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【#4】レジスタンストレーニングのプログラムデザインについての考え方

フィジカル強化の専門家であるS&Cコーチの役割の1つに、プログラムデザインがあります。

プログラムデザインとは、その日のトレーニングをどのように進めるか(種目選択、強度、回数、セット数など)を決定していくことです。

プログラムデザインをしていく中で、決定しなければならない変数があり、それらの変数に応じて、身体の適応反応は様々です。

今回は、S&Cコーチにおいて、とても重要な役割であるプログラムデザインについてどのように作られているのか、またその考え方についてまとめていこうと思います。


プログラムはどのように作られているのか

そもそもトレーニングメニューは無数に存在しており、それらを組み合わせるだけでなく、レップ数やセット数などまで決めることを考えると、無限のパターンがあります。

具体的な変数として考えられるものは、
・トレーニングメニュー
・強度(kg、RPE、%など)
・レップ数
・セット数
・休息時間
・週頻度
、、、

というように、決めることはたくさんあります。これらは、なんとなくこんな感じかな〜という適当な決め方をされてません(当たり前ですが。)

これらを決める上で大事なのが、何をプログラムの軸とするか。という部分です。
そしてその軸となるのが、クライアントの”ニーズ”です。

トレーニングにおけるニーズとは、”トレーニングで改善可能な理想状態と現在の状態とのギャップ”と考えられます

つまり、トレーニングによって、どのような状態を獲得したいのか(痩せて引き締まった身体、ボディビルダーのような筋肥大された身体、筋力値が高まっている状態など)というニーズに沿って、メニューや強度、レップ数、セット数などが決まっていくということです。
S&Cは、スポーツ選手のトレーニングを担当する機会が多いので、スポーツ選手で考えると、ベースとなる基礎筋力の向上や、発揮パワーの向上、スピードの向上などが具体的なニーズとなってきます。

ここからさらに、選手のトレーニング状態や、シーズンの進捗状況、場合によっては怪我の状態や競技コーチから依頼があった強化要素なども考慮に入れるなども含まれて、最終的にその他の変数が決まってくるので、その時々で考えることは様々です。


プログラムデザインをする上で重要な考え方

プログラムデザインをする中で、最も大切だと感じているのは、”今考えうるベストを常に模索し、ベストな決定を下すこと”だと考えています。

トレーニングは、『これをやれば、必ずこういう結果がでる』といった”正解”は少なく、むしろあまり解明されていないことの方が多いかもしれません。

そのなかで、我々専門家は、研究などから『このような結果が出る可能性が高い』とされるものを選択してプログラムデザインを行なっています。
つまり、絶対解ではなく、最適解を選んでいる状態です。

これから研究が進み、いろいろなことがわかってくるかもしれませんし、今まで信じていたものが覆ることさえあるかもしれません。

そんな中で、クライアントのためにできることは、様々な状況に柔軟に対応し、”その時考えうるベストなプログラム”を作成することだと考えています。


そしてベストを尽くすためには、状況を把握し、必要とされていることを正確に理解し、自分の引き出しからそれらの場面に対応できるものに対応できるような準備が必要です。

さらに、その準備のためには学び続ける必要があり、それはトレーナーである限り終わることはありません。
『身体に関する勉強をやめるときは、トレーナーをやめる時である』ということですね。

このような考え方を軸にして、日々準備し、プログラムデザインをおこなっています。


まとめ

今回は、クライアントのプログラムデザインがどのようになされて、そこにはどのような考え方がベースにあるのかを個人的見解ベースで書いてみました。

S&Cとして、選手のパフォーマンス向上のために、常に最適な解答ができるよう、これからも入念な準備をしていきたいと思います。

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