白の王国の傭兵ギルド −その6−壁の内側
竜の仔の物語 −第2章|2節|−白の王国の傭兵ギルド−その6− 壁の内側
数年間、白の塔で引きこもっていた大魔法使いアリアトは、従者を連れて塔の長い階段を降り、庭園を抜け王宮に入る。彼は高齢で、大きなカシの杖を頼りに、そこまで辿り着くのにかなり息を上げている。
「いやはや、わしが魔法使いでよかったわい。」ひと息つくとアリアトは、従者に杖を掲げてみせる。「なにせ、こいつを持っているからな。」そう言い笑う。老魔法使いを気遣い、従者が肩を貸そうとするが、アリアトはそれを断