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史上最凶のプログラマがヤバすぎた

シャーロック・ホームズのモリアーティや、羊たちの沈黙のハンニバル・レクター教授の現実版がいるとすれば、それはポール・ル・ルーだろう。

それが本書「魔王」を読んで感じた印象は、まさにダークウェブのジェフ・ベゾスだった。素直にスケールのデカさが凄い。


ポール・ル・ルーは、ジンバブエ出身のプログラマから、闇社会の王となった男だ。

ポールは元々、金融のプログラムを書くかたわら、趣味で暗号ソフトを開発する天才肌の男だった。スノーデンも愛用したことで有名な暗号ソフト「トゥルークリプト」のベースとなった、E4Mの作者でもある。

彼は自作した医薬品の通販プラットフォームで、米国中に大量のオピオイドを売りさばき、数千万ドルの富を手に入れる。そして、その資金をもってフィリピンで暗黒の帝国を作ろうとする。

元SWAT教官や民間会社のあぶれ者を集め傭兵部隊を組織し、政治家を抱き込む。暗殺者を囲い込み、金を密輸し、土地を買い漁る。北朝鮮の麻薬やコカインはおろか武器売買もする。最終的にはソマリアでマグロ漁やりたくて、イスラム過激派と戦争しかける。

過激化するにつれポールの組織は、数百億の富と数千人のネットワークに膨れ上がっていく。部下はスプレッドシートで管理され、暗号ソフトをインストールしたPCを支給された。ポールは自分の国家を設立しようと暗躍する。

幸い、ポールは2012年に逮捕され(サトシ・ナカモトのコインが未使用の理由説)、現在は刑務所から司法取引で麻薬捜査に協力をしている。ただ、ポールのネットワークや資産はいまだに謎に包まれ、刑務所の中からの暗躍も懸念される。

本書は、ミネアポリスの麻薬捜査官が、たまたま違法薬剤の配送情報をFEDEXに照会したところから始まる。FEDEXの配送データには奇妙な取引が含まれ、そこから全米を跨いだ巨大薬剤ネットワークの存在が浮かび上がっていく…

ジェフ・ベゾスやラリー・ペイジのような人間が、裏社会にもいる。そして、表にならないだけで圧倒的なサイバー帝国を築いていたというのは、ちょっとしたショック。

ちなみにポール・ル・ルーは、サトシ・ナカモト(BitCoinの作者)の、正体候補の1人とも囁かれる。とにかく個としてのプログラマが、ここまでの暗黒の大帝国を築くさまは圧巻。馳星周と大沢在昌とトム・クランシーが悪魔合体したかのような風情。


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