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過剰権利主張ケーススタディーズ『エセ著作権事件簿』

僕の『ブレイクコア・ガイドブック』『ハードコア・テクノ・ガイドブック』を出版してくれたパブリブから友利昴氏による『エセ著作権事件簿』という本が発売された。

「過剰権利主張ケーススタディーズ」というシリーズの第一弾となるらしく、著作権に纏わる様々な事件が纏められている。先日、パブリブから献本して頂き、ゆっくりと読み進めているのだが、これが本当に面白い。

サンプリングやオマージュといった手法を多用する我々の業界において『エセ著作権事件簿』に載せられている事件は他人事とは思えず、読んでいてハラハラする。
表沙汰になってはいないが、近しいところでもクレームが入って作品を破棄したり、謝罪文を送っていたりするケースは実際にあった。

『エセ著作権事件簿』の「コラム③ 音楽界のエセ著作権事件簿 200」、そして「第3章 パロディ、偶然、コピペ、引用 クレーマーの常識を覆す!」でピックアップされているケースを読むと、今更ながら「なるほど!」と思えることが多く、我々のような業界に居る人間にとって必要な知識が一気に得られる。

『エセ著作権事件簿』の魅力の一つとして、友利昴氏の文章が読みやすくて面白く、どんな人でも気負いせずに楽しみながら読める。著作権に関する知識が疎くても、ピックアップされている事件の仰天さには正直笑ってしまう部分も多い。

中でも、自分と深く関わりのあるパブリブが小学館から警告書を送られていたのには驚いた。しかも、自分の『ハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編』を準備していた真っ最中に。

詳しくは「実録・エセ著作権への反論! 警告書が届いたらこう切り返せ『どえらいモン大図鑑』事件」にて纏められているが、やはりというか、少し危惧していた『どえらいモン大図鑑』が標的となったようだ。警告書が届いてからの対策が本当に痛快なので、是非読んで頂きたい。

『エセ著作権事件簿』の目次とまえがきを読むだけでも面白いので、こちらから是非チェックして欲しい。




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