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よろこびの泉になるものを掴む

今日から11月。カレンダーをめくる時は、なんとなく新鮮な気持ちになりますね。今年も残り2か月。年々、時が過ぎるのが早く感じます。

今、読んでいる本「神谷美恵子の世界 みすず書房編集部 編」の中に、精神科医で作家でもある神谷美恵子が、津田塾大学の学生のために講演した言葉が載っていました。

「一生を通じて自分のよろこびの泉になるものを掴むということは、とても大切なこと・・・。結婚して家庭さえ持てば幸せかというと、必ずしもそうではない。・・・・結局、人間はひとりになりますが、そのひとりになってもなお残るような、そういう生きがいについて、今からその基礎となるようなものを探しておいていただきたいと思います。そのためには、自分がいったいどういうことに本当に喜びを覚えるのかということを、今のうちによく検討しておくことが必要ではないか、それは言葉を換えれば、自分の可能性というものを見極めるということでしょう」

神谷美恵子の、未来ある大学生に向けての講演ですが、人生100年時代と言われている現代。私たち大人にとっても、非常に大事なことではないかと思います。

「自分を知る」ということが、どんなに大事なことか、私は大人になって、病気になって思い知りました。そして、

自分に関わる全ての出来事は、「自分を知る」ために起こっているんだと、やっとわかったのです。
嫌なことも良いことも、それによって自分の心がわかりますよね。
ああ、私はこういうことが嫌なんだなあとか、こういうことに喜びを感じるんだなあとか。

だから、できる限り、その喜びを感じる時間を増やしていくことが、まずは自分の心身を整えることになり、身近な人を笑顔にすることにつながっていく。その上で、そこを極めることで、更に多くの人を幸せにするお仕事をされている方もいますよね。

世の中には素晴らしい仕事をしている人、また素晴らしい仕事を残された人がたくさんいて、神谷美恵子ももちろんその中のおひとりですが。

この本を読んで更に彼女の人間としての偉大さ尊さを知りました。

日本赤十字看護大学の川島みどりさんが「神谷美恵子と看護の心」という文章を書かれています。

「チャレンジングに、しかも主体的な美恵子の生き方と、その底に秘められた人間愛は、文字通り、ナイチンゲールの言う
(犠牲なき献身こそ真の奉仕)に通じる。今を生きるものたちがそれぞれの境遇や立場を超えて学ぶことの大きさは図り知れない。」

この「犠牲なき」というのが、偉人たる所以ですね。やらずにはおれない、心の底からの生きがいということでしょうね。

こういうあまりに立派すぎる人の本を読むと、自分はなんてちっぽけなんだという無価値観の穴に、昔はよく落ちていました(^^;

でも今回はちょっと楽しいことも見つけました。
昨日のターシャ・テューダーと共通すること。

神谷美恵子の息子さんのお嫁さんの文章もありまして、そこに読書の時に少女のように楽しまれる様子など書かれていて、「義母の思い出として、とてもかわいい人という印象が第一に強く残っています」とあります。
ターシャ・テューダーもそうですが、お二人に共通するのは、童心を持っていたということです。

常識的であろうとすればするほど、つまり外側を気にすればするほど、子どもの心からは遠ざかりますよね。

できる限り「自分」に戻ることを心がけましょうね(*^-^*)

それでは今日も深い呼吸を意識して、自然体で自分を生かしていきましょう。

読んでくださってありがとうございます。





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