香料業界分析1、高砂香料工業株式会社

日本の香料業界で言わずと知られた日本のトップメーカーです。

グローバルでのランキングでもトップ10に入っており海外拠点も多いです。

東証1部に上場していることから社会的信用度も高く、就職活動でも目に留まり易いと思います。

早速に有価証券報告書を見ていきます。

2019年3月末での数字を読み解きたいと思います。
連結売上1505億、単体654億
連結純利益47億、単体34億
連結利益率3.1%、単体利益率5.2%

2015年3月期
連結売上1316億、単体586億
連結売上25億、単体20億
連結利益率1.8%、単体利益率3.4%

立派な成長ですね。
単体の利益率5%は優秀。
連結の方が低いのは先行投資的な位置なのかもしれません。

次にセグメント、地域別に見ていきます。
セグメントはフレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ、ファインケミカル、他の5つ。
906億:フレーバー
391億:フレグランス
128億:アロマイングリディエンツ
64億:ファインケミカル
14億:その他
※アロマイングリディエンツは高砂香料特有のメントールなどの合成技術、素材です。

素材の特有性から自社使用だけでなく同業売り、最終材メーカーに販売していると思われます。

続いて地域は日本、アメリカ、他

657億:日本
199億:アメリカ
648億:その他

日本の数字が大きいですが、それ以上にその他大きすぎる。

きっと200億未満で中国が入っているのだと思い調べたところ、どうやら中国ではなくヨーロッパみたい。

2008年ごろの資料まで遡るとヨーロッパはフランス、ドイツ、スペインで150億。
アジアはシンガポール、中国、マレーシアで70億。
となっている数字を見つけたので、中国の爆上げというより、欧州の成長というところでしょうか。

かなりザクッと書いてみましたが、第一弾なのでこんなところで。

(19.12.29追記)
研究開発費は122億で売上比で8.1%です。アサヒホールディングスの123億5.6%と比べて大きい事がわかります。
この辺を見ても面白いかもしれないです。

まとめ
・フレーバー、フレグランスに依らないファインケミカルなどの事業を持つ
・メントールなど高い合成技術をもつ
・香料の本場、ヨーロッパにも進出している日本の香料会社

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