靴の匂い

私はよく散歩をする。旅行や買い物に行くような暇がないときは10分20分近所をふらついている。健康のためではないが、風が強くなければ毎日外を歩かないと落ち着かない体なのだ。

今日も仕事終わりに近所の河川敷を歩いてきたのだが、帰宅したら靴が臭う。それもそのはず、雨上がりの草むらを歩いたから、草や土がへばりついていたのだ。とりあえず湿気ている靴を乾かそうとドライヤーで乾かすが、臭い。ドライヤーの風に流され、壁を反射し、私の鼻をつついてくるこの何とも言えない臭さが不快だ。良い例えが浮かばないが、自宅の壁から雨に濡れた草の香りが漂っているような感じだ。これが仕事終わりの蒸れた靴下の匂いもプラスあるのだから、不愉快極まりない。

粗方乾いたところで母がやってきた。そして檜の匂いがするアロマをかけた。なぜだ、草の匂いに檜の匂いでは雨天の山ではないか。あの匂いが嫌いというわけではないが、ここでそれをやってしまうと玄関が山のようで落ち着かない。母よ、何がしたかったのだ。何を思ってそのアロマをかけたのだ。

結局それを聞く気にもなれず私はシャワールームへ入った。いつものように足をよく洗い、匂いを落とす。しかし、明日あの靴を履かなければならないと考えると少し気分が落ちる。今週末は靴を買いに行こう。

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