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思考をやめよう、足を動かそう(金刀比羅宮参拝)

考えすぎる人は、考えない時間を作った方がいい。
常々そう思います。
楽しい思考・妄想ならいいけれど、人間の思考の多くはネガティブなことだと20代の頃に聞いたためです。そして思考するのにも、多くのエネルギーを消費すると。

だからこそ心の病を負った時や悩みがあって苦しい時、もやっとする時には、気分転換がいいと言われるのでしょう。
思考をいったん止めて、眠ったり運動してみたり。心穏やかに過ごす。意識を頭の方から逸らす。
これこそが心の病を予防、あるいは改善する方法の1つだと考えてます。

瞑想がいいと言われるのも、考えない時間を意図的に作っているためです。
でもただじっとするのは苦手だし、何より考えまいと考えると、より意識して考えないようにしてしまう。
なら、考えられない状況に持ってった方がいい。

思考を止め、無心に身体を動かす。
それが一番体感できるのが、実は登山だったり。
とりあえず、きつくて体力使うのが一番です。

私のお勧めは金刀比羅宮、通称「こんぴらさん」です。
お勧めというか、単に昨年、登って来たってだけの話なんですが。

四国・香川県にある名所、「金刀比羅宮(ことひらぐう)」。
お参りするためには、多くの階段を登らなければなりません。785段登った先にある本宮、そしてさらにその先にある奥社。
そこまで行くには合計1368段、登る必要があるようで。

正直、どれくらいなのかは想像つかないでしょう。
大変にキツかったという意見もありますが、本宮まではそれほどではありません(元気な30代)。
何なら、ちょっと物足りないくらい(元気な30代)。
途中までお店も出てて、見てて楽しいですから。
人も多く、そんなに進めませんから。

ですが奥社へと続く道は歩く距離もあるので、30代であっても疲れを感じます。
正直、考えることをやめます。というか考えるだけの余裕はなく、ひたすら無心で足を動かす。
私は一人で行ってきましたから、まさに修行僧の如く。頭も心も無になる瞬間。

そして登り切っても参拝する程度で、後は登って来た道を下るだけ。
下りの方が楽だけど、下りはふくらはぎの負担も大きく、筋肉疲労が出始める人もいるでしょう。
でも、子どもから高齢の方まで登っておられるので、そんなに無謀なものでもないのです。

往復で合計2700段ほど、時間にして2時間。
休むことなく、ひたすら足を動かし思考も止まる。ただただ、階段を上る。
音楽や動画を持ち歩けるような現代で、こんな体験は登山かこんぴら参拝くらいでしか味わえない。(あるいはフルマラソン?)

駅へと戻って電車の座席に座り込んだ時には、心地よい達成感で幸福でした。
(シートもまた、フカッとしてた。そこから1時間ほど乗って駅降りて歩いた時、足がものすごく軽くて驚いた)

ちなみに、一人で登っている人はかなりの少数派でした。
多くが家族連れか中年の夫婦。若いグループもいたけれど、そこまでは。

確かに仲のいい人達と一緒にワイワイしながら登ることで、思い出にもなるし、疲労も軽減されることでしょうけれど。
あえて一人孤独に登ってみるのがお勧めです。
というか一人じゃないと、考えないでひたすら足を動かすという体験ができないのでね。

特に奥社への道は山道で、観光地になってる本宮と違って人もグッと減るので、その静けさに耳を傾けるのも醍醐味のひとつ。
道は舗装されてるので、登山より危険は少なく普段着でも十分なんで。

自然の中をゆきます

色んなもので煩い現代社会。
自然を忘れた現代人。
たまにはこうして一人自然を感じながら、足を動かしてみるのも必要なのでは?
迷った時は、一度自然に立ち返る。私の信条です。

そもそも四国には「八十八カ所巡り」というものがありまして。
それは、自らの足で四国に点在する寺院88を巡る旅。これこそ、まさに修行です。
参加される理由は色々あれど、「人生を変えたい」「気持ちを整理したい」といった理由から巡られる若い方も多いようです。(と、ネットに書いてあった)

確かに非日常であるお遍路巡りは、日常を一度離れて、これまでとは違う目を養うことにもつながります。
仕事を辞めた人が海外に飛び出し、新たな目を持って再挑戦する姿はよくある光景でしょう。
何かに煮詰まった時には、視点を変えることも時には必要じゃないかな。

ええ、人生が変わるのではなく、人生を見る「目」が変わるのです。
というわけで、人生に迷いがある時に四国はお勧めですって記事でした。

死ぬまでに一度は行きたい、こんぴらさん

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