込めたるは祈りにあらず |九|
判断
アギレラは眠り続けるレモロを抱いて山脈を登り、見晴らしの良い平地で野営を張る。
キャリコらとは、孤児院の先の坂道で別れた。スミッチへの後始末は二人に任せ、ひとまず彼がレモロを引き取る運びとなったのだ。
金鷹までの猶予。キャリコが提案した折衷案はそれだった。三つの季節が過ぎるまでには、必ずアムストリスモを説得し、レモロを引き取らせる。そう胸を張るキャリコをひとまず信じ、アギレラは孤児院が燃え尽きるのを待たずにスミッチから遠ざかった。急いだのは、いち早く子どもをこ