つわり。産婦人科医からお勧めの治療法あります。
妊娠初期から悩まされるつわり。
昔から辛い妊婦さんは多いはずなのに 画期的な治療法が無い現状。
妊婦さんへの実験、研究はなかなか安全にできる方法が無いので進まない。
サリドマイド事件(サリドマイドはつわりによく効く薬だったんだけど、催奇形性が後に明らかになり妊婦には禁忌となった、今は別の疾患:骨髄異形成の治療薬として有用で、臨床的には使用されています。)の様な不幸もある。(ノーベル賞を受賞した野依良治先生のお陰で創薬においてキラルを選択できる様な時代になってきたと思います。)
さて、日々の臨床で感じるつわりの治療について知っていること、思っていることを書き留めます。
まず最も大事に思ってほしいことは、つわりがどんなに酷く、飲食がほぼできない状態でも、その間の胎児の成長にはほぼ影響が無い、ということ。
(つわりがある妊娠では赤ちゃんは概して大きく生まれるが、重いつわりだと赤ちゃんは小さく生まれる、という報告はある。(2022.4)
どうやらつわりが収まった後も妊婦の体重が伸び悩むことが原因のよう。嘔気がずっと続いて栄養失調のままだったりするのかも。逆に今まで食べられなかった分、つわりが落ち着くとどんどん食べて体重が増えすぎてしまう方もいるので、注意です。)
つわり、どうしたら改善するか、できる限り以下に記す、
少しでも楽しい妊娠生活になることを願って。
つわり対策:
① 人によって気持ち悪くなるにおい、食べ物、場所が違う。
→ ので、自分で気づいた原因は避けてほしい。
② マルチビタミンがつわり症状に効く、といわれる。つまりいわゆる規則正しい偏らない食べ物、てこと。でもつわりは食べられるものが少ない。
→ 辛いときは自分を許す、甘やかす。なんでもいい、食べられるものを食べてほしい。
私の診てきた方々だと以下の様な声を聞くことが多かったです。
・まさかと思ったけど午後の紅茶なら飲めた。ミルクティー、激甘なのにね。
・午後の紅茶はストレートティーもOKだった。
(他の悪阻入院の方にも勧めてみたら、飲める方多かったです、午後ティー。)
・炭酸。マックポテト。
・小さいころに食べたおうちご飯。母がよく作ってくれたもの。例えば昔よく作ってもらったクラムチャウダーはどんなけでも食べられる、という人もいた。
妊娠中は良くないといわれるカフェイン飲料は怖い、とか思うかもしれない。そんな患者様によく話すのは、昔の人は緑茶を飲んでいた。緑茶はむしろカフェイン含量が多いものが多い。またインド人は妊婦でもカフェイン含む香辛料を使った料理を食べている。つまり過度過剰でなければ0でなくてもいいんだよ、ということ。
妊娠生活、楽しんでほしい。完璧を目指してもいいけど、お母さんの精神的幸福感も育児には必要だと思う。
因みに、つわりに効くと論文で証明され、アメリカでは薬として処方もされている食材はショウガです。ガリとか、生姜湯とか、ジンジャエールとか・・・正直どれも患者様でイケた、という方はいなかった。
あと教科書的には、つわりの吐き気にはビタミンB6がよい、といいますが、今時 妊婦用サプリ(葉酸サプリも含めて)には大概B6入っています、一度ご自分のサプリの内容も確認してみてください。
③ 漢方
漢方、生薬は妊娠中でも飲めるものの多い古来からの薬品です。
よくあるつわりに効く漢方は
・半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
・小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)
・半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
・人参湯(ニンジントウ)
など。でも病院で処方される漢方は粉末で量も多く、におうので、気持ち悪いのに結局飲めないことが多いです。
ここからが、重要。
なので、私の患者様には次のことを勧めていて、今のところ殆どの方が大分ましになった!といってもらえ、一番効果を実感しています。今では自分のつわり妊婦患者全例コレ試してもらってます。
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