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「デットはグロースを実現する有効な資金調達手段」株式会社M&Aクラウド


株式会社M&Aクラウドについて

M&Aクラウドは、ミッションとして「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」を掲げM&Aを簡単に、よりスマートにすることで、「事業承継」と「スタートアップのEXIT」という課題の解決を飛躍的に推進させ、時価総額10兆円企業を目指し挑戦を続けています。

ミッションを元にサービスは4つ展開されています。
1つ目は、創業時からの事業である求人広告型のM&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」。買い手企業と売り手企業が直接WEB上でコミュニケーションができるプラットフォーム事業です。求人サイトが求職者と企業がWEBで繋がれるように、M&Aの世界でも会社を買いたい人と売りたい人が繋がれることを目指しています。上場するIT企業の35%が「M&Aクラウド」で買収ニーズを掲載しています。
2つ目は、M&Aアドバイザリー事業です。WEBでM&Aを完結するだけではなく、M&Aのプロフェッショナルであるアドバイザーに支援を受けながらM&Aを実現したい企業に向けたサービスです。
3つ目は、「資金調達クラウド」で、エクイティで資金を調達したいスタートアップが、出資をしたいCVCや事業会社とつながることができるプラットフォームサービスです。
4つ目は、エージェントプラットフォーム事業です。経験豊かなM&Aアドバイザーが当社とエージェント契約を締結し、当社のリソースを活用しながら全国の事業承継に悩む企業のM&Aを支援するサービスです。弊社がマッチングサポートや専門家紹介、各種データベースを提供することでエージェントが円滑に事業運営するためのサポートをしております。

M&Aクラウドは、上記の事業をもとにM&Aの成約件数を順調に伸ばしています。

今回、M&Aクラウドで執行役員CFOを担当されている村上さんに「デット調達の背景とは?」「なぜFlex Capitalを利用しようと思ったのか?」についてインタビューしました。

株式会社M&Aクラウド 執行役員CFO
村上 祐也
2015年新卒で野村證券株式会社へ入社。インベストメント・バンキング部門にて、インダストリアルズやコンシューマー、ヘルスケア業界の企業に対するM&AやIPO等の提案やエグゼキューションに従事。 2019年1月にM&Aクラウドに入社。M&Aアドバイザリーを担うMACAP事業本部長を務めながらCFOとして資金調達やM&Aを手がけた。

CFOは一口でいってもいろんなタイプがあり、M&Aクラウドは攻めと守りの役割分担を初期から進めることができた

-村上様はいつジョインされたのですか?

村上さん:
私自身、2019年1月にジョインしました。その前は新卒で入社した野村證券でM&AやIPOを経験してきましたが、元々は父親の背中をみて会社の経営をしたいと考えていました。その頃に代表の及川と出会い、ビジョンに共感しジョインしました。
入社当初は全社でも10人程の組織だったので、CFOや管理部のポジションよりもお金を稼ぐ部分に注力していました。M&Aアドバイザリー事業部の立ち上げをした後に4年程事業部長を務めつつ、CFOの兼務をスタートさせ、昨年本格的にコーポレート専任に移りました。

-Flex Capitalはシードからミドルステージのスタートアップが中心で、まだCFOを置かれていないフェーズの企業も多いのですが、CFOを置かれたのはいつのタイミングでしたか?

村上さん:
シリーズBからCの間ぐらいでしたね。ジョインしたのはシリーズA直後ぐらいでしたが、事業をつくっていき、シリーズBからCのところでCFOの業務を始めていきました。

-シリーズAからシリーズB・Cに移るにあたり、投資家の方から求められるものが変わったり管理・財務の整備が重要になると耳にするのですが、どのような業務から始められたのでしょうか?

村上さん:
もともと私がジョインしたタイミングで、ほぼ同時期に会計士の者が入社し管理部長を務めていましたので、その者と連携を取りながら管理や財務に関連する業務を進めていました。
CFOと一口でいってもいろいろタイプがあり、攻めと守りをすべて100%やる人は少ないと思います。財務・IR・ファイナンスのいわゆる攻めの業務が得意な人と、経理・法務・総務などの守りの業務が得意な人がいると思います。M&Aクラウドではうまく分担して進められたかなと思っています。

デットはグロースを実現する有効な資金調達手段

-ノンバンク系のベンチャーデットはご存知でしたでしょうか?Flex Capitalのことはご存知でしたか?

