【寄稿】「平等」を目指していないフェミニズム。

 フォロワーの方より記事の寄稿を受けたので、ここで公開させていただきます。

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一周周って儒教に回帰していくアジアン・フェミニズム

最近はまた「オミクロン株」なんて訳のわからない新株が市中感染に突入することになり、大騒ぎとなっております。

コロナ禍は特に欧州で大騒ぎになり、先々月あたりは「Withコロナに舵を切った!」なんて報道を目にした気もするのですが、変異株発生ど同時にまた「ゼロコロナに逆戻り」させられるわけです。

そこに世界中が付き合わされ、移動制限が今後進んでいくわけですが、いい加減、ゼロコロナなど不可能、人類が諦めるしか対策は無いと学んで欲しいもんです。

 人類は台所の黒い悪魔すらゼロにできひんのに、何をトチ狂って変異の速いコロナウイルスを根絶しようなどと抜かしているのかワケがわかりません。

 とは言え、残念ながらこの冬は移動制限が課されることになりそうです。私の所有する三菱重工や川崎重工は一般的には航空株と思われているようで、株価ナイアガラになっております。

 さて、それでも日本は10月から11月にかけて束の間の平穏期があり、今まさに「旅行するなら今がチャンス!」という状態でありました。そう、観光業界としては「感染者数少ない今のうちに稼いでおかな!!」と必死だったかもしれません。

 そんな中、仁藤夢乃氏は嵐を起こしました。そう、温泉むすめバッシングです。

「温泉むすめキモイ」と言った共産党議員ー都会の人間しか見えてないぞ

 仁藤夢乃氏に乗っかって温泉むすめ叩きした人物に共産党議員が居たと言うのが何とも言えぬヤバみがあります。

 確か東京23区のどっかの区議員だったと思いますが、普段あれほど「市民の生活に寄り添わない安倍政権は退陣しろ」と言ってきたのに、肝心の自分らも国民の生活が見えてなかったんじゃないかというのが可視化されてしまった気もするんですよね。

 まぁ強いて言えば共産党は「都会の貧困層に寄り添う」のは強いんです。そう…「都会の貧困層に限っては」ですが。

 そもそも共産党の支持者なんて殆ど都会にしかいないし、いま立憲民主党や共産党が取り込んでしまった勢力に過激なTwitterフェミニストたちがいるわけですが、フェミニズム自体が完全に都会の思想・運動だったりします。

 地方じゃフェミニズム運動なんてものは無いですし、産業構造も東京と全く違いますから起きようもないのかもしれません。

(例えば男性なら運送か現業か営業しか選べない、女性なら工場、接客、介護/看護、保育くらいしか仕事が無いのが地方)

 もちろん地方でも現野党が勢力持った地域はありますし(ただ深堀すると歴史的背景はある)、そういう地域の共産党や立憲は地方の人の暮らしは見えているのかもしれません。

 ただ、発信力の強い地方議員ってやはり東京・大阪の人間だったりします。その東京の議員が「温泉むすめキモイ」と言ったのは、それだけ地方の暮らしが見えてないことの証左になります。

萌えに頼らず町おこし出来るならとっくに出来ている

 過激なTwitterフェミニスト達は「萌え興しキモイ」と言い、「こういうことやればオタク以外の観光客は逃げるだろ」と言うのですが、恐らく萌え興ししたことでオタク以外の観光客が逃げるというデータは存在しません。というより、取るのが無理だと思われます。

 ただし、ある調査から「片道3時間以上の国内旅行に耐えられるのは元から4人に1人しかいない」ということがわかってきました。

 そして、日本人はおよそ4人に1人が首都圏に住んでいます。首都圏3600万人おれども、片道3時間以上の国内旅行に耐えられるのは900万人、この内6分の1が貧困とすると、首都圏に於ける実質的な国内旅行潜在顧客は750万人ということになります。

