公式Webは教科書-メンバープロフィールを見て推しが見つかることはない-
経済が低迷するとアイドルの人気が高まるらしい。たしかにSMAPはバブル崩壊後に、AKB48はリーマンショック後に全盛期を迎えた。日常で溜まった暗い感情やストレスを緩和してくれるからだそうだ。
それは、個人レベルにも言えることなのかも知れない。大学受験期はSnow Manにハマり、そして、つい先日終わった期末試験中に日向坂46にハマった。
以前から女性アイドルを推したいと思っていたのだが、それほど熱を帯びることはなかった。ときどき乃木坂や日向坂のWebページの個人プロフィール欄や公式MVを覗きに行っては個人名や曲名だけを覚えて帰ってきていた。
では、なぜ今回は本格的にハマったのか。それは彼女たちの冠番組『日向坂であいましょう』を見たからだ。Youtubeで見つけたまとめ動画が面白かったので、なんとなく本編を再生してみると、そこには彼女たちの圧倒的な魅力があった。具体的にどんな魅力があるのかということは、すでに散々語られているし、まだ僕はそれを文章にできるほど反芻できていない。とにかく、俄然このグループに興味が湧いて、Youtubeで過去の放送の切り抜き動画を見漁った(法的にグレーな気もするが投稿から1年以上放置されているということは白に近似できるグレーなのだろう)。
ざっくりと各メンバーの情報を頭に入れた状態で改めてMVを見てみると、これまでよりもぐんと解像度があがり、1カット1カットを楽しめるようになった。個別に認識できない美少女が歌い踊っているよりも、知っている人が歌い踊っている方がよっぽど惹かれるものだ。芸人のネタよりも、地元の友達の一発ギャグのほうが笑ってしまうのと同じだ。ああ、バラエティであんなふざけているあの子も、まわりと振り付けを揃えて、笑顔で踊っている、そう思わせられたらこっちの負け、あるいは勝ち。
MVとバラエティシーンを何度か行き来して、彼女たちの魅力の一端を知ると、かつては無味乾燥としていたプロフィール欄も輝いて見えるようになった。写真の一枚を見ると、一瞬で当人が活躍しているシーンが解凍される。
これは、教科書と同じである。学習前に読んでもあまりピンとこないが、一通り学習を終えたあとで読み返すと、なんと完成された素晴らしい著作物だと感動するのだ。教科書は予習用というより復習用なのだ。特に理科・社会では教科書の太字のところだけ拾い読みして、その語句の意味が頭の中で瞬時に展開できるかを確かめてみて、分からなければそのあたりをじっくり読み返せばいい復習になる。
公式Webも教科書も、その道のプロが作った素晴らしい手引であることには間違いないが、だからといって初心者へのプロモーション素材として有用であるかどうかは分からない。その人の魅力を知る前に、まずはその人を有象無象の群衆から切り出して個別のフォルダに分納する必要があるのだ。
次のライブの3000円くらいの配信チケットがあれば買ってたけどなあ。あとライブTシャツって行ってないのに買う人っているんかな。公式グッズのページにあったTシャツはデザインも良かったけど、そのライブの詳細を説明できないのに買うのは、なんか背徳感があるような……。
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