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ハライチ澤部と11人のデヨング

〈注意〉この文章の主題はハライチについてです。

毎週聞いてるラジオ番組がある。それが「ハライチのターン」。1時間ハライチの軽妙なやり取りを楽しめる人気番組だ。そこで度々話題になるのが澤部論である。

忘れがちだが、ハライチは22,3歳でテレビに出始めた。同期芸人(チョコプラ,シソンヌ、アインシュタイン稲田等)と比べても圧倒的に売れ初めが早い。その若さでお茶の間に定着した澤部は天才芸人と言っても過言ではない。

そんな澤部を岩井は「総合力で澤部に勝てる芸人はいない」と評す一方、「誰もプライベートに興味がない」「一番好きって人はいない」と言う。
これを見た時思わず膝を打った。澤部の番組は割と見る。ピカルに始まりしくじり先生、櫻坂の番組‥澤部が面白い事は分かっている。その一方で僕は岩井のエッセイ本を楽しんでいるし、澤部の人となりはラジオを聴き始めるまで詳しく知らなかったし、興味もなかった。

確かにそうだった。現代のインフルエンサー的な人気とは反対にある種類の人気。
じゃあそれって何故なのか?岩井の答えは「実体がないから」だ。
インプットした後、それに一切我をいれずにアウトプットする。それこそが澤部の真骨頂だという。


自分はサッカーもよく見る。サッカーキングっていう雑誌がYouTubeをやってて、そこで面白い事を言っていた。
発言者はサッカージャーナリストの細江さん。
彼が言ったことは「サッカーは将来11人のデヨングで行われるようになる」である。

簡単に説明するとデヨングはオランダ代表のサッカー選手。彼の特徴は高いユーティリティ性。高い技術と判断力で色んなポジションをこなす事が出来る。
今、サッカーの最前線だと全員がマルチタスクをしないと勝てない。守備をしない天才より勤勉な11人が求められる。そんな時代の先はそんな超器用な選手ばかりになるという予想だ。


芸人、もといバラエティでもマルチタスク化は進んでいると思う。立場的な意味でも能力的な意味でも。タレント化に対応した結果、朝から夕方、深夜までどのジャンルの番組でも芸人が出演するようになった。

まっちゃんねるとかドキュメンタル11は逆にタレントを芸人的な土俵に乗せる試みをしている。渋谷凪咲のブレイクは今後のキーポイントになると思う。どんどん笑いがフラット化してく世界で「我がない」澤部はさらに成り上がるのだろうか。

…といいつつ澤部は一度朝の番組のコメンテーターを務たが上手くいかなかった過去がある。(岩井からめっちゃ突っ込まれてる。)しかし、澤部の類い希なる「吸収力」によっていつか克服してしまうのではないか?と思ってしまう。長年のハライチのターンリスナーなら分かるかも知れないが、時折澤部は「岩井っぽい」作り方の話をする。その時違和感と同時に「澤部ってやっぱ凄いんか!?」と感心する。この他のスタイルを自然に自分のものにしてしまう力がマルチプレーヤーたる所以なんだぁと。

サッカーが11人のデヨングになるんなら、パネラーもひな壇も澤部的な芸人が増え、アメトーークが10人の澤部(とホトちゃん)になる日も近いのかな?あるいはもうそうなってるのかな?と最近考えます。

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