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ニンジャスレイヤー二次創作:【ネオサイタマ、イグナイト宅:シルバーキー】新たなヴィジョン

この記事は本家スレイトよろしく、更新分のみを表示するためのものです。
過去分は上記の本体記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。


** スレイトに新たなヴィジョンが映し出された **


【ネオサイタマ、イグナイト宅:シルバーキー】

 所狭しとパンク・アイテムで満たされた安アパートの一室で、シルバーキーはキッチンに向かっている。「お前、いいからもう帰れよォ……」「そういうわけにもいかないだろ。……ちょっとは落ち着いたか?」シルバーキーは、狭いリビングに倒れるように横になっているイグナイトを見やる。その呼吸はやや荒い。

「全部あの女が悪ィ……バケモンが……」「レッドハッグ=サンと飲み比べとか、無茶だぜ……」「アタシはただ……フツーに飲んでただけだし……アイツがいきなり絡んできやがッて……」

 ……これまでの断片的な情報から、おおよその想像はついた。大方、バーでイグナイトという珍しい知り合いを見つけたレッドハッグにからかい半分で焚き付けられ、見事彼女のペースにも酒にも飲まれてしまった……といったところだろう。イグナイトが下戸というわけではないが、さすがにあの人が相手ではなと、シルバーキーはナベの様子を見ながら実感の込もった苦笑を漏らした。

 元はと言えば、IRCにイグナイト発のわけのわからないメッセージ(酔った勢いで送ったものらしい)が届いたのが切っ掛けだった。何かあったかと様子を見に行ってみると、玄関ドアの前で突っ伏している彼女を発見したのだ。そして介抱すること数時間。ようやく具合もマシになってきたといったというところである。コンロのツマミをひねり、火を止める。

「ほら、オカユ作っといたからな」「いら……いや……後で食う……」「調子戻ったらちゃんと食べるんだぞ。こっちに水もある」「ガキじゃねェんだよ……」……事実、これは紛れもないお節介だ。あのまま玄関前に倒れていたとて、結局はどうにかするだろう。自分などより余程強いバイタリティの持ち主なのだから。しかし、やはり……そうは言っても放っておけぬ性分なのである。

 例えただのお節介だとしても、自分が助けなくとも、最終的な結果が何も変わらないとしても……苦しんでいる相手がいれば、手を貸し助けたい。それが知らない仲でない彼女であるならば、なおさらだ。自己満足でもかまいはしない。……とは言え、もう頃合いでもあった。好意や親切も、度が過ぎればシツレイに当たることを、シルバーキーは知っている。

「……ぞれじゃ、行くぜ」「ハァーッ……アー……礼は言わねェけど……借りは……返すからな……」「楽しみにしとくよ。しんどかったらまた連絡してくれ」「絶対しねェ……」

スシが供給されます。