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エイプリル・フールに乳がん告知を受けた話①


定期検診

7年ほど前から、人間ドックのマンモグラフィーの検査で「要精密検査」となりはじめた。
1年目は恐怖に飲まれそうになり、神社に何度もお参りした上で検査を受け「石灰化しているが問題ない」という結果に心底安堵。
2年目からは、人間ドックで受けたマンモグラフィーのデータを乳がん専門のクリニックに持っていき、エコーと触診でダブルチェックを受けるのがルーティーンとなった。
そのクリニックでは、半年に1回、エコーと触診による定期検診があり「だいぶ(石灰化が)賑やかだけど大丈夫」という医師の言葉に、安心しきっていた。

今年1月に人間ドックを受け、3月にいつものようにデータをもって定期検診へ。当然ながら、さらっと終わって帰れると思い込んでいたけれど、事態は異なった。

細胞診検査

「ここのね、右胸の5ミリくらいの、気になるね…。細胞診検査をしよう」

今までになかった顔つきで、先生がエコーにうつったものを指さす。

注射であやしい部分を刺したらしく、声が出ないくらいの痛さで、奥歯をかみしめた。
結果は1週間後となり、その不安もあったけれど、3月に転職したばかりで新しい環境の中で覚えなきゃいけないことが大量にあり、身体のことだけを考えるようなことはなかったと思う。

告知

1週間後のエイプリル・フール。

座るなり

「がんだった」

と、先生に言われた。

え??????????
がん????? 

先生は「今日は生検をしよう」と説明をはじめてくれたけれど、動揺のために言葉が入ってこなくて

「え? あの、わたし、がんなんですか?」
と聞いてみたけれど

現実が変わるわけもなく、泣きそうになった。

先生は「そのシューズいいねえ、ぼくも買おうかな」とか、懸命にはげましてくれようとするけれど、不安に押しつぶされ、もう言葉が出てこない。

生検検査

その日は胸に麻酔をしたため、痛みはまったくなく「バチン! バチン!」と音だけがして(怖くて見てない)
検査結果をまた1週間後に聞きに行くことになった。

5ミリくらいのものだから、まわりを含めて部分切除の手術をすることになると説明され、頭の中がまっしろのまま帰宅。

親に電話で報告。
初めて泣いた。

その日、「坂本龍一氏逝去」のニュースが流れ
レジェンドが亡くなってしまった喪失感よりも、その命を奪った「がん」が今自分の体内にあることが怖くてたまらなかった。

正月に観た、NHK「坂本龍一 Playing the Piano in NHK & Behind the Scenes」。
あの演奏を観ている間、「がん」は遠い話だと思っていたのに、
実際には自分の中で少しずつ大きくなっていたのだ。






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