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第19節 徳島ヴォルティス

この試合のキックオフは18時だ。
はじめは悠々と徳島に到着し観戦する予定だったが、急遽カルドウェルのデビューに伴って12時半の時点で京都競馬場にいた。
カルドウェルのデビューを見届けたのも束の間、急いで移動しないと試合開始まで間に合わないのだ。

12時52分、京都競馬場の最寄り駅である淀駅から移動を開始。14時37分に兵庫県明石市にある朝霧駅に到着した。
運転嫌いの私は、基本的に車での遠征はしない。しかし、今回はレンタカーを使わないと間に合わないということで、なるべく運転時間が短くなる場所を探した結果、この朝霧駅にたどり着いた。

朝霧駅
朝霧駅からの眺め

朝霧駅の目の前は大蔵海岸が広がり、明石海峡大橋も見える立地だ。
こんな機会でない限り、存在すら知ることのなかった朝霧駅でレンタカーを借りて、淡路島を渡り鳴門へ向かった。
強風の中だったが無事に淡路島を通過し、16時40分にポカスタに到着した。
とりあえず片道だがスタジアムまで到着出来てホッとした。

ようやく席に着きメンバーを確認すると、岩武が4試合ぶり、潮音が2試合ぶり、そして室井がリーグ戦初スタメンとなり、ベンチにも村田が3試合ぶりに入っていた。

試合はというと、前半28分に山根がパスカットからクロス、カルロスが頭で合わせるもGKにキャッチされたという場面まで、全く内容の無い時間が流れていた。
このチャンスの後も何も起こりそうな気配がなかったが、あの男が自らその空気感を打破したのだ。
前半42分、福森がゴール正面30mくらいの位置でファウルをもらいFKを獲得。
おそらく全国のサポーターが色めきだった事だろう。そのFKを蹴るのはもちろん福森晃斗。そして待望の瞬間が訪れた。
福森が放ったシュートは、徳島の壁が割れたところを見事に通り、鋭くカーブがかかったボールが見事にネットへ突き刺さった。
今シーズン初ゴールは、重苦しい雰囲気を打ち破る先制点となった。
このまま前半が終わるかと思ったのも束の間、徳島が絶好のチャンスを迎えた。
チアゴアウベスがクロスを上げると、市川がボールの目測を誤りキャッチ出来ずに弾くと、ボールはブラウンノア賢信に渡りダイレクトでクロスを上げた。そこへ飛び込んできたのはエウシーニョだった。
すぐにボニがシュートコースを塞ぐも、エウシーニョのシュートはボ二の横をすり抜けてゴールへ一直線。
万事休すかと誰もが思った矢先、ブラウンノア賢信と競り合ってゴールラインの外に出ていた山根が、奇跡の戻りを見せて左足でボールを当てライン際でクリア。そのボールを市川がさらに弾き出し、最後は福森がなんとか外に出しピンチを脱出して前半を終えた。

後半開始直後、前半で相手と接触したカプリーニが続行不可能となり押し込まれる時間が増えたものの、交代選手を含め全員で粘り強く守り抜いてなんとか勝ち点3をもぎ取り、前半戦を4連勝で締めくくった。

スターティングメンバー
市川暉記

前半最後はヒヤリとしたが、他は危なげなく切り抜けた。ここまでリーグ戦19試合で10試合ものクリーンシートを達成した。今や誰もが守護神として認めてくれているだろう。

岩武克弥

安定度はピカイチだ。リーグ戦もカップ戦もどちらでも貢献してくれている。毎年いろんな角度で戦い続けて結果を残してくれる最高の男だ。

ンドカボニフェイス

ブラウンノア賢信と激しいマッチアップもきっちり封じ込めた。エースキラーと進化した男は、観ていて安心出来て頼もしい。

前半の大ピンチシーン

J1でもやれていたが、J2では無双中だ。新ハマナチオの門番として後半戦も頼んだぞ。

福森晃斗

千両役者はやっぱり凄かった。

自らチャンスを生み出して
魔法の左足炸裂
見事にゴールへ吸い込まれた

談話ではいまひとつだった精度のシュートだったようだが、それでも運も味方につけて決めきってしまうのだ。

喜ぶ福森晃斗
仲間から熱い抱擁を受ける

この試合ではこれだけでなく、身体を張ってゴールも守りきった。最大限の貢献をして最高の夜に導いてくれた。

山根永遠

この男の左足もチームを救ってくれた。あの場面で諦めずに足を出して弾き出す集中力は半端ではない。MVP級のプレーだった。その場面以外にも、前半のカルロスへのクロスは素晴らしく、守備面も落ち着いた対応が光った。 
前半戦は印象的な活躍が多い。攻撃も守備も一回り逞しくなり、さらなる進化が楽しみだ。

ユーリララ

危険なところにこの男あり。この試合も見事に狩り続けてくれた。前半戦はわずかにイエローは1枚のみ。毎試合MVP級の活躍を続け、今の順位にいるのは間違いなくこの男のおかげだ。今後もクリーンに狩り続けてもらいたい。

井上潮音

しっかり小倉からポジションを取り返した。この試合でのハイライトは、後半13分の左足ミドルだろうか。枠外に飛んでしまったが、あそこで打つという意識が見えたのは嬉しかった。
昨シーズンの輝きは未だに発揮されていないが、後半戦はもっとやってくれ。

