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第25節 ジェフ千葉

中断期間を挟み勝負のホーム2連戦がやってきた。
先週は北海道へ避暑した影響で、横浜の暑さにこたえているものの、なんとか無事にこの日を迎えることが出来た。

早速メンバーを見てみると、新加入のジョアンパウロがメンバー入り。大宮へ移籍した和田のところには小倉が入った。

立ち上がりからお互い激しいぶつかり合いが続いた。開始15分だけで、試合に引き込まれ見応え十分で、この試合に大きな期待感が湧き始めていた。
前半21分、ジェフの小森にネットを揺らされるもオフサイド。ジェフはゴールへ着実に近づき始めた。
直後に飲水タイムを挟むと、試合が落ち着き始めたように見えたが、前半42分に一瞬の隙をつかれる。ジェフの高橋が繰り出した完璧なクロスからエドゥアルドに合わされ失点を喫してしまった。
結果的に前半は、ジェフの一方的な試合と言っても良い内容で、なかなか厳しい前半戦となってしまっていた。

後半立ち上がりから攻勢をかける横浜は、慶治朗のシュートを皮切りに、セットプレーからもチャンスを作るも決めきれなかった。
後半20分に拓海、伊藤翔、ソロモンを投入、30分にジョアンパウロを投入、37分に村田を投入した。
対するジェフは後半35分に完全に守りにシフトする3枚替えを行い、44分に最後の1人を投入し逃げ切りを図るが、後半ATは9分残されていた。そしてこのATで歴史に残る逆転劇が生まれる。
後半AT1分、FKのこぼれ球を村田が拾い潮音とパス交換をして再びボールを持つと、一気にカットインしてぶっちぎる。ジェフ岡庭をシュートフェイントで完全に引っ掛けスライディングさせると、完全に振り切ったところで右足を振り抜いた。ボールはゴール右隅に突き刺さり、敗戦から救うヒーローが舞い降りたと歓喜に沸いたが、この日はこれだけでは無かった。
その1分後、自陣後方からのスローインから市川まで戻し前へ蹴り出すと、そこから6本のパスを繋ぎ、拓海へボールが渡った。前を向いた状態でパスを受けた拓海はソロモンへ繋ぎ、ソロモンは大外の村田へ預けた。村田は少し時間を作ると、空いたスペースに入ってきたのはジョアンパウロ。ジョアンパウロは冷静に折り返すと待っていた伊藤翔が左足で流し込み逆転に成功した。
伊藤翔はゴール裏へ一直線。クラブ全体で喜びを爆発させ最高の瞬間を作り上げた。
そして残り時間をしっかりと凌ぎきり、中断明けの一戦をしっかりとモノにした。

スターティングメンバー
市川暉記

失点はさすがにノーチャンスも、追加点を許さず耐え忍んだ。枠内にたくさんシュートを飛ばされるも安定感のあるポジショニングでピンチはほとんど無かった。

ガブリエウ

なかなか本調子から程遠く途中交代に。いつしか相手に狙われる存在になってきている感じもある。

タッチライン際で鼓舞するガブ

交代後に逆転すると、残り時間で気持ちを全面に出して指示を出し続け、キャプテンとしてはとても頼もしかった。

ンドカボニフェイス

小森に対してしっかりと対応した。得点を取るために前がかりになると、カウンターを1人で片付けて、セットプレーでは惜しいシュートを放った。この男は凄すぎるが故に1人で始末出来るが、それはJ2までにしておかないとダメだろう。

福森晃斗

試合終了後は両足がつっていたようだが、精魂尽き果てた様子にも見えた。

座り込む福森

セットプレーを含め、何本もクロスを上げ続けて最後まで諦めなかった。この一体感で掴んだ逆転勝利は、やはりこの男が生んだ賜物だったかもしれない。

山根永遠

前半はかなり劣勢にたっていたものの、最後の最後にひっくり返す最高の男だった。

ユーリララ

逆転の歓喜の渦から離れたところで、この男は雄叫びを上げていた。そして、すぐに切り替わる姿はシャッター越しではなく自分の目で見届けた。カメラで撮ることは出来なかったが、こういう男の存在は本当に宝物だ。

