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環境音をオノマトペとして視覚的に表現する【エキマトペ】

こんにちは、「Experience×Technology(体験×技術)」の齊藤です。

みなさんが日常、何気なく聞いている「環境音」
私は、聞こえていることが当たり前になっていて、環境音についてあまり深く考えたことがありませんでした。
何気なくWebサーチしていると、ある記事が目に止まりました。

駅の環境音を視覚化することで、聴覚障がいのある方も安全に楽しく駅を利用できる装置の実証実験を開始

駅という場所はいろいろな音で溢れています。

ドアが閉まることを知らせる「ポロンポロン」
ドアが閉まる「プシュー」
電車が走り出す「ヒューーーーーン」
間もなくの発車を知らせる音楽・アナウンス
などなど。

1つ1つが大事な「情報」であり、その情報が足りないということは、不便であるのはもちろんのこと、「危険」が伴うということ。正直、これまでその「危険」について考えたことがありませんでした。
普段何気なく聞き流していたものが命に関わること。そして、それに気づいていなかったことに衝撃を受けました。

見出しの実証実験は、2021年7月に川崎市立聾学校で開催された「未来の通学」をテーマとしたワークショップがきっかけでスタートした『エキマトペ』プロジェクト(外部リンク)によって行われました。

リアルタイムな音情報を正しく楽しく表示

このプロジェクトは、聾学校の生徒たちの「もっとこうなったら通学が楽しくなるのに」といったアイデアを3つの企業(富士通株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、大日本印刷株式会社)が形にしたものです。

プロジェクトリーダーを担当した富士通株式会社の本多達也さんが、音や声のリズム・大きさを光と振動の強さに変換させることで音を身体で感じられる装置「Ontenna(オンテナ) 」(外部リンク)を開発。音から文字への変換は、富士通株式会社が開発した、発話者の発言を音声認識し即座に翻訳・テキスト変換する「LiveTalk(外部リンク)」。フォントの変換は、大日本印刷株式会社が開発した「DNP感情表現フォントシステム(外部リンク)」が採用されています。

仕組みとしては、事前にAIに学習させた駅のアナウンス音や、電車の音などを認識して文字化し、専用のマイクを使うことで、駅員さんがその場で話した内容がディスプレイに表示されるようになっています。

エキマトペ公式サイト「https://ekimatopeia.jp/」から引用
エキマトペ公式サイト「https://ekimatopeia.jp/」から引用

文字と同時に手話が表示されたり、内容に応じてフォントが変わったりするようで、次はどんな文字が表示されるのだろう?? とワクワクしますね。

1度目の実証実験[巣鴨駅]

実証実験は、これまで2度行われています。
「幅のあるホーム」かつ「ホームドアが設置されている駅」という条件だったため、1度目は巣鴨駅での実施となりました。

日本財団ジャーナルサイト「「障害」を考えるきっかけに。駅の「音情報」を視覚化する装置「エキマトペ」https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2022/77849/disability」から引用

「画面が大きくて見やすいが、人が前に立つと遮られてしまい見えなくなってしまう。」ということが判明。
確かに、せっかくの表示が1人立つだけでも情報としては不十分になりますし、ラッシュ時なんかはまったく見えなくなってしまうかもしれません。

2度目の実証実験[上野駅]

2度目は画面を自動販売機上に設置できるほど小さく改善して、上野駅で行われました。

日本財団ジャーナルサイト「「障害」を考えるきっかけに。駅の「音情報」を視覚化する装置「エキマトペ」https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2022/77849/disability」から引用

実際に見に行こうと思いたった時には既に実験期間が終了していて見ることはできなかったのですが、これは思わず見てしまいます!

写真を見ると、擬音と電車の絵が表示され、何やら楽しげです。
「画面サイズが小さくなったためか、フォントサイズも小さくなった?」「ポロンポロン..と同時にドアが閉まるよ!など書かれてるとより良いかも」と勝手に想像していました。

「エキマトペ」のさらなる進化

今後はJRだけではなく、他の路線・空港・商店街への設置も構想されているようです。
誰もが情報を得て安心安全に、さらには楽しめる世の中になるといいですね。

エキマトペ公式サイト「https://ekimatopeia.jp/」から引用

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執筆者:齊藤
ディレクター。エンタメ系サイトの運営、Web制作ディレクターなどを経て株式会社フラッグに2022年に入社。演劇鑑賞・ライブ鑑賞などを趣味としていたが、出産後は育児に追われて全く行けていないので、そろそろ動き始めようかと模索中。


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