冬だ!ニンジャスレイヤーエピソード投票2018:作品コメント&次点エピ紹介置き場

現在開催されているニンジャスレイヤーエピソード人気投票のコメントをつらつらと書いていく場です。ツイートには到底収まりきらないのだ!
次点エピ紹介もあるよ!


【コールド・ワールド】

第四部シーズン2のはじまりのエピソード。
リアルニンジャの驚異、海の男達、シルバーキー、ゾーイ、過冬、内なるナラクの声、そしてあの時の記憶……終わってみればまさにシーズン2を構築する全ての要素が散りばめられていたと言っても過言ではない密度でした。
個人的に好きなポイントとして、それまで些か掴みどころのなかったマスラダ・カイという男の人間性がゾーイという少女の存在を通してクリアになってゆき、破滅的な復讐者としてのニンジャスレイヤーではなく、恩義ある者たちを救うために戦うマスラダ・カイとしてのニンジャスレイヤー像の第一歩がここで大きく示されています。
そういう意味でも非常に印象深く、好きなエピソードですね。
「そうか。貴様らは法律か」「殴りがいがありそうだな」という名言が飛び出したことも個人的に外せません。あらゆる意味でマスラダ・カイというキャラクターが新たなスタートを切った瞬間であったと思います。


【アルター・オブ・マッポーカリプス】

第四部シーズン2をしめくくるエピソード。
リアルニンジャ達の現出、シンウインター、そしてサツガイとの決着……。
全ての要素が収束してゆく様はワザマエとしか言いようがない。
そしてついにマスラダのあの日の真実の記憶が明らかになるわけですが、ここで当のマスラダが全く動じず、必要なプロセスとして決意とともに受け入れているという流れが滅茶苦茶好きです。
これ以上ないほどに彼の成長が描かれ、そしてエピローグでは……。
長きに渡って「ニンジャスレイヤー」という作品を読み続けていると、どうしても「この作品はこういう作風だからこうなるんじゃないか」的な目で見てしまうのですが、それをものすごくいい意味で裏切ってくれたな、と思っています。
作中における「ニンジャスレイヤー」という存在にしてもそうですし、マスラダとコトブキの関係もまた然り。
シーズン2だけでなく2018年のクライマックスを飾るエピソードとして最高の内容でした。ゴウランガ!


【フォ・フーム・ザ・ベル・トールズ】

女子高生!収容所!
あそこまでのインパクトを叩き込まれては票を入れないわけにはいかない!
っていうかこれ2018年のエピソードだったのか…なんかもう数年以上前から知ってたような気がするぐらい自分の中にガッツリと刻まれてるんですけど…!
プラス限定エピソードでありながらツイッター上での掲載までこぎつけたというあたりからもその破壊力が伺えます。そう、破壊力だ。
ラリッているとしか思えない展開の半面、女子高生性というものに対しての切り込み方の鋭さがハンパではありません。
サイバーパンク都市に生きる彼女たちのリアル、ある意味ニンジャよりも余程恐ろしい背後に見え隠れする闇…ある意味ニンジャスレイヤーという作品をこの上なく象徴しているエピソードと言えるでしょう。
三部以降の時系列におけるヤモト=サンの姿を堪能できる貴重なエピソードでもあります。彼女はやはり紛うことなきヒーローだった。


【クルセイド・ワラキア】

第四部シーズン2へと繋がるフジキド主役のプラス限定エピソード。
シーズン1でも相まみえたレッドドラゴンことブラド公とその本拠地であるネオワラキアが舞台となった長編ストーリー。
そのボリュームと熱量たるや本編に対しての外伝どころの話ではなく、
劇場版ニンジャスレイヤー~サツバツナイトVSレッドドラゴン ネオワラキア大決戦~
とでも言うべきアトモスフィアに溢れています。
数多くの登場人物、ニンジャとモータル、敵と味方…懐かしいあの男…様々な思いが交錯し繰り広げられるドラマとイクサ! その全てが見所と言っても過言ではない!
完結までに約一年を要したのは伊達ではありませんでした。
プラスに加入したならまずこれを読め!と胸を張って言えるほどの名エピソードです。
謎に包まれていた名鑑ニンジャ、ツインテイルズ=サンも出るよ!カワイイヤッター!!



ここからは入れたくて仕方なかったけど悩みに悩んだ結果次点扱いとなった推しエピソードの紹介となります。多い!けど仕方ない!