村上さん:
ベンチャーデットが、昨今盛り上がっているのは色んな記事を読んだり他社のCFOと話したりする中で認識していました。その中でFlex Capitalのことは知っていました。
本格的に話したのはIVSのイベントでお会いした時で、今後フェーズによって使う可能性があるなと思い、ご連絡させていただいた次第です。

-お会いさせていただいた頃の約1年前のデットの活用状況はどのような状況でしたか?

村上さん:
ベンチャーデットがこの数年で出てくる前は、銀行からの借入がデットではメインの調達手段だったと思います。ですが、赤字先行のスタートアップには銀行借入が難しく、エクイティ直後の資本が厚い状態で借入を実行するという使い方がよくある手法だったと思います。
昨今では、ベンチャーデットという仕組みが出てきて、基本はワラント付融資のためエクイティとデットのハイブリットではあるものの、レンダーによっては条件も様々で盛り上がりを感じています。

-実際に利用を検討された時期(23年12月)は、シリーズDの前とお伺いしておりました。

村上さん:
そうですね、シリーズDをそもそもやるかを含めデット・エクイティの両面で資金調達を考えていました。今はマーケット環境があまり良くないため、業績が伸びていたとしても大きなエクイティ調達をしようとすると希薄化がイシューになりそうだと感じています。
また、現在、スタートアップとはいえレイターステージにもなってくると黒字化の蓋然性が求められてきます。もし大型調達をしたとしても結局大きく先行投資をしてしまうと営業利益が赤字となってしまうため、一時的に赤字を掘ってもその後に黒字化できることを説明する強いロジックやモデルがないと、大規模にお金を集めて使うのが難しい環境だと言えます。黒字であれば基本的に営業キャッシュは積み上がっていくことも踏まえて、短期の投資や運転資金であればデットを活用することで株式の希薄化も起きず事業成長を実現できるので、ヘルシーだと感じています。

-すごく勉強になります。グロース市場の低迷によるマルチプルの低下やPER評価重視の傾向などから、上場直前での大型調達をしたとしても投資を掘ることが難しく、デットの活用が重要になっている背景が理解できました。

村上さん:
そうですね。マクロ環境の悪化によりCompsコンプスのバリュエーションが下がり、つまり投資家のエグジット時のバリュエーションが下がることと同義のため、投資リターンを確保するため投資家がエントリーするバリュエーションも必然的に下がります。スタートアップとしては時価総額がつかないと大規模にお金を集めることが難しくなります。
ただ今の環境では仮にお金を集めても使えるのか?という視点があり、赤字上場が投資家に許容されPSRで評価される場合は、売上やKPIを伸ばせば良いのですが、比較的短期間で上場を考えている会社は時価総額をつけようと思うと黒字を出す必要があるため、何十億ものお金を集めて短期で使うのは難しいと思います。
それでも今の環境で何十億円も集められる会社は強いですし、お金を集められるのであれば急いで上場をする必要性も薄まるため、腰を据えて未上場で会社を伸ばすというのも良い選択肢だと思っています、

-他、レイターの経営者・CFOの方からも、デット活用による上場時期調整のお話を伺うことも多いです。

村上さん:
まさしくデットでブリッジしてIPOを含めた次のエクイティラウンドを伸ばすという方も多いかと思います。M&Aクラウドでは明確に時期を決めているわけではないですが、デットの活用などマクロ環境や自社のフェーズに合わせた資金調達を行うことで事業成長に必要な資金を調達していきたいと考えています。

億単位の規模のベンチャーデットで、このスピード感はFlex Capitalだけ

-Flex Capittalの利用体験はいかがでしたか?

村上さん:
御社の代表の方にもお伝えしましたが、まずそのスピード感に驚きました。融資までのスピードが1ヶ月でめちゃくちゃ早かったです(データ提出1/19→1/24に審査回答→2/16に契約締結)。他社さんのベンチャーデットの担当者とも話していますが、御社が一番早かったです。1ユーザーとして、驚きを感じて、すごく良い体験ができました。
資金調達は非常に時間がかかりますし、エクイティだと半年から1年かかることもあり事務負担もマインドシェアも大きいイベントとなります。それが御社の場合、必要なデータを提出するだけで、とても早いスピードで審査が完了したのですごいなと思いました。

-やはり調達の事務負担やマインドシェアの部分も大きいのですね。書類提出も簡単だと感じられましたか?

