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“管理栄養士”を目指している方に知って欲しい事実~パート2-2~

こんにちは!
新年、明けましておめでとうございます。
昨年末から書き進めておりましたが、更新が年をまたいでしまいました…。
今年もどうぞ、よろしくお願い致します。

今回も「就職編」の続きで、2社目の体験談をお話ししたいと思います。

約3年間、委託給食会社でお世話になったので、そそろそろ“管理栄養士”の仕事を学びたいと思い、2社目は老健(介護老人保健施設)と病院の併設施設に転職致しました。

老健はリハビリを通して在宅復帰を目的とする施設なので、3~6ヶ月程度の短期入所がほとんどです。しかし、短期間でリハビリが完了するケースは多くないため、1年以上入所している方もおられます。
また、認知機能が低下している方専用のフロアーがあったので、認知症の方への関わり方、食事介助などの経験も積ませていただきました。さらに、ショートステイやデイサービスもあったので、イベント食やおやつレクなどの行事が盛り沢山でした!

この施設は厨房が病院にあるため、老健のお食事は車で運んでおり、尚且つ社員食堂もあったので食数は1000食を越えていました。
さらに、委託給食会社が入っていなかったので、直営という形で運営しておりました。

配属は病院管理栄養士3名、栄養士1名、老健管理栄養士3名の合計7名。名目上「病院」「老健」と別れていましたが、どちらの仕事もしていたので食事の時間には両者とも見回りが必要です。

業務内容は、老健管理栄養士の場合、おやつ提供、レク、デイのイベント食計画、行事食の献立作成、フロアーの行事食、栄養ケア計画、経口維持加算計画、各会議など。
病院管理栄養士の場合、栄養ケアプロセス、経腸栄養剤の用意、治療食の提供、栄養指導、各会議など。
栄養士は、献立作成と発注を行い、病院管理栄養士が確認。
※管理栄養士と栄養士では、業務が分かれていました。

ここの施設長の考えは、「老健は味重視」、「病院は治療食重視」でした。
老健の入居者は病気を抱えていないので、味の薄い美味しくないものは提供しない。しっかりと味を付けた美味しいものを提供。栄養価計算は有って無いようなもの状態…
気持ちは分かるけど、良いのかなという後ろめたさは抱えていました。
料理長に作り分けをしているのか確認したところ、「そんな大変なこと出来るわけが無い!食数が多すぎて追い付かない。それに、同じメニューだから病院用と混ざったら取り返しがつかなくなる。別メニューは社食だけで十分」とのこと。
料理長が理解ある方で本当に良かった。
栄養士が心配するアクシデントを想定できる方は貴重です。



私は厨房から離れたくて施設側に転職をし、尚且つ面接時に「厨房業務なんて一切ないから、入居者さんのためにレクや栄養管理などをお願いするね」と言われたのに…
フタを開けてみれば委託がおらず、直営なので8:2の割合で厨房に時間を取られていました。
仕事は楽しいしやりがいがある。フロアや病棟の見回りで学びも多く、今まで出来なかった栄養指導や経口維持計画、経腸栄養にも携わることができた。でも、どこか違和感が拭いきれない…そう、厨房業務がある限りこれまでの延長線。転職した意味がない。という葛藤を繰り返しました。

厨房業務があるということは、当然夕食の配膳が終わるまでは厨房業務や食事の見回りに時間が取られ、入居者関連の業務は19時以降からしか集中できない。帰宅時間は深夜2~3時なんてザラ。何と言っても、病院と老健の建物が離れているから、1日に何往復もして時間と体力のムダ遣い極まりない。

覚えてる範囲で1日のスケジュールを示すと…
7:00 出勤
~15 朝食検食&検食簿記入
~30 昼食献立の数出し&貼り出し
8:00 補助食、自助食器、食札諸々準備
9~10時 フロア見回り、随時納品受取&収納
     オーダーチェック、デイチェック
11:00 盛り付け、検品、配膳
12:00 フロア・デイ見回り、社食チェック
     夕食献立の数出し&貼り出し
13:00 休憩 (検食・検食簿記入)
14:00 おやつ、夕食の補助食諸々準備
14:30 おやつ配膳
15:00 フロア&デイ見回り
16:00 栄養士業務 (検討会議等あり)
17:00 盛り付け、検品、配膳
18:00 フロア見回り、検食・検食簿記入
     朝食献立の数出し&貼り出し
※ココ定時
19:00 栄養士業務スタート

これでは身が持たないし、管理栄養士としてのスキルアップは見込めないと判断。更に、料理長から「ここに1年居たら時間を無駄にする。賢い人はすぐ辞めるから、あなたも良く考えた方がいいよ」と意外な助言を頂いたので、半年で退職。

たった半年、されど半年。
この半年は実に濃い時間でした。
入社1ヶ月で2人の先輩が辞めてしまい、未熟状態で一人立ち。マニュアルが無いので病院管理栄養士に聞いても「老健のことは知らない」と…。
マニュアルを作りながら、厨房業務をこなし、300名程を一人で管理。数ヶ月後には病院管理栄養士も2人辞め、管理栄養士不足に。入社しても1ヶ月未満で辞めていくので悲しかった。
「一層のこと、全員で辞めちゃう?」と真剣に話したこともある。もう体力的にも精神的にも全員限界は越えていました。

辞めたいと思ったもう一つの理由は…
「経口維持加算となる対象を探して、もっと人数を増やしてきて」という言葉。
…それ、どういう意味ですか?いつまでもご自身の口から食事をして頂きたくてサポートする取り組みではあるけど、むやみに形態を下げて使える機能を使わなかったら使えなくなるってこと…ご存じですよね?
と言いたかった。
「加算を取ればあなたの給料に反映できるから」と言われたときは、目の前が真っ暗になりました。
私は反抗して本当に必要な方のみにしか声をかけず、ナースやSTと相談をして、むやみに人数を増やすことはしませんでした。

ある日、老健に管理栄養士が入ってくれたので、全ての業務をきっちり伝え、マニュアルも渡し、完璧な一人立ちを見届けた後、退職させていただきました。

「立つ鳥跡を濁さず」
辞めることで皆さんに迷惑をかけるのに、こんなありがたい言葉をかけていただけるなんて、感謝しかないです。

老健&病院を通して“知って欲しい事実”
1.直営施設は殆んど厨房に時間が取られる
2.面接時、委託業者の名前をしっかり確認し
 ないと、痛い目に遭うかもしれない
3.経口維持加算についてしっかり理解する
4.やはり、厨房においてパートさんほど頼れ
 る人はいない
5.各フロアで最低1人は仲の良いナースを
 作り、常に情報共有をする
6.入居者把握のため、定期的にカルテは読む

以上が半年間の学びです。
ここまでのお付き合い、ありがとうございました!
何かお役に立てられると幸いです。

次回は3社目(現職場)の内容を綴ります!







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