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Tim Exileについて

奇抜で未来的なアイディアを実現させる卓越した技術力によってドラムンベース~ブレイクコア~IDM/グリッチ~ハードコア・テクノ~シンセ・ポップまで幅広く手掛ける天才音楽家Tim Exileが去年7月に膀胱がんになってしまい、現在も治療を受けている。さらに、治療期間中に事業が破綻してしまい貯金と収入が無くなり、GoFundMeにて緊急の支援を求めている。

手術の合併症で再入院を余儀なくされ回復にはまだ時間がかかるので、それまでの間に彼と家族(双子の娘と奥様)にはサポートが必要とのこと。こちらからTim Exileを支援できるので、無理のない範囲で検討していただきたい。自分も少額であるが支援させていただいた。

Tim Exileは素晴らしい電子音楽家であり、ドラムンベースとブレイクコアの発展において非常に重要な作品を残し、エンジニアとしてソフトウエアの開発にも多く関わっていて長年に渡って電子音楽コミュニティに貢献している。

Tim Exileは90年代後半から実験的なアプローチを駆使したドラムンベースをクリエイトしており、Exile名義でBeta RecordingsやMoving Shadowといった名門レーベルから12"レコードを発表。Dom & Roland、John B、Howie B、Amon TobinのMix CDにトラックが使われるなど、デビュー当初から大きな注目を集めていた。
2000年代中頃までにリリースされていたExileのドラムンベースはニューロファンクやハード・ドラムンベースを独自解釈した唯一無二のもので、サイバーニューロやクロスブリードを予見したような革新的な曲を残しており、今聴いても古さを感じさせない素晴らしいものばかりだ。

2000年中頃からWrong Music周辺との関わりが増えたこともあってか、ブレイクコアのエッセンスが取り入れられていき、2005年にPlanet-Muからリリースされた1stアルバム『Pro Agonist』はドラムンベースとブレイクコア双方の歴史において革命的なアルバムとなっている。翌年にPlanet-Muからリリースされた『Tim Exile's Nuisance Gabbaret Lounge』はライブ音源を再構築した内容。即興性を活かした刺激的な作品となっており、この頃にTim Exileが開発したライブパフォーマンスにおける手法や機材技術は様々なジャンルのアーティスト達に影響を与えていると思われる。

自身のボイス/MCを駆使し、ビートやフレーズをリアルタイムでエディットして曲にしていくTim Exileのライブパフォーマンスはヨーロッパ中で話題となっていて、ブレイクコア・ムーブメントの背景にはTim Exileの存在が大きくあった。

2009年にはPlanet-MuとWarpの共同リリースにてアルバム『Listening Tree』を発表。今作はTim Exileの作曲家としての一面が開花しており、カラフルでキャッチーなメロディが舞う先鋭的な電子音楽を披露した。

『Listening Tree』のリリース以降、ソフトウエア開発にフォーカスしていき、エンジニアとしてその優れた手腕を発揮。Tim Exileとしてドラムンベース~ブレイクコアに革命を起こしてそのジャンルを発展させたのと同じく、エンジニアとしてアーティスト達の創作意欲を湧き立たせる技術を提供し、その成長をサポートした。

まずは、ここで紹介したTim Exileの作品をサブスクでチェックして貰い、曲を気に入ったら友人知人にオススメしていただくのもサポートへと繋がるので、この機会に彼が残した素晴らしい作品を聴いてみてください。そして、ご支援のほうも検討していただけたら幸いです。








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