村上さん:
そうですね、財務データなどの初期資料と簡単な補足資料で審査が進み、非常に手間がかからないと思いました。ありがたかったです。

-資料提出の手間、審査のスピード、審査後の着金など、どの部分のスピードを一番感じていただけましたか?CFOの方にとってのWowな部分を教えていただきたいです。

村上さん:
それでいうと、資料提出後の審査スピードですね。他社さんと比べても圧倒的に早かったです。数百万や数千万などの規模ならば早い事業社さんはいると思うのですが、億単位の規模でこのスピードが出せるのはFlex Capitalぐらいではないでしょうか。

-審査担当も日々スピード感をもって審査結果をお返しできるように頑張っているので、とても喜ぶと思います。ありがとうございます!

-ご支援後の事業状況はいかがですか?

村上さん:
当初の想定通り、人件費やマーケティング費用に運用できており、運転資金としてうまく活用できています!
アドバイザーの採用面でも、大きく人数を増やすことができています。アドバイザー数でいうと、昨年からすると2倍以上になっております。

-Flex Capitalの利用体験の感想や今後のご要望はございますか?

村上さん:
とてもいい利用体験でした!素晴らしいサービスだったと思っています。
強いて挙げるなら、金額をさらに大きくしてもらえると嬉しいなと思いましたが、期間の要望も柔軟に対応していただけたのでありがたかったです。スピードと柔軟性は素晴らしいと感じました。

-ありがとうございます。金額面でもよりご要望に応えられるように、資金規模拡大や事業成長をしていきたいと思います!

これからのM&Aクラウドについて

-最後に今後の貴社事業のご展望を教えてください。

村上さん:
「テクノロジーの力でM&Aに流通革命を」というミッションを掲げているので、テクノロジーを用いてどうM&Aを増やしていくかを考えてチャレンジしていきます。
まずはデット性の資金をうまく活用しながら、アドバイザーを増やすことに注力していきます。将来的にはプラットフォーム上でお客様同士のコミュニケーションで、M&Aがどんどん成約していくことを目指していますが、まずは地に足をつけてアドバイザーを介したM&Aを成長させていきます。
そのなかで、黒字化するには再現性が重要だと考えていて、そのためにデットの資金が重要だと感じています。
エクイティは、お金を大きく集めることはできますが、同時に新株発行により経営権が流出していく形になります。一方デットは、黒字が出ていれば、資金を借りて売上を上げて資金を返して、次により大きな資金をお借りすることができる。着実に成長するためのサステナブルな資金調達手段だと考えています。
このサイクルは、株式の希薄化が起こるエクイティだと相応に難しいと思います。
今回は、御社から資金調達をさせていただきましたが、数年後に事業成長してより大きな借り入れができるとありがたいと考えています。

-とても勉強になります。こういったデットの重要性や有効活用が、市場環境の悪化によって注目されはじめてきていると感じます。

村上さん:
そうですね。スタートアップにおけるデット活用については如実に盛り上がりを感じております。
ただ、戦略性をもってデットを活用することが重要で、エクイティもデットも一長一短があるため、会社の状態やマクロ環境など総合的に勘案したうえで資金調達手法を決めるべきだと思います。今は、過渡期で、ちょっとしたベンチャーデットブームになっている感覚なので、数年後経ったらレンダーの顔ぶれや融資条件ももう少し固定化してくるのかなと個人的に感じます。
資金調達の方法がいくつかある中で、会社によって事業や財務の状態、相対する市場や競合などは違うため、議論を経ながら、この会社にとってエクイティがいいんだっけ?デットがいいんだっけ?ハイブリッドその他がいいんだっけ?を考えてうまく組み合わせるようになっていけると良いと思います。一概にエクイティが良いとかデットが良いではなく、最適資本構成を考えながらバランスよく運営ができていくと良いと思います。
そのなかで、こういった選択肢ができたことはとても良いことだと思いますし、アメリカでもエクイティ供給総額と比例して、2~3割の規模でベンチャーデットが供給されていると聞きます。日本でもそういった選択肢が増えていることはスタートアップにとってとても良いことだと思います。

-ベンチャーデット市場に関してもCFOの立場からコメントをいただき勉強になります。

村上さん:
あらためて今回、非常に助かったので、今後とも継続してお取引できると嬉しいと思っています。

-ありがとうございます。ぜひ引き続きよろしくお願いいたします!

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