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稲垣栄洋『はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密』ちくまプリマー新書〔内容解説/2021年中学入試国語再頻出作品。手早く内容を確認したい受験生向け〕

稲垣栄洋『はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密』ちくまプリマー新書


2021年に

・桜蔭中学校
・鷗友学園女子中学校
・大妻中学校
・学習院中等科
・城北埼玉中学校
・明治大学付属中野中学校
・桐光学園中学校
・山手学院中学校

が出題。

★読み解きのヒント


2021年の中学入試で最もよく出題された説明的文章です。著者〔書いた人〕は雑草生態学の先生。植物をテーマにしたちくまプリマー新書はよく試験で用いられます。

 この本を読むにあたっての大事なヒントは「~なのでしょうか」と読み手に対してたずねているクエスチョン〔たずねること〕部分に注目して、その答えをさがしながら読んでいくこと。重要なクエスチョンが六つあります。いっしょに見ていきましょう。〔クエスチョンはQと書きます。〕


★読み解き


9ページ
Q1 「個性」とは、いったい何なのでしょうか。

答え
10ページ
生物の世界では「個性」という言葉は、「多様性」に置き換えられるかもしれません。多様性とは「いろいろなものがある」ことです。

〔「個性=多様性=いろいろなものがある」

 この三つが同じ意味で使われていることを必ず覚えておくこと!〕


19ページ
Q2 バラバラな個性って本当に必要なのでしょうか?

答え
22ページ
個性は生物が生き残るために作り出した戦略です。個性があるということ、つまりなぜバラバラであるかといえば、そこに意味があるからなのです。


25~28ページ
ジャガイモの具体例
 19世紀〔1800年代〕のアイルランドで、みな同じ品種ばかりだったためにジャガイモがいっせいに病気でだめになってしまった。
〔この具体例はQ2に対する答え、「個性は必要だ」に対する理由にあたります。なぜ「個性=バラバラであること」が必要で意味があるのかというと、たとえ優秀であれ、同じものばかりだと何かあったときいっせいに滅びてしまうから。〕

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