AIMI HIRABAYASHI

思いついた言葉の貯金箱

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ビター

ドーナツと一緒に  メロンソーダではなくて  コーヒーを飲むようになった  小4の夏 自転車で 図書館に行って本を5冊借りたあと 帰り道に店に寄って食べるのは 決まってドーナツとメロンソーダで。 甘いドーナツと甘い緑のシュワシュワが大好きだった あれから何年経ったかさだかでないが、 25の晩秋 11月なのにどこか夏のような外の景色を見ながら 今ではコーヒーを飲むために ドーナツをつまんでいる ドーナツもできるだけ 甘さ控えめ  コーヒーは まだミルク多めの

    • 春に咲いた椿

      地面にポトリと自身を落とした夢を見て起きた そして、また朝が来たのかと思った みんなは もういなくなった街の中で  私だけが 苦笑いを咲かせている 私の咲くはずだった季節はもっと 風がチクチクと痛いのだという 厳しい風に吹かれ しんしんと降る雪に濡れるこの花が なんとも 美しく 儚いらしい でも今、身体にあたる風は 穏やかで温かい だから みんな私をまるで桜みたいに扱う 君は幸運だ 恵まれている めずらしい そう言いながら 摘み取るのは