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Motion Designモーションデザイン~"主役と脇役の動き~


「いくら動かしても良くならない」

制作者の悩みとして、「時間を割いても、それに見合った効果がでない」ということをよく耳にします。

その理由としては、モチーフを動かすことばかりに気を取られ、それ以外の要素をうまく使えていないということが多々あります。


動かさなくても動く

実制作では、「どうやってキーフレームを打って、魅力的に動かすか」を常に考えていると思いますが、動かさないことも、手段の一つです。

こちらが例です。

球体自体は、どちらも動かしていない。

上下段の球体はどちらも動かしてはいません。
しかし、下段の球体は右方向に進んでいるように見えます。
これは背景の動きが反対方向に進むことによって、球体が動いている様に見えるためです。

この例のように、モチーフを闇雲に動かさなくても、動いているように見せることができます。


動きは"相対的"なもの

動きは「速い/遅い」など、一つのモチーフから判断することはできません。必ず映像内の他のモチーフと比べて、相対的に判断されます。

紙飛行機が飛んでいるシーンを例にしてみました。

上の映像では紙飛行機が右に飛んでいる様子を表現しています。
もちろん、これだけでも「紙飛行機が飛んでいる」と言うことは十分に説明はできているのですが、「どんな速さなのか」は表現できてはいません。

より具体的なイメージを視聴者に与えるためには、脇役を用意する事が効果的です。

この例では、手前の紙飛行機より遅く、奥の小型飛行機より遅くなっています。そしてイルカとほぼ同じ速さで進んでいるように見えます。
この様に脇役を用いることによって、主役をゴリゴリ動かすことなく、効果的に表現することが可能になります。

作業効率も向上

目立たせたいからといって不自然にオーバーな動きをつけたり、無駄に光らせたりすると、野暮ったい印象が出てしまいます。

今回見ていただいたように、動きは相対的なものです。
表があれば裏もある様に、脇役の動きによって、主役の動きも見え方が変わってきます。

制作の際に、「なんか効果が出ないなぁ…」と感じた時、一度手を止めて主役以外の動きを検討することで、何かいいアイデアが生まれるかもしれません。
また、この様な視点を持つことで、自然と作業効率も上がっていくと思います。

皆さんの、何か制作のヒントになれれば嬉しいです。






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