【ドラゴン・インストラクション】

第四部シーズン2の8話。
決してスムーズには行かなかった新旧主人公の交流。
しかし不器用ながらマスラダの行く末を案じ、先代としての務めを果たそうとするフジキドの姿はやはり人間性に溢れるものであり、ヘッズの心を確かに打ってくれるものでありました。
そしてそれはマスラダも同様で、境遇も性格も何もかもが違いながら、ある意味では似た者同士とも言える互いのパーソナリティを引き立て合う良質な内容であったと言えます。
シンウインターやザルニーツァといった過冬サイドにも大きく踏み込まれ、シーズン2のクライマックスへの橋掛かりとなるエピソードとしても見逃せません。


【ライフ・アフター・デス】

第四部シーズン2の2話。
リブート・オブ・スーサイド!
シトカに乗り込んだ一人のニンジャとの激突を通して、彼はついに死せることをやめたのだ!
待ち望んでいたショーゴーの覚醒、止まっていた時間が動き出すまでの解像度の高さがたまらない。
こういう王道展開をきっちりやってくれるのがいいですね本当に。
そしてソウカイ・シックスゲイツの参戦、さらにはネオサイタマで動き出すフジキドやシキべ=サンなど大きなピースが続々の目が離せないエピソードでした。
みんな大好きブルハウンド=サンも初登場だよ!


【ポッシブル・ドミネイション】

第四部シーズン2の4話。
おそらく結構な人が【スケベ・ドミネイター】で覚えてしまってそうなあのエピソードだよ!
何がスゴイってサキュバスという名前でここまで真っ当にカッコイイ男ニンジャを描き出したボンモーのワザマエに感服するしかなかったこと。
そしてニンジャスレイヤーという作品はシリアス側に傾きすぎることを常に良しとせず、何かしらのトンチキ要素を入れてくることでも定評のある小説ですが、ここまで直球かつ豪快にそれをやってきたエピソードもそうはないと思います。
内容そのものももちろん見所満載なんですが、個人的にはこれを書きあげるに至ったボンモーの作家としての技量や度量に敬意を表したい勢いですねー。


【ドラゴン・ドージョー・リライズ:奮闘編】

まさに奮闘という言葉がふさわしいユカノメインのプラス限定エピソード。
何が好きって、ニンジャスレイヤーとしては珍しく悪人が一人もいないんですよね。
ベンガルタイガー=サンも乱暴ながら筋を通す堂々としたカラテ者ですし、ともすれば全てのヘイトを押し付けられそうな役回りのアマ=サンも、彼なりの功名心と善意に突き動かされていただけのどこにでもいるモータルの姿として描かれ、彼が本来持つ良心に応えるような結末を迎えます。
爽やかな読後感が素晴らしい良質な外伝エピソードと言えます。オススメ!


【ガイオン・エクリプス】

オイランドロイドの身体で目覚めたシキべ=サンが主役のプラス限定エピソード。
クルセイド・ワラキアと双璧を成す(と個人的に思っている)長編で、単なる四部シキべ=サンの前日譚というだけではない濃厚な陰のアトモスフィアが満載のノワールなエピソードとなっています。
キョートの光と闇、そしてこの世界の理とも呼べる深淵にすら大きく手を伸ばさんとするスケールの大きさは特筆モノ。
全体を通しての重要人物となるコヨミ・ウサギ=サンのルーツは物理書籍第三部三巻『キリング・フィールド・サップーケイ』に独占収録されている『ザ・ブラックハイク・マーダー』にあります。ご興味があり未読の方はそちらも是非。


【デッド! デダー・ザン・デッド!】

三部終了から二年後の未だケオス渦巻くネオサイタマを舞台としたプラス限定エピソード。
ヤモトVSゾンビー軍団!
B級映画のようなアトモスフィアを漂わせながらも、ヤモト=サンに宿る強大なシ・ニンジャソウルの本領が垣間見える印象的なエピソードでもありました。
個人的には最後の最後でネオサイタマの人々を守るために共闘していたフジキドとイグナイト=サンのシーンが滅茶苦茶好きで、イグチャン好きな自分はそれだけでウオオーッとなってしまうぐらいの衝撃を受けたんですよね…。
こういった細かい描写が作品としての強度を上げてくれていると実感します。


【ネオサイタマ・アウトロウズ:ノー・ワン・ゼア】

ニンジャが出て…こない! 殺…さない!
ネオサイタマで生きる一人のソウカイヤクザ崩れの男にフォーカスが当たった異色のプラス限定エピソード。
その半生を事細かに綴っていく解像度の高さ。
イクサもなければゴアもない…いや、そこには確かに一人の男のイクサがあったのだ!
異色でありながらニンジャスレイヤーという作品を端的に現したエピソードであることは間違いなく、その筆致に脱帽するほかありませんでした。
おお…ゴウランガ!!

スシが供給されます。