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Outer Wildsのはなし⑥「くず星とエリート」

注意:”Outer Wilds”未プレイの方へ

この記事には超名作ゲーム”Outer Wilds”のネタバレが含まれています。
DLCのネタバレは無いつもりです。
(そもそも未プレイの人がこの記事にたどり着く可能性は低いと思うけど)未プレイの方は読まないでください。
「PCもPSも持ってないので今後もプレイする予定がありませんとです…」という人も、いつかプレイする機会が来るかもしれないので読まないでください。
「マシオカさん……SwitchでOWがしたいです…」と三井寿も言ってます。

前回⑤の続きです。やっと宇宙に飛び立ちますよ。

初めての宇宙の旅

いよいよ初フライト。注目の最初の行き先に選ばれたのは…アトルロックでした。深い理由は無いけれど、まずは月面着陸かな、というくらい。アトルロックと迷ったのは木の炉辺だったけど、そこは宇宙への好奇心が勝った感じ。
自分の性格というかゲームのプレイスタイルとしては、エルデンリングのプレイ記事にも書いたように、基本的には隅々まで探索してじっくり進んでいくのが好き。DQでは村中のタンスやツボを調べるし、ダンジョンの分かれ道で最初に選んだ先が行き止まりじゃなかった時は、必ず引き返してもう片方の道の行き止まりを調べてから先に進む。
なので、OuterWildsでもここと決めた一つの天体に何回も通い、基本的には航行記録の「まだ探索できる場所が残ってます」が無くなってから次の天体に進むようにしていた。

初フライトがうまくいったかどうかはあんまり覚えていないけど…距離も近いしそれなりにうまくいったような気がする。

小さな衛星アトルロック

無事に月面着陸することができ、ひよっこ宇宙飛行士にとっての偉大なる第一歩を踏み出した。最初のころは格段に軽い重力を体感しながらふわふわ散歩するだけでも楽しいもので、ジェットをふかしすぎて高速になりすぎ、地面に激突することもしばしば。

それにしても「宇宙から見る宇宙」というのは…すごくいい。木の炉辺は地球と違って海がないので「木の炉辺は緑かった」というかんじ。

"Небо очень и очень темное, а Земля голубоватая. "
「空はとても暗かった。一方、地球は青みがかっていた」

https://ja.wikipedia.org/wiki/ユーリイ・ガガーリン

宇宙にいると天体の動きのダイナミックさを感じられるのもいい。こんなにめちゃくちゃ早く動いているのに、天体の地表にいるときにはそれを感じない…相対速度のおもしろさ。

歩いてすぐに一周できるアトルロックの小ささに驚きながら、Eskerの話を聞いたり、眼信号探知機などのnomaiの名残に触れたり、一通り各地を巡った。
Eskerは今振り返ってみるとただのちょっと内気なおじさんなんだけど、右も左もわからない状態で、月面で宇宙服も着ずに口笛拭きながらロッキングチェアにゆられているおじさんに、うっすら恐怖を感じていた記憶がある。佇まいがちょっと黒幕っぽいのよ。

疑ってごめんよEsker
ただのおじさんの哀愁だったよ

まだこの頃はnomai文書を読んでも、先輩宇宙飛行士の残した文書をよんでも、ほとんどなんのこっちゃ状態だったと思うが、今でも覚えているのは展望台で読むことができるEskerのシグナルスコープ観察日記
前半は寂しいおじさんの独り言なんだけど、後半は「木の炉辺から聞こえるはずのないFeldsparのハーモニカが聞こえる…」という、ちょっと怖さを残した記述で日誌は締められている。
日誌を読み、シグナルスコープを木の炉辺に向けると…確かにハーモニカの音が聞こえる。闇のイバラからも相変わらずハーモニカの音が聞こえる。
つまり広い宇宙の二か所から同じ音が聞こえるのだ…。

「異星人の宇宙の話」というスケール感の中でも、地球人にも不思議さ・怖さが伝わるこの演出、すごいと思う。それでまたFeldsparのハーモニカの音色が、なんかちょっと怖かったんすよね。それにしても木の炉辺から宇宙にシグナルスコープを向けているときにはなかなか気づけず、宇宙に出てから鳥瞰することで気づく、灯台下暗しな謎の仕込み、よくできている。

