サッカーの試合を見ながら考えた、若者にワクチン接種を促進する方法
少し前にこんなニュースを見た。群馬県が20代〜30代の人々にワクチン接種を促すために、抽選で商品をあげるというものだ。
一言で言うとナンセンス。モノで釣ろうとするのがありえない。案の定、コメント欄を見ると結構辛辣な意見が並んでいた。低い摂取率をなんとかしようとしての苦肉の策なんだろうけど、得をする人が限りなく少ない。接種をしようとしていた若者はモノ目当てだと思われるかもしれないし、納めた税金が微妙な使われ方をすることに対して納得がいかない人も多いだろう。
若者へワクチン接種を促すもっといいやり方は他にあるのに。そう思いながらこのニュースを見ていた。
■私のワクチンに対する考え方
私はファイザー製のワクチンを既に2回接種した。副作用の観点や、その人その人の主義・主張があるので、無理に接種をすすめることはしないが、個人的には早く接種したかった。
自分が罹った時の重症化回避。誰かにうつす媒介者となるリスクの軽減。海外に行けるようになった時に必要になるかもしれないワクチンパスポート。副作用(俗に言う発熱などのよくある副反応からアナフィラキシーショックなど重篤なものも含めて)のネガティブさを差し引いても余りあるメリットがあると考えたからだ。
7月21日に2回目を接種したので、もう抗体はできているはず。私は幸い副反応もあまりなかった。
アメリカのCDC(疾病対策センター)は2ヶ月前は、ワクチン接種が完了した人は原則マスクなしでOKとしていたが、変異株の感染拡大によって、マスク着用を推奨。その掌をたった2ヶ月で返すことになった。
接種が完了したからといって、まだ安心できる状況ではない。日々増える東京の、日本の感染者数を見てもそう思う。
■サッカーの試合を見ていて思いついた若者に接種を促す良い方法
土曜の深夜、コミュニティシールド、マンチェスターシティvsレスターを見ていた。結果は終了間際にレスターがPKを決めて、勝利。
時折映る観客席は先日イタリアの優勝で幕を閉じたEUROと同様、マスクをしていない観客でいっぱいだった。その様子は、まるで新型コロナウイルスが流行る前の世界線のよう。
どんなレギュレーションで観客を入れているのか気になったので、調べてみた。検索ワードは「community shield ticket」
検索上位に、レスターのサイトが出てきた。
割と冒頭に書いてあったのがこの文章。
- Supporters aged 11 and over must provide either a negative lateral flow test within 48 hours of the fixture or proof of full vaccination via the NHS app to gain entry to Wembley Stadium
11歳以上のサポーターは、48時間以内の陰性証明か、フルワクチン証明がウェンブリースタジアム入場時に必要だと書かれている。
これがない人はチケット買っても意味ないよ、ということで最初の方にわかりやすく書いてあるのだろう。
あとは、座席の値段の前にアンダーライン付きで書かれていたのがこちら。
Face masks are not required to be worn inside the stadium bowl for this fixture, however it is recommended that they are worn upon entry to the stadium and while moving around the concourses.
マスクは観客席ではつけなくても良い、けど入場時やコンコース移動の際は着用をすすめる的なことが書いてある(たぶん)。
アメリカのCDCは判断を変更したばかりだが、ヨーロッパ、UKでは陰性証明もしくはフルワクチン照明でマスクつけなくて良いという判断をしている。国によって基準が違うんだな、とつくづく思う。
ちなみに、チケットの値段を見たら結構安い。カテゴリー1で45ポンド。7000円弱。この値段でウェンブリーで試合観れるなんて!
フルワクチンの証明をするためのNHSは日本で言う厚生労働省みたいなところが出しているアプリだ。日本で言うとCOCOAみたいな感じなのかな?どんなものか調べているときに、最近はアンインストールする人が続出しているというようなニュースもあった。GPSで追われるなど、個人情報的な心配があってのことらしい。サッカー観戦のために必要なら、アンインストール防止にもなりそうだ。他のエンタメがどうなっているかわからないが、観劇やコンサートなどでも必要という風にすればアンインストールが防げそう。
陰性証明をいくらで出せるかも調べてみたが、よくわからなかった。下の記事によるとBoots(日本で言うとマツキヨのオシャレ版みたいなドラッグストア)での簡易検査は85ポンド(日本円で13000円とちょっと)もするらしい。高い。さすがにもう少し安く受けられるのかもしれないけど、ワクチン証明の方が、毎回受けなく済むいいからお財布に優しそうだ。
A PCR test in easily-accessible high street retailer, Boots, is £85.
日本と比較するとフルワクチンの割合は、2倍近く。チケット販売にフルワクチンの条件を付けても、さほど非難は出てこなさそうだ。陰性証明でも入れるし。
私は、ワクチン接種のきっかけの1つとして、2020年の1月以来行っていない海外旅行を行きやすくするため、というのがあった。
モノで釣るよりも、〇〇をしやすくするというので接種率を高めるような動きをした方が効果的なのではないか?
観客の歌が聞こえる、コロナ前のスタジアムに限りなく近いウェンブリースタジアムを見て思った。
■おまけ
ワクチンの接種率を調べているときに、こんな記事も見つけた。
最後の締めはなるほどな、と思うところ。
接種者優遇策をめぐり「未接種者を罰する行為」「差別助長」と懸念する声もある。
コミュニティシールドのチケット販売のうまいところは、フルワクチンだけでなく、陰性証明の人もOKという点だ。
ワクチンは打ちたくないという人もいるだろう。そういった人たちを排除するわけでなく、救済措置をきちんと設けているところが良い。
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