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Flex Capital利用企業インタビュー ~オーティファイ株式会社~

「技術の力で世界の人々の創造性を高める」をMISSIONに、AIを活用することでノーコードでソフトウェアテストを自動化できるサービス「Autify」を提供するオーティファイ株式会社。(以下、オーティファイ)

 プロダクトが世に出る前に開発したソフトウェアが正しく動作するか検証する「ソフトウェアテスト」は、IT予算の1/3を占めると言われる巨大な市場です。現在、その検証作業の多くは手作業を中心に行われています。QAにかかるエンジニアリソースの問題や、開発のスピード感、またテストシナリオの保守などがこの工程の課題となっています。

オーティファイはAIを活用したテスト自動化ツールの提供によりその課題解決に取り組み、Yahoo! JAPAN、出前館、ZOZOテクノロジーズ、NTTスマートコネクトなど多くの企業がサービスを導入しています。

 今回は、オーティファイで財務を担当されているVice President, Finance後藤さんに「オーティファイのデット調達の背景とは?」「なぜFlex Capitalを利用しようと思ったのか?」についてインタビューしました。 

オーティファイ株式会社 Vice President, Finance
後藤 千春
2012年有限責任監査法人トーマツに入所後、非上場会社を中心に法定監査及びコンサルティング業務に従事。2016年よりDeloitte Singaporeに駐在し、ASEAN域内の日系、ローカル企業に対し会計関連サービスを提供。2018年よりシンガポール本社のベンチャーキャピタルSpiral Venturesにてミドルバック業務を中心にファンド運営業務全般を担当。2020年に同社取締役CFOに就任し経営全般及び新規事業に携わった。2022年3月にAutifyに入社し、経営企画、法務、財務全般を管掌。 

不安定な市場環境を見通し、デットでランウェイを伸ばす

- 今回デット調達をされようと思った背景や狙いについて教えてください。

後藤さん:
景気後退の局面である現在は、ビジネスの土台を固め、好景気となった際に さらに大きく成長するための準備期間だと考えています。そのため、できるだけ長く手元に資金を持ってランウェイを確保し、会社として取れる選択肢を増やしておきたいと考えていました。コストの削減を行いながら、デットでの資金調達を行って資金に余裕を持たせ、そのうえで社内承認を通じた支出管理により、ROIを把握したうえでのメリハリのある投資を行いたいと考えていました。

- 今回のデット調達のなかで大変だったポイントはありますか?

後藤さん:
弊社は本社が米国なので借入を行う際は、日本の金融機関さんにおいて、外資企業の取り扱いとなることが一般的で、追加の確認項目が増える、前例がない、など他の日本本社の企業に比べるとハードルが高いと感じることがありました。
半面米国での融資をうけられるというメリットはあり、実際米国の金融機関さんからタームシートをご提示いただいたこともあったのですが、提示された条件は日本と比較し高利で、コベナンツも厳しく、その点日本での借入の機会を優先したいと考えていました。

Flex Capitalは「スピード感を持ってしっかり実態」を見てくれた

- 昨年Flex Capitalのベンチャーデットをご利用いただきましたが、何が決め手になったのでしょうか?

後藤さん:
決め手はなんといっても、審査や対応のスピード感です。
弊社は米国に本社がある点などトリッキーですが、そういった形式面より、事業の実績などにフォーカスした確認を頂いたように感じます。

資料提出の際の、プラットフォームのUIが非常に洗練されており、審査スピードも迅速で、非常に速いスピードで弊社のことをご理解いただいた上でご判断頂けたかと思います。提出した資料の中身を把握いただいた上でコミュニケーションを頂けたので、実際のお打ち合わせでは必要最低限の情報だけで確認が済み、コミュニケーションに重複が生じない点も非常にありがたかったです。

また、今回利用する際に他の金融機関さんとも会話をし、市場において提示される条件と比較をした上で、Flex Capitalさんとご一緒したいという意思決定を固めをましたが、金利や借入期間、返済条件などの基本的な取引条件についても、魅力的な条件をご提示いただき、利用の意思決定をしやすかったです。

- 初回面談以前ににFlex Capitalについてどのようなイメージをお持ちだったか教えてください

後藤さん:
「Flex Capitalさんが」と言うよりベンチャーデットのプレイヤー全体の従来のイメージとして、高金利で条件が厳しいイメージも、実はなくはなかったです。その点、かなり条件面や融資前の審査時の質問など厳しいコミュニケーションをされるのではないか?と身構えていました。

しかし実際面談させて頂くと、逆にこれで良いのかと思うくらい手間が少なく、良い意味で抱いていたイメージを覆されました。融資プロセスのデジタル化の威力を強く実感しました。

- やりとりさせていただく中で気になったポイントなどはありますか?

後藤さん:
強いて言うなら、良かったと思う点の裏返しとして、コミュニケーションや提出資料が必要最低限だったことから、お渡しする情報が「これだけで本当にいいのかな?」と思うことはありました。

例えば財務諸表に表れない経営効率を図る各種KPIについて、我々としては審査にプラスに働きそうだなと自負しているものもあり、その点ぜひお伝えしたいと思っていたものもありました。そういった情報をご理解いただくことで、借り手のことをより深く理解したうえで取引に臨んで頂ける側面もあるなと感じました。

- 継続的に新規採用が走るスタートアップだと「採用の確からしさ」を確かめる指標が従業員数に対する各指標の効率性を表す指標になり得るので確かに重要ですね。今もそのような点を見てはいるのですが、方法含め今後検討していきます。

これからのオーティファイについて

- オーティファイが目指す世界観について教えてください。

後藤さん:
我々が創業以来常に意識しているのは「世界共通の早急に解決すべき課題を解きに行く」と言う点です。

ソフトウェアテストの非効率性の課題は万国共通でかつ、世界のIT予算の3分の1が割かれ、市場規模としては150兆円と言われる、とてつもなく巨大なマーケットです。この領域は、手作業に依存する割合が多く、非効率が非常に多く存在しています。当市場には明確な勝者がおらず、我々は世界においてこの分野でのパイオニアとなりたいと考えています。

この非効率を解決することで、顧客は人しかできない創造的な業務に時間を費やせるようになります。Autifyはこれからも全世界の企業の生産性向上に貢献していきたいと考えています。

- 最後に、オーティファイのこれからについて教えてください。

後藤さん:
2023年は、拡大期に入った日本国内のマーケットシェアの一層の拡大と、 グローバル売上を成長軌道に乗せることを目指しています。国外では米国のみならず、それ以外の欧州、オセアニア、南米などからの顧客が確実に増えてきているので、グローバルでサービスの継続利用や利用シーンの拡大などをしっかりと生み出していきたいと考えています。

その先は、AIを用いた機能や、モバイルアプリのテストソリューションを中心に追加投資の上強化し、提供するサービスメニューを増やし、グローバル での売上をさらに拡大していきたいと考えています。

こうした絵を見据えながら、今は骨太で筋肉質な組織を作り、しっかりとした「型」を作ることで今後の展開に備えていきたいと考えています。

-今日はありがとうございました!!

運営会社:株式会社Fivot
法人向け資金調達サービス:Flex Capital

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