『バイポーラーワークブック』:躁うつの兆候

バイポーラー(双極性障害)ワークブック―気分の変動をコントロールする方法(Amazon.co.jp)を読んでる。

問題:
「何もかも苦闘のように感じる」
「音やわずらわしい人が気になる」
「ほかの人といて居心地が悪い」
「爪を噛むといった神経質な行動」
「より思考的になる、精神的に敏感で俊敏になる、集中力がなくなる」
これらは躁・うつどちらの症状でしょうか?

答えは、すべて軽度の躁(注意: これは例である。ふつうは他の症状もあり、それも勘案しないと結論は出せない)。

「より思考的になる」とか「短気または不安」とかも書いてあって、意外だった(「苦闘」は一体何が言いたいのかよくわからないけど。タフな戦いって感じ?それともメランコリックな感じ?)。

例えば、僕の場合、本が読めないのは、どちらかというと、うつによる思考力の低下と判断していたが、軽躁状態だった可能性もある。
そういうふうに、そうか、あれは躁状態だったのか、と思わされる症状がいくつかある。

この本に挙げられている一般的症状によれば、研究さぼって、マンガ喫茶で過度に集中し、一晩中マンガを読みまくったりするのも、躁/うつでいうと、躁側のことだったと言えそうだ(そう考えると、他にも辻褄があうことがある)。

よくいう、うつの典型的症状に「楽しいはずの活動が思ったほど楽しくない(楽しみの減退)」や「易疲労性」っていうのがある。それで、マンガ喫茶の件も「研究が楽しめないから、動かなくていい(=易疲労性)マンガ喫茶に逃げ出していた」と解釈してたのだ。
ただ、その割にマンガ喫茶にいる間はそれなりに楽しめるし、むしろ熱中していたので、謎だったのだ(単に精神的に正常だっただけという可能性もあるが、他にもいろいろ不健康な部分があったので、それはないと思うけど)。

「集中できない」というのはどうも躁・うつどちらでもあり得る

「集中できない」というのはどうも躁・うつどちらでもあり得るというのがポイントなのかもしれない。つまり、そこを基準にすると、自分がどっち向いて悪化しているのか把握できないということだ。
僕がよく躁うつを見分けられずに混乱してしまうのはこの辺に原因があったみたいだ。本が読めないことは僕にとって重要な指針だけど、それだけでは規模しかわからないのだ。

他にもプログラミングにのめり込みすぎて、メシや身だしなみに気を配れなくなっちゃって、昼に起きては、早朝に気絶するまでプログラムを作りつづけてを繰り返すような生活になっちゃったり。入れようとすれば躁のエピソードとカウントされうるかもしれないエピソードは結構たくさんある。

これら、これまで「うつ」か「趣味への没頭癖」に分類していたものを精査すると、こちらから双極性障害と言い出したのに、そうかもねとあっさり認められると逆にそんなに簡単に……と納得できず幾つか引っかかっていた部分がすんなり納得できる気がした。

双極性障害の躁病のエピソードは、本人が気づかなかっただけか?

つまり、双極性障害の躁のエピソードは、実は本人が気づかなかっただけで結構以前から繰り返されていたのではないかということ。

それから、症状は抗うつ剤によってだけ起こされたものてはないこと(うつ病の治療開始前にもエピソードがある)。

ところで、この本、日本語文がひどい。機械にかけなみたいに直訳してるのは、専門書だからしかたがないかもしれないが、そのわりには専門用語の訳語もいまいちな感じで。
それとも原著がこの調子なのか?英語が読めるなら、原著を読んでか確認したいと思うレベルだ。

ただ、まあ、自分ひとりで、あるいは家族と、治療計画を練ったりするには色々と「ワーク」(教科書の練習問題みたいな感じ)がそろってて、そこだけ読むだけであっても有効だと思うので、それなりにおすすめです。カウンセリングを受けるのを考えたら安いし。

それから、バイポラーの本だけど、生活改善とか認知のゆがみの改善にもかなりの分量を割いているので、ボーダーの人にも結構いいかもしれない。
認知行動療法って、雰囲気的にはGTD(Getting Things Done)に似ているんだなと思った(どっちがオリジナルかは知らないけど)。もっと説教臭いイメージがあったわ。

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