段々BPM上げつつGainで歪ませて、本当に実際に演奏しているという所から始めた方がお客さんたちもわかりやすいと思ったからです。
当日使用した機材はVLZ1604/RD-9/TD-3/αJuno2の4つになります

まだアナログ機材は買いたてなので機材は少ないですが、juno2の音をシーケンサーで録音などせず、ただただHooverと909Gabba Drumとacidのみを鳴らし続けるシンプルな構成にしました。今後もしかしたらまたアナログマシンライブをやるかもしれません!…が触れれば触れるほどいろんなハッケンがあるので今後やり方や方針は変わっていくかもしれません(笑)

Q. 7月13日にDynamaxさん達によるオーガナイズで仙台MonetにてSenDieCity3 -No Pizza Rave Edition (18th years anniversary)-が開催されます。SendiCityとNo Pizza Raveの歴史を教えてください。

SenDieCityは宮城県仙台市にて開催される歪みハードコアサウンドにフォーカスをあてたパーティになります。
全国的に見ても、基本的には都内くらいにしか歪みハードコア専門のパーティは少ないという現状がとても勿体ないのと、宮城県の塩竃市という郊外に住みながらもワールドワイドにガバを発信している自分がいろんな場所で得た経験を伝えるべくやっております。初回には青森ハードコアクリエイターNoizenecioさんをお呼びして開催しました。数年空き、2024年4月に大復活をした際にはいつもMokum絡みでお世話になっているM-projectさんをお呼びしてローカルDJ陣の方々の協力もありガバ/ハードコアとは何か?を体現出来ました。

自分が主宰するパーティのモットーは「クラブじゃないと楽しめない遊びを提供する」です。例えばガバのダンスであるHakkenをするという行為は一人でもどこでもできます。ですが、互いの頭を手でタッチしながら対面Hakken等はある程度踊れるような人がいないとできません。
他にも人数が居ないとできないガバ/ハードコアの遊びとは何か?となると自分が推しているのはモッシュになります。一歩間違えれば危険な行為ですが、逆にその一歩さえやらなければ危険は殆どなく、汗をかいて血液が沸騰するような気持ちで楽しめます。ある程度人数が居ないと成立しないですしね!
暴力という行為を賞賛するワケではありませんが、力があっても使い方ひとつで怪我をさせないことだって可能です。怪我をさせないように、機材を壊さないようにしっかり状況を見つつ安全なモッシュを教えて耳や視覚だけではなく身体の奥底から楽しんでもらえるようにしております。

そして本パーティ合同レーベル先のNo Pizza Raveですが、翌日も東京で公演をやるThe twins artcoreが主宰しているレーベルになります。Gabba系統のサウンドをやりつつ、現在はガバの前身であるAcid techno/acidcore をメインにリリースしていますね。acid techno / acidcoreも、もちろんガバのように909と303を乗せているのが特徴です。BPMも140~180くらいまで幅広いです。
Twins artcoreの別名義「Danytribe」や「Atomic BassLine」では音数がかなり少なくも激しくゆがんだacidtechno / acidcoreを精力的にリリースしています。

そして同じくNo pizza raveのクルーであるRHZ (a.k.a 00100)も、同じくここのレーベルでacidtechno / acidcoreを主にやっています。彼は自身でresonhate audio masteringというレコーディング関係の業務を行っており、ガバズでもありながら音楽エンジニアでもあるという方です。ガバ系統サウンドでは非常にクールな曲を作りますが、音数が少ない楽曲では持ち味を活かして繊細な音楽を作り上げています。パーティ前に是非かれらの繊細な歪みサウンドをお聴きください。


Q. 翌日には東京でMokum in Tokyo - 30 Years Anniversary -が開催され、Dynamaxさんも出演されます。このイベントへの意気込みを聞かせていただけますか?

今回のパーティはMokum Records artistとして掲載されている日本人メンバーM-Projectさん、Sharpnelさん、Kamikazeさん、そして自分Dynamaxと四名フルで参加しますインダストリアルハードコア方面で積極的に活動しているMiyuki Omuraさんも、去年はヨーロッパツアーを行う等スペシャルゲストの伊ガバズ以外も実力派がそろっています。

セカンドフロアでも、若手ながらも多方面のHardcoreサウンドに精通しているReverse16さん。DJ DIstortionをはじめ様々な海外アーティストのアテンド等も行っているDJ OFFtさん。バイナルでバンバンアーリーを回して掌で踊らせるDJをするKanonさん。early hardstyleやテクノサウンドを主軸にプレイするDave The 3rdさんにハッピー系サウンドに精通しているwapicoさん。アシッド田宮三四郎としてユニットで実機演奏等もしている…が!!日本屈指のRotterdam系ガバズなDieTraxさん。メインフロアもセカンドフロアも、様々なアプローチで楽しめること間違いなしです。

自分は最も得意としている200BPM↑のEnergycoreを中心にプレイする予定ですが、当日のフロアの状況で様々な方向からガバを浴びさせます。

Q. 今回、ご提供してくださったミックスにはどのようなテーマがありますか?

212BPMスタートです。途中加速して220BPMになりますが、アーリーテラーまではいかないEnergycoreをメインに混ぜました。
このくらいのBPM帯だとUK Industrialとかterror系のイメージが強いと思いますが、ツイストリードが鳴り響いたり、スタブ系が鳴るようなトラディショナル系Energycoreを混ぜつつ独特な空気感を持つサウンドを中心に繰り広げています。

自分がDJで大切にしているのは「静と動」です。ガバというジャンルを聴くと激しい音楽ばかり!というイメージが持たれがちですが、Enrgycoreは多種多様でそれぞれのアーティストが解釈することが多いです。ずっとキックが鳴り続けているのに「静と動とは?」と思われるかもしれませんが、このMixを聴いてEnergycoreというガバのスタイルの可能性を是非皆様感じてみてください。

Q. 最後に読者の皆さんにメッセージをください。

自分は宮城県の塩竃という仙台郊外地域に住んでいます。それでも海外とやり取りしたり現場にDJとして呼んでいただいたりしています。地方在住だから大きく活動できない…なんて思わないでください。積極的なアプローチと熱意があれば、同じく熱意を持っているような人達が見つかりますし気にかけてくれることもあります。

今はインターネットですぐに世界中へ自分の活動を発信できる時代です。
小さい一歩も積み重ねれば大きな世界へ進めます。自分自身の信念を固く持つことも大事で、クセというのは自いつしか自分のブランド力にもなります。所謂周りの人達と同じ曲が作れない…というのは個性なんです。
そしてなによりも…自分が納得しないからといって作品を完成させないのはもったいないです。聴いて評価をするのはリスナーです。恥ずかしがらずに作った作品は公開しちゃいましょう!

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