見出し画像

『介護離職』をする前に知ってほしい3つのこと

介護離職

近年よく耳にする言葉のうちの一つではないでしょうか。

言葉の意味はわかっても、『よくわからない』『大変そう』『私にはまだ関係ない』と思っていませんか?

しかし高齢化社会が急速に進む現代で、『介護離職』は自分とは遠い話ではないかもしれません。

どんな人も直面する可能性のある『介護離職』について、介護と仕事を両立させた例を交えながらご紹介したいと思います。




そもそも「介護離職」ってなに?

介護を理由に勤めている会社を退職することを表します。

介護職の方が離職されることと混合してしまうこともあるようですが、その場合は一般的な離職です。

そして介護離職は、ゼロにできる離職です。

それなのになぜ、いまだ問題になっているのでしょうか。

現状と問題点を知ることから始めていきましょう。


・介護離職の現状

下図のグラフを確認すると、2006年から2017年までに、介護離職者数は約2倍に増えています。

出典:厚生労働省「雇用動向調査」より大和総研作成

また、2022年10月時点に総務省から発表された「就業構造基本調査」では、介護離職者数は約10.6万人でした。

2017年の「就業構造基本調査」では約9.9万人だったので、それから7000人ほど増えていることになります。

2017年時点で2倍になったにもかかわらず、まだ増えているのが現状です。


・介護離職の問題点

介護離職は、介護に専念するために離職します。

その理由として体力面・精神面の負担の軽減を考えている人が多いと考えられます。

しかし、介護離職後に「非常に負担が増した」「負担が増した」を回答した人は、精神面・肉体面・経済面全てで50%を超えていることがわかります。


出典:厚生労働省「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」結果概要より一部抜粋


つまり介護離職は根本的な解決には至っていないということです。

また、介護離職者の再就職率は30%ととても低い水準です。


出典:総務省「平成29年就業構造基本調査」より大和総研作成


再就職も難しく、根本的な解決に至らないのであれば、介護離職は望ましくないでしょう。


『介護離職』をする前に知ってほしい3つのこと

1. 介護離職は0(ゼロ)にできる

先述しましたが、介護離職はゼロにできる離職です。

政府も施策の一つとして「介護離職ゼロ」を掲げています。

しかし残念ながら、現在でもそれは達成されていません。

下図は現在働いていて、介護が必要な家族がいない人が不安に思う内容を表したグラフです。


出典:厚生労働省「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」結果概要より一部抜粋して作成


こちらの不安内容を大きく2つに分けると、「会社との連携不足」「介護についての知識不足」に分けられると考えます。

会社との連携不足に関しては、介護があってもなくても解決が必要な問題です。

今は、会社も社員の健康課題や介護・育児課題に取り組むようになっています。

まだまだ発展途中のところも多いかもしれませんが、この「会社との連携不足」の不安はこれから改善される可能性が高いです。


2. 介護にも支援制度がある

そして2つ目の大きな不安「介護についての知識不足」です。

先ほどのアンケートにもありましたが、支援制度について介護サービスとの両立についてが不安の上位にきています。

こちらでは国の代表的な支援制度“介護休業制度”についてお伝えします。

介護休業の取得対象者は以下のとおりです。

出典:厚生労働省「Ⅲ介護休業制度」より一部抜粋

つまり、

  • 要介護以上の家族の介護をしている人

  • 雇用保険に加入して6ヶ月以上経っていること

  • 今の会社で働いて一年以上経っていること

この3点に適合していれば、基本的には取得可能であるということです。

自分が対象者かわからない場合は、会社の手続き担当者に問い合わせるのが確実です。

私は社会保険等の手続き申請に関わっていたことがあるのですが、ほとんど同率で扱われている育児休業と比べると圧倒的に取得率が低いと感じています。

育児休業は多くの人がすでに取得しています。

前例が多くあるので、会社も細部まで把握している可能性も高いです。

しかし介護休業は、取得者の前例が少ない上に、はっきりとした始まりがありません。

このような理由から、制度の存在さえ知られず離職を選択するケースも多いと考えます。

しかし制度はあるので、離職を選択する前にはまず、検討してみてください。


そして、介護サービスとの両立についてですが、こちらは誰かに相談する必要があることが大半だと思います。

しかしその誰かがわからず、休業しても1人で介護をしなければならないのではと不安に思う方がいらっしゃるかもしれません。

まずは地域包括支援センターに相談してみてください。

そこでわからないことがあるもしくは行政に連絡するのが苦手だという方は、私たちF・Linkに相談していただければ、産業保健チームが適切にプラン作成のお手伝いをします☺︎

どちらにしろ解決策は必ずあります。


3. あなたは1人じゃない

これは、私たちF・Linkの創業者三人全員が、介護と仕事を両立させた経験からお伝えできることです。

制度についてよく知っていたというのもありますが、会社としての理念を皆で共有していたのも大きいと感じています。

先述している通り、私たちは「介護離職はゼロにできる」と考えています。

そして、それを会社さんたちに実現してもらうために、様々な対策を考えてきました。

それは自分たちの会社にも適用されることです。

私たちの家族に介護が必要になった時、適切に制度を利用し、助けが必要なときは助けを求める。

この点を共有していたおかげで、離職せず、最期まで家族と大切な時間を過ごすことができました。

今の会社で支えてもらえないと思っているのであれば、介護でなかったとしてもいずれ離れてしまう可能性が高いと思います。

しかし、会社が大切で迷惑をかけたくないと思っているのなら、ちょっと待ってください。

会社も同じように、あなたの助けになりたいと考えているかもしれません。

1人で話すのが不安であれば、私たちを頼ってください。

会社さんも私たちを頼ってください。

何事においても適材適所です。

皆さんが自分の得意を活かせるように、介護に関しては得意な私たちF・Linkに相談してください☺︎

孤独になりがちな現在の介護の状況を、少しでも多くの人と関わって満足のいく最期を迎えられるようにお手伝いしたいと考えています。


介護離職をなくすために

1人で介護をすることは、簡単ではありません

そして社員1人で介護離職を防ぐことも、簡単ではありません

でも会社全体で協力・支援することで、介護離職を防ぐ可能性が高まります。

その協力の仕方がわからないということもあると思いますので、そんなときは私たちF・Linkにご相談ください。

私たちのモットーである”働くことを諦めない”を支援します。

詳しいお話はこちらでお聞かせください☺︎