見出し画像

【妄想ゲームレビュー Vol.01】"COVID-19" その1

【妄想ゲームレビュー】この企画は「もしもこんなゲームがあったら…」とか「もしも日常生活のアレがゲームだったら…」という妄想を膨らませて、架空のゲームとしてレ批評をしてみよう、という試みです。

”COVID-19”というゲームについて

このゲームは2019年末ごろから世界規模で爆発的に流行したため、本記事を読んでいる方もプレイ中、もしくは既プレイであるという方がほとんどではないだろうか。

このゲームの統計的な評価が「圧倒的に不評」であるにもかかわらず、ここまで流行している理由としては、「半強制的にプレイヤーとして参加させられる」「(悪い意味で)一度始めるとなかなか止められない」という性質を持っており、この記事を書いている2021年5月の時点でも、世界の各地域で流行り廃りの程度に差はあるものの、まだまだ世界規模でのブームは衰えを感じさせない。歴史に残るクソゲーとして、数年後の社会の教科書に載ることは確実だろう。

このゲームは、既存のジャンルに分類することがとても難しいのだが、筆者としては、人狼ゲームのようなソーシャル・ディダクション・ゲームに近い性質をもっていると感じている。本記事では、奇しくも同時期に世界的に流行したAmong usと比較しながら、このゲームの内容や、主流となっている攻略法を紹介していきたい。
「Among us」について詳しくないという方には、一部伝わりにくい内容となるが、先に本家のレビュー記事を読むか、YouTubeなどでプレイ動画を見てから読むことをオススメする。

画像2

どんなゲーム?

「Among us」では最大10人のプレイヤーはゲーム開始時に、
crewmate(クルーメイト:つまり一般人)と、impostor(インポスター:詐欺師、偽物)の二つの陣営にランダムに分けられた状態でゲームが始まる。

これに対して「COVID-19」では、すべてのプレイヤーはcrewmate(クルーメイト:一般人)と、infector(インフェクター:感染者)に分類される。

※一般人陣営を表す言葉の定義は正式には定義されていないが、この記事では説明の都合、cremateと表記する。

「COVID-19」の特徴の1つとして、crewmateがウイルスに感染することでinfectorに変わったり、infectorが寛解することでcrewmateにもどったり、とゲーム中に役割が変更されるという、他のゲームではあまり見られない仕様が採用されている。この仕様が前述の「(悪い意味で)一度始めるとなかなか止められない」という特徴に結びついている。

また「COVID-19」では、ゲームの終了条件が明確に定義されていないということも特徴であり、エンディングなども用意されていない。シミュレーションゲームのいわゆるエンドレスモードのように、何をもって終了(勝利)とするかは各プレイヤーに委ねられているが、crewmate陣営の勝利条件「infectorの数を0にする」「crewmateが感染しない手段/感染しても寛解する手段を確立する」などを目標として掲げるプレイヤーが多いとされている。

crewmateの感染条件

画像2

「Among us」では、impostorはcrewmateに物理的に近づき、killコマンドを実行することで、crewmateを殺害しゲームから除外することができる。
「どれくらい近づけばkillできるか(Kill Distance)」「どれくらいの時間間隔でkillできるか(Kill Cooldown)」といったパラメータは設定可能であり、kill条件は非常に明確だ。

一方の「COVID-19」では、infect(感染)コマンドにより感染が発生するが、その実行条件はかなり複雑となっている。冗談のような話だが、有志のプレイヤーが世界トップレベルのスパコンを用いて、このinfect(感染)条件の仕様を解明すべく、シミュレーションを実施したことも話題となった。

現在解明されている感染条件を簡単に説明すると、以下のようになる。

・infectorとcrewmateが空間的・時間的に接近した際に、infectorの意思に関わらず自動的にinfect(感染)コマンドが実行される

・クールタイムが存在せず、infectorは複数のcremateに対して同時にinfect(感染)コマンドを実施することができる

・infectorとcrewmateの「距離が近ければ近いほど」「近くにいる時間が長ければ長いほど」「その場の空気の流れが悪いほど」infect(感染)コマンドが実行される確率が高くなる

「Among us」をプレイしたことがある方であれば、上記の仕様がどれほどinfector側に有利なものか理解してもらえるだろう。

infector(感染者)側が圧倒的に有利?

実際「infector側が強すぎる」という意見は常に噴出しており、バランス調整のアップデートが求められているが、未だにナーフ(弱体化)される見込みは無い。それどころか「変異体」と呼ばれるinfectorにバリエーションを持たせるサイレントアップデートも実施されており、プレイヤーからの批判の声は大きい。されており、プレイヤーからの批判の声は大きい。

また「Among us」とは異なり、infect(感染)コマンドが実行されてcrewmateのプレイヤーが感染した際に、そのことを示す特殊な演出などが全く発生しない。このため自分はcrewmate陣営だと思い込んでいるプレイヤーが、気づかないうちにinfector側になってしまっているということが非常によく起こる。
この点についても今後のアップデートで、感染した際には、「デューン」というSEと共に感染したことを示すカットインが入る、くらいのわかりやすさが欲しいところだ。

これらの仕様に対する基本的な対策として、infecterになったプレイヤーは、移動速度が遅くなる、タスクの成功率が下がる、咳をよくする、などの特徴が現れるため、普段から自分自身や周りのプレイヤーの状態を観察し、変化に目を凝らしておくことが重要だ。

次回以降のレビューでは、さらに細かい”COVID-19”の仕様やプレイ環境として、全プレイヤーが優先すべきエッセンシャルタスク、マスクスキンの効果、議論(ディスカッション)の重要性、プレイヤー有志が開発しているワクチンパッチなどについて紹介する予定だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?