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竜の仔の物語−第五章−

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戦いのなか、戦う理由を探し続ける者達の物語。変わるもの、変わってしまうもの、変わりたいと願う想いと、変わらぬ想い。理不尽な暴力に抗い、愚かさに翻弄され続ける者達にも、変革の火は容…
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記事一覧

竜の仔の物語 −第五章|1節|−ソリトア奪還

※文章には一部過激な表現が含まれています。物語として消化する想像力のない方は、ご遠慮くだ…

ソリトア奪還 −その2−スバン渓谷の戦い

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その2−スバン渓谷の戦い  スバン渓谷北側…

ソリトア奪還 −その3−戦いの規範

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その3−戦いの規範  蒼獅子隊は、スバン渓…

ソリトア奪還 −その4−綻び

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その4−綻び  戦いの準備を進めるギュンダ…

ソリトア奪還 −その5−ささやかな連携

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その5−ささやかな連携  蒼獅子隊がソリト…

ソリトア奪還 −その6−獅子対決

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その6−獅子対決  港のほうで強い魔法の力…

ソリトア奪還 −その7−蛇と刃

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その7−蛇と刃  白蛇に乗り、波を切り迫る魔女をアムストリスモの師弟が待ち受ける。  「白い大蛇。」キップがごくりと喉を鳴らし、ヒノキの杖を握りしめる。  「参ったね。あれはシュルシュかな?稀種かもしれないね。」フロバックが苦笑いで答える。  大蛇は船首の手前で一度見えなくなる。それから鎌首をもたげて目の前に現れ、ゆっくりと魔女を甲板に降ろす。  「念のために聞くが、タイロンの闇の魔法使いだね。」悠長に訊ねるフロバッ

ソリトア奪還 −その8−王者の器

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その8−王者の器  両獅子が激突を続ける。…

ソリトア奪還 −その9−鎖の眼

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その9−鎖の眼  蒼獅子隊とギュンダーが共…

ソリトア奪還 −その10−黒色魔法

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その10−黒色魔法  砲撃が止み、多くの敵…

ソリトア奪還 −その11−肉の柱

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その11−肉の柱  レンジャー達が切り離さ…

ソリトア奪還 −その12−戦の末

竜の仔の物語 −第五章|1節|− ソリトア奪還 −その12− 戦の末  轟音と衝撃。揺れる地面…

ソリトア奪還 –終話–畜生の散歩道

※文章には一部過激な表現が含まれています。物語として消化する想像力のない方は、ご遠慮くだ…

竜の仔の物語 −第五章|二節|−ラームの攻防

竜の仔の物語 −第五章|二節|− ラームの攻防 −その1−戦い前日  少し時間は戻り、ソリトア奪還から数日前。  ラームから北の街道を外れ、崖下に波頭の望める場所にミルマが立つ。彼女は海に向かい、ひたすらに奇妙な形状をした笛を吹いている。ストライダ特製のその笛からは何の音もせず、特殊な音波が海の魔物エギドナを呼び寄せるのだ。  「こんな作戦、師匠はどうして考えつくのだろう。」  やがて、東の海から歌声のような高音が聞こえ、トビウオのように海面から飛び出す群れが見えると