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詩| テンプレ

僕たちは何も持たなかった
漲ったものも乾いてしまうし
結んで開いた拳の中には琥珀色の生命線
占いを信じないのは最大限の抵抗で
最小限の夕焼けがずっと縁取っているせいで
通学カバンの内ポケットに入れっぱなしにしてきた青春
ダウンジャケットのフードの裏でまだ春を探すいたずらな温度

僕たちはいつも待っていた
夢で見た約束の既視感
一世紀前の海原を知っている気がする
君を愛している、それが嘘になるまで
君を愛していた、それはいつまでも本当で
惹かれ合った二人はきっと前世でも同じ言葉を交わした
失ったものを待つ人生でどれだけ違う花を咲かせるか

僕たちは詩を忘れてしまった
ライカを提げて虹の麓を目指すような
すれ違う野良猫さえも警戒を怠る夜更けに
叫びたいのは正しさに似た自分の肯定で
甲斐無くテンプレートに押し込めたところで
近況報告はほどほどにして変化に名前をつけて聞かせて
大団円のさようならが楕円軌道で巡っているから