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公共側(担当者)から見たPPP/PFIのデメリット③業務量を減らせない

ちょっと違う視点からのデメリット

デメリット三つ目です。

既に上げたデメリット「①怖い」、「②目立つ」は、つまるところ「すげえめんどくせえ」ということにつきます。

「③業務量を減らせない」は少し視点が違うかもしれません。というか、使用発注ではなく性能発注ですし、比較が難しいんですが、これは正確に言うと「③(委託)業務量を減らせない」ということです。すいません、あんまりいい表現ではありませんでした。

毎年、運営・維持管理の予算取りと契約のために割いていたクソ面倒くさいどうでもいい事務作業は、特にサービス購入型のBTO方式だと減るので役所の仕事は楽になります。

「削れって言われも削れねえよ」

以下は典型的なBTOのサービス購入型を想定します。

PFI事業って将来にわたって15年も20年も同じ業務量で民間事業者と運営・維持管理業務をお願いしちゃうわけです。

契約期間の途中で財政部門に「来年度は歳入微妙だから、担当者君の部署の歳出を〇〇な分だけ削ってね」と言われてもカジュアルに契約変えて業務量を落とすことで歳出を削る、ということができないです。

意識が低ければ、適当に削って予算要望出せばいいやんという話ですが、これを担当者からのデメリットとあえて書いたのは、突然お金ないから削れって言われて私が困ったことがちょっと前にあったんですね。

はい、皆さんもご経験したコロナウイルスの流行です。

突然、前年比〇%で削れやと言われて大変苦労しました。幸いPFIとか包括管理業務委託みたいに複数年の契約はちょっとしか持っていない部署だったんですけど、指定管理の分の歳出は何ともならなかった気がします。

突然削れって言われても、これまで剪定できてなかった木がいっぱいありすぎて、既にやばすぎるんだがっていう。

結構クリティカルなデメリットな気がする

この、途中で役所の都合で年度途中に契約変更かけて安くすることができないっていうのは、財政の硬直化を招くということで結構きつめのPFIに対する批判のように思ってました。

というか、「PFIにするとVFMが出るんや!安くて質のいいサービスができるんや!」と国・企画部門・コンサルは煽ってますが、使うお金の額が長期にわたって固定されちゃうじゃんっていう。

運営・維持管理を業務範囲に含み、役所からのお金で運営するサービス購入型の事業を特に念頭に置いているんですが、これはどうにもなりません。いざというときに必殺技の先送りができません。削ることができなくなります。

そもそも、財政がやばいから(実質的にはどんだけ安くなったか的な参照しかされていない)VFMが出るPPP/PFIにするんやという話だったんですけど、別の角度から財政を締め付けるという要素は確実にあります。

煽ってる側はみんなうすうすわかってるはずでは

この点は、昔の国の資料だと直球でPFIのデメリットとして書かれていて、最近は触れられないか、あるいは「長期的な契約への配慮が必要」というマイルドな書き方がされる傾向にあるような気がします。

こちらの傾向が違ったら教えてください。

あと、別件の会計検査院の指摘はまっとうですよね。

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