井上潮音

こんな最高な試合の日が誕生日なんて羨ましい。

井上潮音生誕祭

そして、最高の仕事をした男を歓喜の中で祝えてサポーター冥利に尽きる。

中野嘉大

キレのある仕掛けでジワジワと追い詰めた。決定的な仕事は出来なかったが、村田への道標には十分だった。

カプリーニ

相手へのプレッシャーは脅威になっていたが、ボールを持つと空回りが多かった。まあ、こんな日もある。長崎戦では爆発に期待だ。

小川慶治朗

抜け出していくつもチャンスを作る。後半最初に見せたシュートが、チームはまだ死んでいないという事を見せてくれた。

髙橋利樹

やれることは全てやってくれたと思う。
そんな中、納得のいかないプレーに対して激昂しイエローをもらってしまった。あまり見ない一面だが、個人的には悪い印象ではない。爽やか優等生では物足りなかったので、この気持ちの強さがプレー面で良い方向に現れてもらいたい。

中村拓海

投入直後から質の高いパスが放たれ、惜しいシュートもあった。キックは絶好調で逆転へ大きく貢献した。

笑顔溢れる拓海

そして歓喜の輪の中では眩しい笑顔が溢れていた。

櫻川ソロモン

強さを見せ続け守備でも奮闘した。プロだから当たり前なのだが、逆転ゴールへ繋がる村田へのパスは「こんなパスも出せるんだ」と勝手に感心してしまったが、とても失礼なことだったと反省している。

伊藤翔

完全にジェフDF陣を弄んだ。見事に流し込んだ男はゴール裏へ一直線。今シーズン7ゴール目は殊勲の決勝ゴールとなった。

狂喜乱舞のゴール裏
逆転の立役者たち

ゴールシーンが撮れなかったことと、歓喜の輪の写真も上手く撮れなかったのが悔しいが、そんな事より久々に声に影響が出るくらい叫べたのはこの男のおかげだ。

ジョアンパウロ

オリヴェイエンセからやってきた秘密兵器はいきなり勝利へ導いた。スペースへ走り込み阿吽の呼吸でラストパス。短期間で見事にチームへ溶け込んだ証拠だった。この男は只者ではなさそうだ。

村田透馬

投入直後に見せた突破で確信に変わったのだろう。
そして待望の瞬間はAT1分、リターンを受けると一気に切り込んだ。岡庭をフェイントで崩し切ると右足一閃。三ツ沢に火が灯った瞬間だった。

岡庭を弄び
完璧なシュートを放った
大男に囲まれ祝福を受ける

しっかりと指示通りにやり切り、絶望の淵から救ってみせた。あんた本当に最高だよ。

永井堅梧
ユーリのすね当てを拾う永井

ベンチ前で激しいぶつかり合いが起きると、ユーリのすね当てが外れてしまった。本人は気付かず、ジェフDFが外に投げ出そうとするも失敗。審判にもこの事は届かずゲームが続いていると、永井が徐ろに動き出し回収。無事にユーリの元へ戻っていった。とても永井らしさ満点だった。

小倉陽太
四方田修平

こんなドラマは誰にも書くことは出来ないだろう。もう本当に最高だった。

スタッフと喜びを分かち合う
その後は選手達の元へ飛び込んだ

スタッフ達と輪になるところは見慣れた光景だったが、自ら選手達のところへ行き輪を作って喜んでいるシーンはちょっと意外だった。普段はこういう瞬間を狙いすまそうとしていないので、普段通りだったら無知を露呈してしまう事にはなるが、これほど喜びを表現するのは珍しいと感じた。

ヒーローインタビュー
ゴール裏へ挨拶
ビクトリーステージ
ヒーローのツーショット
ジェフ側はと言うと…

もし自分がジェフのサポーターだったらと思うと、どんな気持ちでこの試合の後過ごせるのかは想像出来ない。
このショックからどう立ち上がるのかは興味がある。他のクラブは基本的に興味は無いのだが、今シーズン残りのジェフの戦いは気にかけてみたいと思う。

広州市場
油淋鶏定食

劇的な試合を観た後は、さすがにいつも通り帰宅は出来なかった。お気に入りのお店になりつつある、横浜ポルタにある広州市場で食事をする事にした。こういう時はお酒を呑むと最高なんだろうなと思いつつ、1人でお茶で乾杯しながら定食を頂いて帰路についた。

他会場の結果はというと、首位清水が仙台に敗れ、2位の長崎は水戸に敗れ順位が入れ替わり、再び横浜が首位に立った。
恥ずかしながら後半40分くらいから他会場の経過が気になり、清水と長崎が劣勢なのを知り、「このまま負けても大丈夫」と保険をかけてしまったが、そこはちょっと反省しないといけない。
性格だから仕方ないかもしれないが、前向きさをしっかり持ち続けることを、この試合で再度学んだ気がした。

さて、次節は無敗記録が止まった長崎が相手となる。重要な6ポイントマッチだ。中断明けで勢いを持続させた我々の力を存分に見せつけてほしい。

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