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事務所を移転しました!(2020年以降の働き方と事務所について考えたこと)

FLAKWORKSは2020年8月1日に引っ越しました!
あわせて弊社はスタッフ各々が、リモートワークと出社を状況に応じて自由に選択できる制度を導入いたしました。ご不便をおかけすることもあるかと思いますが、何卒、よろしくお願いいたします。

2020年も後半というところですが、想像もしなかった歴史的事象の渦中にいると実感しています。あらゆる価値観が普遍のものではないことを再認識し、生き方、働き方、人との関係性など多くのことを考えるきっかけになりました。

まだまだ混乱は収まらず、答えが出ないことばかりですが、数年前からぼんやりと考えていた自分たちのこれからの働き方に関しては、事務所の移転をきっかけにすこしまとまった気がするので、長々となりますが書き記しておこうと思いました。

弊社では数年前にスタッフのライフスタイル実現と、関東と関西の距離を超えるためにリモートワークを一部導入しました。試行錯誤を経て軌道に乗ってくると、ここに新しい働き方を強く感じたのを覚えています。

週の半分をリモート、半分を出社、のようにスタッフみんなが自由に選択できるようにしたいと考えていましたが、なかなか踏ん切りもつかず。頭の中では新しいワークスタイルを思い描き、テクノロジーはそれを充分に担保し、世界にはフルリモートの会社も多数現れていましたが、そこには若干ハードコアなオルタナティブ感を受けてしまって、自分たちに染み込んだ働き方を抜本的に変えるきっかけとはなりませんでした。

そして2020年4月。経験したことがない生活様式の激変が訪れました。
仕事においてはすべてのスタッフがリモートになり、クライアントも同様。社内では数年前からの知見もありましたので、急いで環境を整備し少しの混乱はあったものの、すぐにフィットできたと思います。

クライアントとは徐々に進めていたオンラインベースのコミュニケーションにいきなり全振り、慣れないオンラインミーティングを繰り返すことになりました。とても円滑とは言えなかったかもしれませんが、進行中の案件を止めることなく、なんとか進めていくことができました。

ここからの2ヶ月間、ほんのすこし前までハードコアなオルタナティブだと感じでいた働き方を、はからずも多くの人がいったん受容したかたちとなりました。じゃあもう今だろうという感じで、以前から思い描いていた、スタッフが出社を自由に選択できる会社にしようと決意したのでした。


8年前に事務所をつくったときは、完全フレックスタイムでバラバラの出社のなか、プライバシーが確保されたスペースで集中して仕事をできるように、というコンセプトでした。

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パーティションの高さにこだわってオーダーしたワークデスクを中心として、集中できる勤務環境を実現し、立地も京都の中心、お店も多く交通の便の良い、あたりまえですが毎日出社することを前提とした事務所でした。

今回、リモートワークを推進していくなかで、事務所を持たないという選択肢も検討しました。事務所に掛かっていた経費をスタッフで分配し、個々人のスペースを会社が借りるようなイメージです。しかしこれだと僕のイメージするカンパニーよりもギルド感が強く、どちらかと言えば個人事業主の集合体のようで、会社のワークスタイルとしてはハードコアなオルタナティブ感がまた顔を出してきてしまいます。

“FLAKWORKS"として集まる場所はやはり必要で、毎日出社しないことを前提にした新しい事務所をつくるべきだと考えました。それはどんな場所なんだろう。日々考えを巡らせ、その輪郭を捉えることができても、なかなか答えはでてきません。

ところで、人は必要なときに必要な出会いをする、といいます。なかなかにロマンチックで素敵なことばだと思います。

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新しい事務所となる物件に出会った瞬間にその輪郭は像を結び、新しい事務所のかたちが思い浮かんだのでした。正確な築年数はもはや不明、大正時代に建てられた洋館の1階部分。100平米超の空間です。名前は銀月アパートメントといいます。

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リモートワークを前提としたFLAKWORKSの新事務所は、対面するコミュニケーションをコンセプトに、スタッフが自由に使える別邸のような居心地のよい勤務環境を実現するものであるべきだ、と。

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大型の正方形デスクは対面して仕事し、話し合うことをコンセプトにオーダーしました。L字ソファとローテーブルを配置したリビンク、少し離れたカウンター、別室のミーティングルーム、どこに座って仕事をしてもいいフリーアドレスの設計です。

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大きな桜が咲く庭があって、縁側にはコーヒーを淹れるカウンターとヴィンテージのロッキングチェアを置きました。向かいは川横の公園で、大きなクスノキをはじめ色々な木が生い茂って緑のトンネルのようで、鳥のさえずりが絶えない京都市内とは思えない環境です。

明日は天気が良いから出社しようかな、とか、来週みんなで出社しませんか、みたいな新しい価値観やコミュニケーションが生まれることを期待しています。

建物は正直ボロですが、100年の時をリスペクトして最低限のリフォームにとどめました。僕が生まれる前にデザインされた家具や照明を置くと、建物は当然それを知っているようで、なんだか背筋が伸びるような気もして、ここでデジタルなものづくりをするのも面白いです。

と、少し交通の便は悪くなりましたが、素敵なオフィスになったので、ぜひ遊びにいらしてください。


テクノロジーの進歩は加速度的に世界を変化させていき、僕たちはもう世界を変えるインパクトにすら不感症なのかもしれません。細かな生活様式は数年単位でアップデートされ、それを含めた日常は激流で、自覚もなく揉まれていると、たった数日でまるで変わる生活に、世界に、思いを巡らせるヒマさえなく日々を過ごしているような気がします。

そんな流れに身を置いて、すぐ先の状況すら予測しづらい時代でも、常にしなやかでありたい。めまぐるしい価値観の変遷を、それがもたらす変化をいつだって歓迎し、考えることやめずに生きていたい。生きると言うと大げさなんですが、矢のように過ぎゆく時間の中では、生きるということすら希薄になりそうで。そして、仕事をするということは、僕らの影響なんて大河のほんの、ほんの一滴だとしても、その変化する世界にコミットするということに他なりません。

FLAKWORKSの仕事は、プランニング、クリエイティブ、テクノロジーを用いて、さまざまな課題を解決することを目的にしています。クライアントの依頼にしても、自分たちの働き方にしても、常に時代の流れを読み、新たな道筋を提案したいと考えます。

弊社の領域はデジタルメディアを中心にしていますので、デジタルの制作会社ということになるのですが、今回つくった事務所もまた、FLAKWORKSの仕事を表現できる制作実績のようだと感じています。

FLAKWORKSはこれからも場所や状況にとらわれず持続して働ける環境を提供し、新しい場所で、新しい働き方で、いままで以上に良い仕事をご提供できるよう、社員一同、真摯に取り組んでいきますので、変わらぬご愛顧よろしくお願いいたします。

FLAKWORKS inc. 代表取締役 高田篤


FLAKWORKS inc. / フラックワークス株式会社
京都市左京区北白川伊織町30 銀月アパートメント 西館1F
https://flak.jp

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