記事一覧
4月読んだもの観たもの
エミール・クストリッツァ『黒猫・白猫』
映画。かなりよかった。読書会で話題に上がって『アンダーグラウンド』が気になっていたんだけど、それより前から『黒猫・白猫』をクリップしてたので、なんとなく観てみようよ〜と観てみたらかなり面白かった。ユーモアの感覚がものすごくいい。結末もかなりいいし、ヒロイン役の女の人もよかった。
エミール・クストリッツァ『世界で一番貧しい大統領』
映画。ウルグアイの大統
3月読んだもの観たもの
トルストイ『アンナ・カレーニナ』中巻
小説。散髪しに行くから本一冊だけ持って!って引っ掴んできたら、まだ上巻の半分も読んでいない状態で中巻を持ってきてしまっており(ちょうど家人が家で読んでたので部屋に転がっていたのを間違えた)、しかし他に読むものもないのでまぁいっか、と思って読み始めた。
冒頭がいつも農村にいる弟リョーヴィンと労働者階級ではなくたまに農村に遊びに来る兄コズヌイシェフの話で、意外
2月読んだものみたもの
谷川道子『ハイナーミュラーマシーン』
書籍。読書会でハイナーミュラーの戯曲を読むことになったが、実際に戯曲を読んでみてもちっとも足掛かりがなく、組み手をしてからだったらいくらでも頑張れるが組み手の組み方すらわからん……となっていたけれど、この本のおかげで糸口が掴めてきた。めちゃくちゃポストモダンな作品なので、大学くらいから大学卒業してからの間にすごく好きだったテーマかも、と思いつつ、演劇はポスト
1月読んだもの観たもの
マリオ・バルガス・ジョサ『ガルシア・マルケス論 神殺しの物語』
批評。昨年、熱い経緯で翻訳に至った寺尾先生翻訳のジョサによるマルケス批評。とてもとても面白かった。ジョサとマルケスのパンチ事件以降、ジョサがこの本の翻訳を許していなかったのが、ついに寺尾先生の働きにより翻訳に至ったというのは、寺尾先生に感謝しても仕切れない。
ジョサの、作家のオブセッションを称して言った「悪魔」の話は、漏れ聞こえて
12月読んだもの観たもの
宇野重規『民主主義とは何か』
書籍。11月の続き。
全部読むと、読む前には民主主義に対して極めてぼんやりしたイメージしかなかったのが(というか、一般市民はどのように政治参加できるのかとか、どういう役割を果たすのかがすごいのっぺりしたイメージだった)、もっと複雑で色々な可能性のあり方を考えることができた。古代ギリシアの民主主義と、現在の日本のことしか念頭になかったけれどその間の文脈を埋めてくれる
11月読んだもの観たもの
ガルシア・マルケス『愛その他の悪霊について』
小説。旦敬介さんの訳で読む。神保町の著名な訳者や研究者などが、自分でセレクトした本を売ってみる店に置いてあって、寝かせていたのを読んだ。
初めて読んだマルケスがこれだったのだが、その頃の自分にはギリギリ読めているか読めていないかのラインだったのではないかとおもう。
修道院の小部屋のイメージがすごく強く、かろうじて残っている記憶はそれと狂犬病で暴れ
10月読んだものみたもの
古事記(岩波)
書き下し文の古事記と、レ点付きの漢文の古事記が載っている。訳註に頼ってギリギリ読めるか読めないかのラインだった。町田康と角川クラシックとを参照しながら読んだ。
ある程度天皇の威光を強める方向の話もあるんだけど、なぜこの変なエピソードがここに?みたいなのもあり、日本書紀と読み比べるとそこらへんが色々違うのかもと思った。あと、研究書読んだら面白そうだった。
町田康『口訳古事記』
9月読んだもの観たもの
カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの幼女』
小説。『スローターハウス5』の後に読んで、ヴォネガットの持つ決定論的な感覚は他の作品にも共通している感覚なのだというのがわかり、これが作家の中心的なテーマで、作品としていろんなバリエーションで描かれているのは、かなり気になる、と思った。決定論を描き続けるニヒリスティックな面がありつつ、眼差しは温かいタイプだと感じているので、それが物語としてどんなふ
トラルファマドール星人と出会う
カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』を先月末から今月頭にかけて読んでいた。とても面白かった。家人がとても大切に思っている作家なので読みたくはあったが、自分が読みたいタイミングになるまで待たないと嫌だったので、読みたいタイミングになるまで待っていたら今になっていた。
お風呂の中でゆっくり読んでいたら、上がったあと洗面所で身体を拭いている間に、本当に『スローターハウス5』って面白いというこ
8月観たもの読んだもの
『スパイダーマン:スパイダーバース』
映画。アニメーションとしてとてもいいと聞いたので、マーベルそんなだけど観るか〜〜と観た。
スパイダーマンって、能力がほとんどなくて、ほぼ普通の人間なのがポイントなのだな、と思った。
アニメーションはめちゃくちゃいい。スパイダーマンの動きと3Dアニメは相性が良さそう(実際のところ作ってて相性いい〜と思ってるのかはわからない…)。
脅威の部屋
ドラマ。1話目だけ
7月観たもの読んだもの
ケリー・ライカート『オールドジョイ』
映画。すごくいい。
キャスティングの妙。と思いながら二人の顔を見続ける。始まり方の、電話や会話からかなり良くて、会話の楽しさと音の楽しさに牽引される。ヨラテンゴの音楽がめちゃくちゃよかった。
朝食の電話のシーンと温泉の一部始終が印象的でいいシーンだった。
『須賀敦子全集2巻』
エッセイ。ずっとのろのろ時間をかけて読んでいる。
気が向いたら手に取るのを繰り返し
旅行先に本を持っていく
平日はばたつきや負荷が多めでやんなっちゃう週だったが、休みの日は思ったより元気があって身体がテキパキ動く感じだった。家事をしていて楽しい。たぶん、仕事で自分の力ではどうにもコントロールできない事象の取り扱いが増えているので、コントロールできることに快感を感じている。
先週の間は『君たちはどう生きるか』の余韻があって、見た際の自分の感情の動きを探り直しながら、そこに言葉を引き当てていくというこ