拭きスジのありがたさ

 拭きスジってわかりますか?
 主にガラスとか、つやのある平面をぬれた布で拭いたときに、ほこりと油と洗剤が混じってできるあれです。
 私は、あんなもの、もう1回ふかないといけないわけだから、ないほうがいいと思っていた。もちろん、さっと拭いたら一度できれいになってほしいというのが人の心というものだが、それはなかなか難しい。

 しかし、最近拭きスジのことをある意味でありがたいもの、というか、拭きスジが出るのは吉兆だと思うようになってきた。
 そもそも、あれはどういうものかというと、浮かんできた汚れだ。だから、拭きスジになった時点で、汚れが元の場所から浮いた証拠なのだ。拭きスジは汚れが取れかかっているシグナルといえる。
 だから、もうメラミンスポンジでガリガリ削ったりしなくてもいい。やわらかくなっているから、乾いたふきんや紙で簡単に拭き取れる。
 ね、まあ、悪くないでしょ。

 ところで、拭きスジを拭き取ろうとしてこすってみたとき、べたーっと広がることがある。この場合、水気や洗剤が足りないので、スプレーやぬれた雑巾などで足す。

 ここで、ぬれた布や紙でふきとろうとしても、液体をあまり吸収しないから、汚れは面を移動するだけで、完全に取り去るということが難しい。

 このように十分に準備ができたら、最後に、(ただちに)乾いた布や紙で拭き取る。
 私はほんとうに最近から拭きに目覚めた。以前は、水拭きですべての汚れが落ちて、早く乾かすために拭くのだと思っていた。食器洗いからの連想である。
 たしかに、汚れと洗剤の混合物は、水道でじゃーじゃー流してふきんで水分を取れば一番かんたんだが、電子機器はそうもいかないことがある。

 そういう場合のから拭きには、汚れの混じった液体(拭きスジ)を完全に拭き取るという重要な役割があったのだ。余分な液をとるには、液体をより多く吸収できるから拭きが一番なのは明らかだ。
 というわけで、最近はガラス拭きスプレーとかやったあと、真面目にから拭きをするようになった。
 マイクロファイバーふきんの右側をスプレーで十分に濡らして拭き(汚れが拭きスジになったら)、ふきんを持ち換えて、左側の乾いた面で完全に拭き取り、磨く。水分が多いときはふきんの乾いた面を2段階にわけて使う。
 スマートフォンなどはこれがよい。

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