 首都圏からの旅行で考えた場合、西への旅行に関しては熱海の壁、京都の壁というものが存在します。

 これは東京の旅行客が西へ向かう場合、最初の壁として在来線で行ける熱海で堰き止められ、次はのぞみ号で2時間強で行ける京都が第二の壁として立ちはだかるってことです。

 例えば首都圏の人間で沼津に行く人間というんは殆どいません。熱海から先は伊豆へ南下するのです。あさぎり号は御殿場止まりになりました。沼津へ行く人がおれへんからです。そんなわけで、ラブライブ!サンシャイン!!は沼津にとって観光客を呼ぶための大事な資源となりました。

 関西の温泉地では白浜町が人気です。碧い海を見れ、温泉に入ることもできるという条件があります。でも関東の人は白浜まで行きません。同様の条件は伊豆にも整っているからです。伊豆にもあるものがだいたい白浜町にもあるようなもんなんで、関東の人間にとっては白浜へ行く特別なインセンティブが無ければ白浜へ行きません。だって片道5時間掛かるんだから。

 実際、萌え興し以外の観光客誘致PRなんてどこの町もやっています。嘘だと思うなら市役所の観光課の人に聞いてみると良いですよ。だいたいどこも似たようなことやってますんで。

 温泉むすめって言うのは「ウチに来ることで観光客に与えられるインセンティブの一つ」なのですよ。

「萌えキャラに頼らず町興しできるんならとっくにやってるわ!!(実際やってるんだが…)」

これが観光地の現実としては実際のところでしょう。

一周周って保守化したフェミニズム

 さて、Twitterフェミニストは萌えキャラ見ると怒り出すというか、Twitterフェミニズムは常に何かに怒ってないと運動を保てないんじゃないかという気がしないでもないのですが、本来フェミニズムとはなんなのでしょうか。

 究極的なゴール地点っていうのは、男女共に性別に縛られずに自分らしく生きようというのがゴール地点のはずです。その意味では、フェミニズムそのものは悪の思想ではないわけです。

「性別に縛られず自分らしい生き方をしよう」ということが大事なポイントですから、トランスジェンダーもまた、尊重されるべき存在であります。ただし、Twitterフェミニストの中にはトランスジェンダーに対する露骨な差別意識を剥き出しにする手合いが存在します。

 もうそうなると「フェミニズム」ではないんですけどね。

 フェミニズムにも「ラディカルフェミニズム」であるとか「リベラルフェミニズム」なんて言葉が使われてるんですが、この「リベラル」という言葉の政治的意味も国によってまちまちで、実は定義らしい定義がないんです。

 言葉通りにリベラル(Liberal)を訳すと「自由主義」となり、自民党の英語名も「Liberal democratic Party」となっています。つまり、フェミニズムが目指すゴールそのものは本来、リベラルであるはずなんですよ。

 ところがTwitterフェミニストの言動を見ていると、全く以てリベラルではない。寧ろ彼女らは一周周って昭和のオヤジ脳と近しく、かなり「(自分の思う)女性の女性らしさ」に対するこだわりがあります。リベラルに行くどころか限りなく保守化している。

「ネトウヨとツイフェミは似ている」なんてよくよく思ってますが、似てるどころか思想が違うだけで思考の仕方はイコールですよ。

 まぁTwitterフェミニストが保守化するのもわかる気はするのです。

 というのも、案外Twitterフェミニストというのが割と高学歴が多かったり、経済的にはそこそこ恵まれた家庭で育った女性が少なからず見受けられました。当然、彼女達は貧困の苦労してないから貧困の悩みって無いし、同時に都会的な保守思想を持っているので、結構権威主義だったりします。

 そんな彼女達にとって「学者の言う事」というのは絶大な意味を持ったりもします。何せアカデミック信奉を持ったTwitterフェミニストはたくさんいますからね。

 だいたいTwitterフェミニストの信仰を集めたのがこれまた東大ブランドで権威のある上野千鶴子氏です。上野千鶴子氏は一部では「女版の竹中平蔵」と言われることもあり、ある意味でネオコンサバティブな価値観を持った人ではあります。そりゃ、Twitterフェミニストが「Liberal(自由主義)に」なんかなれるわけないでしょ。