中野嘉大

チアゴアウベスに手を焼いた。攻撃面でもなかなか持ち味を発揮することが出来なかった。前半戦は慣れないポジションで起用が多かったものの、最近はようやく本職に落ち着いた。意外と言ったら失礼だが、決定力も高く後半戦も活躍を期待したいところだ。

カプリーニ

後半3分に交代となった。前半の衝突が原因かと思われるが、どれほどの負傷か気になるところ。一度はベンチを温める時期が続いたものの、最近は完全に連勝の立役者となっている。今は軽傷を祈るしかない。

室井彗佑

ついにリーグ戦初スタメンを掴んだ。怪我から復帰後は鮮やかに地位を確立している。シュートへの意識が高く、後半5分の反転シュートはその象徴だ。

惜しくも外れたが良いシュートだった

ゴールはまだ無いが、この男は波に乗ったら凄そうだ。

髙橋利樹


前半28分のシュートは惜しかった。守備やポストプレーは素晴らしく、浦和からの移籍後は12試合連続スタメンだ。しかしゴールは第8節の岡山戦のみで、11試合連続ノーゴールとなっている。なんとか後半戦で爆発してもらいたい。

小川慶治朗

カプに替わって投入。左サイドからのクロスでチャンスを迎えるもゴールにつながらず。

周りにいた横浜サポーターがこのプレーに対して、延々と文句をいっていて非常に鬱陶しかった。唯一徳島遠征で最悪だった事象だ。まあ、毎回ソロモンへの文句はひたすら聞こえているのも鬱陶しいというのもあるが、これらはまた別の話だが。

今シーズンも縁の下の力持ち的な立ち位置だが、そろそろ表舞台でヒーローになってもらいたいところだ。

中村拓海

あまり目立ちはしなかったが、ドリブラー相手に大きな仕事はさせなかった。昨シーズンの低迷から見事な復活。短い時間でもインパクトを残すことも増え、かかせないポジションに再びついている。

村田透馬

シャドーで投入されると、鋭い突破を披露しチャンスを演出。本来のポジションで出場は、確実に左WBでの出場が大きかったように思う。最初は苦労したJ2の水も、今や突破が容易くなって着実な成長が見られる。しかし、現状J1ではもうひとつだろう。後半戦で更なる飛躍を期待したい。

和田拓也

見事なバランス感覚でシャットアウトに貢献した。開幕直後から定位置を掴み貢献してくれた。今は副担任のような立ち位置で、しっかりとフォローしてくれている頼もしい存在だ。

櫻川ソロモン

後半39分の目の覚めるミドルシュートは素晴らしかった。おそらく得意の形だったのだろう。少ない時間でもインパクトは残した。大きな期待を背負って加入し、なかなか結果が出ない状態が続いていたが、チーム、サポーター全てが愛を持って開花を待っている。必ずこの男はやってくれる。そう信じているぞ。

永井堅梧

2番手という位置に甘んじているが、昨シーズンの力を見れば、これ以上安心感のある控えGKはいない。天皇杯での出番があれば期待したい。

小倉陽太

ユース育ちの期待のホープはプロの壁に苦しんだ。しかし、地道にルヴァンカップで結果を出してリーグ戦でスタメンまで掴み取るまでになった。後半戦はもっと試合に絡んで躍動を期待したい。

四方田修平

なんとか4連勝を掴み取った。厳しい戦いの中でも最後は勝ち点3を掴み取っている。形はどうであれ今は勝ち点3を積み上げないといけないので、今節も素晴らしかった。開幕直後はどうなるかと思っていたが、今は何も不満はない。とにかく後半戦は上位2チームを逆転してもらい再び共に昇格を果たしたい。

ゴール裏への挨拶
ヒーロー見参
福森晃斗

やっぱりアウェイで勝つのは格別だ。
最高の夜を過ごすことが出来た。

翌朝、大きな仕事が待っていた。それはレンタカーを借りた店舗に返却するという事だ。
大仕事の前に腹ごしらえをしないといけない。

手打ちうどんたむら

ホテルの近くで朝食が食べられそうな所がここしかなく立ち寄ることにした。
セルフ店のうどん屋は如何にも本場の様相だ。
入店すると中は地元のオヤジで賑わっている。異様な雰囲気に面食らっていると、すぐに「注文は?」と聞かれてしまった。なんとかすぐに返答し着席した。
着席して待っていると続々とオヤジが入ってくる。入ってくるオヤジ全てが入店と同時に注文をしていて、これは四国っぽいなと思っていると、観光客が入ってきた。入ってきた観光客は、明らかに私と同じく面食らっているので、違いがハッキリ分かりやすかった。

肉うどん小とかき揚げ&コロッケ

10分ほどまっていると注文の肉うどんが出来上がった。朝に食べるにはちょうど良い優しい味だった。

そしていよいよハンドルを握った。特に何事もなく進み、返却時間まで余裕があったので淡路SAに寄ることにした。
基本的に運転することはなく、小さい頃も高速を使って移動する事もなかった人生で、SAへ寄るのは片手くらいしか無いのだ。有名な海老名SAは1度しか行ったことがない。
この淡路SAに寄ってみたかったのは、行きの道中で観覧車が見えたことと、淡路島に降り立った事実が欲しかったのだ。

明石海峡大橋
観覧車も見える

弱い雨が降っていて景色はもうひとつだったが、最低限の満足は出来た。
そこからまた少し運転をして、無事にレンタカーを返却出来た。

イレギュラーな徳島遠征も無事に終焉を迎えたと言いたい所だが、再び前日と同じルートで横浜へ帰ることとなる。

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