かくして、二か所から聞こえるハーモニカの音色の謎を解明するため、ひよっこ宇宙飛行士探検隊は木の炉辺の奥地へと向かった――。

ところで前回の記事にも書いたように、Outer Wildsの惑星はnomaiのセンスと思われる直球ぎみの名前がついていますが、アトルロック(Attlerock)だけは固有名詞っぽいな?と思っていました。今回調べてみると…

名詞 attle
1: 泥;汚物
2:(鉱業)鉱石をほとんどまたはまったく含まない壊れた岩からなるごみまたはごみ。特に、鉱石が選択された後に残った価値のない岩。

https://ejje.weblio.jp/content/attle

とのこと。Attle rockを訳すと「クズ岩」みたいなかんじでしょうか。直球ネーミング。
上の和訳2: を見るにアトルロックという名前は、木の炉辺で灰の双子星プロジェクトに必要な鉱物を採掘している最中か、採掘後に名付けられたっぽい。
…ということはアトルロックでnomaiが宇宙の眼探査機とかを建造していたときには、まだ名もなき衛星だったのかな?う~ん。

深まるFeldsparの謎

ということで早くも木の炉辺に帰ってきました。さっそくハーモニカの音色をシグナルスコープで辿り、黒煙の上がる闇のイバラの種のクレーターから探索を開始。
近づいてみるとこれは見るからに悪いやつ。ローズバトラーのような、ビオランテのような…植物タイプのモンスターの様相。

これが味方なことある?

Tektiteさんの話によるとこの種は闇のイバラから飛んできたようで…リトルスカウト君を打ち込むと…その瞬間にHUD上に表示される探査機の信号が2か所にダブって表示される…!?
リトルスカウトのカメラを撮影すると…中には謎の広大な空間が広がっていいる…!?!?
更にカメラには観測所で見たアンコウのような巨大な影が写り…その口の中に木々とキャンプが見える…

!?!?!?!?!?!?

さらにシグナルスコープを向けると…確かにその中からFeldsparのものと思われるハーモニカの音色が聞こえる…。
いやーこのときのドキドキ感はすごかった。OuterWildsの宇宙シミュレーター的なおもしろさから、ストーリーのおもしろさにグッと引き寄せられた瞬間だったと思う。

このハーモニカを吹いているのは本当にFeldsparなのだろうか?
エリートパイロットはこんな「次元のはざま」のような怪しい場所でいったい何を?
この侵略者のようなイバラモンスターを平和な木の炉辺に打ち込んだのは…Feldsparなのか?

ここに第二の仮説「孤高のエースパイロットFeldsparさん、エリートゆえのご乱心で、故郷と宇宙を滅ぼそうとしている説」が爆誕した。
業界のエースというのは、背負っているものの大きさから、いろいろ心に抱えているというのは世の常です。
神羅カンパニー社のセフィロスさんと同じように、Outer Wilds Ventures社のFeldsparさんもおかしくなってしまったのか…。そういえば侵入者はFF7のパッケージにもなっているメテオに似ている…。

前回の記事に書いた最初の仮説「『侵入者』を太陽にぶつけて超新星爆発を起こしている悪いヤツがいる説」と、今回の第二の仮説が一本の線で繋がりましたね。
(当時はそこまでは深く考えてはいなかったけど、ぼんやりそんな展開はあるかもと思っていた。まだFeldsparのメモも一つも見ていなかったから、どんな人なのか分からなかったし…)

この後、村の探査機ランチャーや、宇宙からの観察で木の炉辺にも村以外にいろいろあることが分かっていたので、間欠泉や量子の木立も含めて、この段階で一通り探索し終えたと思う。

ということで木の炉辺とアトルロックを一通り探索し終えたので、次の惑星に向かいます。次はやっと長距離航空になるので、少し書いた相対速度と宇宙飛行回りの話も書こうかな。

ゾンビのみなさまのお腹の足しにしていただければ幸いです。


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