メガリア自体が儒教的な価値観に取り込まれている

 ところでTwitterフェミニストがお手本にしているのはメガリアと呼ばれる韓国の過激なフェミニストだったりします。

 韓国は知っての通り儒教国です。まぁ寧ろ日本人が日本を儒教国と思ってない方が問題なんだけど(少なくとも靖国神社の主となる価値観は儒教です)、韓国の社会ではそれこそつい数年前までは男性社会だったと言って間違いはないでしょう。

 メガリアは非常に過激なフェミニスト(正確にはミサンドリスト)集団だったわけですが。Twitterフェミニストにとって「悪である男と戦う理想の英雄」に見えたわけです。

 じゃあメガリアは本当の意味で「男女平等を目指した」のかというと、そうでは無いのです。

 それが可視化されたのは文在寅政権になってから。

 文在寅の支持率は「全体で見ると低い」のですが、実はこれには裏があります。というのも、文政権は「女性からの支持率は非常に高い」からです。

 裏を返すと「男性からの支持率が著しく低い」ことで全体としての支持率が低くなったということになります。

 さて、文政権は様々な女性支援政策を行いました。日本で同じ政策やったときに日本人男性がどう思うかはわかりかねるところですが、少なくとも韓国の男性は「女性優遇政策」と受け取ったわけです。

 一方、韓国には「男性だけ」に徴兵制度が存在します。方や「フェミニズム国家」を自負するノルウェーには女性も徴兵対象となりました。韓国は少子化が激しいですが、北朝鮮が存在することもあって、徴兵制自体を無くすことはまだまだ現実的ではないのです(少なくとも韓国と北朝鮮は日本と北朝鮮の関係より遥かに悪い)。

 するとどうなるかって言うと、当然、男性側は女性の徴兵を求め、署名は30万筆を超えました。

 これに対し、韓国のフェミニストがどう答えているのか。これについて実情はわからないところですけども、関連したツイートではフェミニストは女性の徴兵には反対的だったと聞いたことがあります。

 実のところ、韓国の過激なフェミニストが目指したのは「男女平等」ではなく「女尊男非」の世界だったと思うんですよね。

 ある意味で、韓国の過激なフェミニストもまた、儒教の価値観に取り込まれています。

 メガリアをお手本にし、或いは上野千鶴子氏を尊敬しているTwitterフェミニストというのもまた、儒教の価値観に取り込まれているのでありましょう。

「学を修めたモンだけが偉い!その学を修めた正統なフェミニストが私達だ!」みたいな感じで、すっかり朱子学的な価値観に取り込まれてったんじゃないかなと思います。

 ツイフェミとネトウヨって本当によく似てますよ。なんだかんだで儒教的な価値観の影響を強く受けてるし、思考の仕方は「排除」という方向性で一致してます。

「フェミニズムは学問か運動か」という問いかけを聴いたことがありますが、強いて今わたしが答えるとしたら<宗教と化している>と言うでしょう。

 本来目指すべき「Liberal(自由主義)」から逸脱し、「conservative(保守主義)」に走るフェミニストを見ると、そう答えます。

<ここまで>

あとがき

 寄稿ありがとうございます。

 日本や韓国などで幅を利かせている「フェミニズム」は、とてもじゃないが「男女平等」「ジェンダー平等」を目指しているようには到底思えない。

 もし、「男女平等」「ジェンダー平等」を求めているのであれば、「男女問わず徴兵しろ」「女性も軍に志願させろ」みたいなことを主張していてもおかしくないはず。権利義務に関することは、性別不問で「平等」に。

 これらの国で幅を利かせる「フェミニズム」は、女性優遇を求めるなど「女性を大事にしろ」を目指す運動になってしまっている。これでは男性から猛反発を招くのも仕方ないだろう。

 さらに日本では、仲間として認めたくない女性を「名誉男性」「偽女性」などと呼称して女性扱いしないなど、「『自分たちが仲間と認めた女性さえよければいい』フェミニズム」になってしまっている。これでは「フェミニスト」がマトモな一般男女両方から危険人物・危険集団扱いされるのも当然と言えよう。

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