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FIVESTARS MAGAZINE005 Develop One's Faculties Interview

★ 今回はミニアルバム「C17H19NO3」の事を中心にお話をおうかがいできればと思います。ミニアルバムとしては約五年半振りということですが、作品を聴かせて頂いて率直に第一印象はこれまた恐ろしいアルバムを出したなと。 
yuya 嬉しい。ありがとうございます。
★ この作品は絶対に聴き流せない。興味がどんどん湧いてくるというか説得力もあるし、実に素晴らしいアルバムだなと。その素晴らしい作品「C17H19NO3」はどのような経緯、発想から生まれたのかまずはお聞きかせいただけますか。
yuya この作品は薬を題材として作っていて、例えば風邪をひきました、熱がでましたってなった時に薬を飲んで体調がよくなるのは薬としての存在としてはそうあるべきものだから通常の出来事かも知れないんですけど、薬も使い方によっては毒になるし用法・容量を間違えたら、その体に本来治癒されるべきものがそうじゃなくなってしまう作用が働いてしまったりするじゃないですか。オーバードーズをしなければ良い問題かもしれないけど自制がきかなくなって困ってる人達ってたくさんいるよなって。だから音楽を薬の代わりにしたいって思って今回のこの作品を作りました。本末転倒じゃないですか、人を治癒する上でプラスのエネルギーを働かせるためにやってることでマイナスなエネルギーを働かせてしまったら。音楽って多分どれだけあってもどれだけ聴いても、大音量でずっと聴いてたらちょっと耳悪くなるかもしれないけど、そんなことしない限りはデメリットの作用はあまりないと私は思ってるんですよ。だから薬に負けないくらいの音楽を作りたいなと思って作りましたね。
 


 
★ それでは収録曲一曲ずつお話をお聞きしたいなと思います。まず「導入剤」ですね。この曲はリハーサル時の音が収録された楽曲になっていますね。
yuya 今までこういう形を取ったバンドが何組いるんだろうって考えた時に、そんなに大多数ではないことに挑戦したんだろうなという自負はあるんですけど、シンプルに誰もやってないから凄いだろっていうマインドでやったって言うよりも薬を題材にするってなった時に薬ってまず基本的に口に入れるじゃないですか。ベロの下だったりベロの上だったり、いろいろなところで導入、薬を口に入れて作用するまでの間、一回挟まなくちゃいけない箇所があるじゃないですか。それを音楽で例えた時に何だろうって考えた時に、音楽ってお客さんが観に来てくれるライブをする上でリハーサルがあって入念の準備があっての本番だから、じゃあ”導入剤"として一回口に入れてみるっていう作業はサウンドチェックなのかなと思ってそのタイトルにしてリハーサルを収録しましたね
★ この発想はyuyaさんから生まれたんですか。
yuya そうですね。基本的には音楽のことはメンバーに信用してもらっているので、いつも私がこういうビジョンでこういう感じみたいな風に口頭で伝えて最初はメンバーもなんでそれ入れるんだろうって思ってたかも知れないですけど、こういう意図があってって話したら「あぁ、なるほど。」みたいになってくれたから、よかったなって。
★ ruiさんはこの案をもらった時はどんな反応をされたのでしょう。
rui  ライブの時にこういうことやりたいんだよねっていうのを事前に聞いてたのもあって、自分はあまり斬新なことをやりたい言う時にそこまで”NO"って言うことはないんですよ。特に音楽制作に関しては。
★ それはやはりyuyaさんへの信頼からですかね。
rui そうですね。最初から無理そうなことはやらないと思うんですよ。そういうところは信頼してる部分でもあるので、面白そうだからいいんじゃないみたいなとこですね。
 


 
 
★ 続いて「マリオネット」ですね。この作品は二分弱の曲ですが、イントロから緊張感の続くサウンドとボーカルがすごく印象的な曲ですね。
yuya この曲は、尺に関して言えば、前に出した「I WANT MY FREEDOM」っていうミニアルバムがあるんですけど、そのアルバムの一曲目も同じくらいの短い曲だったんですよ。自分の中で当時何で世の中に受け入れられないのかなって考えてて、その頃よりは今長く活動させてもらって今もう一回、同じようなテイストの物を出してみたらどういうリアクションかなっていう実験もテーマの一つにあったんです。そのために「マリオネット」を短くしたって言うのもありますかね。楽曲のイメージとしては、薬を使うのは何でだろうってなってしまってる状態の人達にぜひ聴いてもらいたい、自分自身と向き合って欲しいって思いながらリリックだったり楽曲を並べてるつもりなんですけど、この曲は自分は自分だけど誰かに操られちゃってるんじゃないのかとか、操られちゃってる自分のことをもう無意識にこれが自分だって思い込んじゃったら取り返しつかないよって思いがあったりします。やっぱり人間て一個の人格だとしてもいろんな表情あると思うんですよ。それが本来自分が持ちたい表情じゃない表情に侵されてしまったら、その表情が本来の自分の表情に他人からしたらなってしまうから、それは違うんじゃないのっていうメッセージだったり、自分に対してそういうマイナスなエネルギーが働いてる人に聴いてもらえたら嬉しいなっていう曲です。
★ 人に流されちゃったり、影響されたりってことでしょうか。
yuya 人に流されるって言うよりかは結局、自分って一番最大のライバルでもあり敵でもあると思うんですよ。日々、自分と戦いながら誰かに流されてと言うよりかは自分の中の葛藤を表してるって感じですかね。
★ 他の皆さんはこの曲に対してどういうイメージをお持ちですか。
rui 僕がちゃんと歌詞に目を通したのが音源聴いた後だったんですよね。先に曲を聴いて「あれ、エレキじゃないの?」みたいな。この曲、アコギなんですよ。なのでライブで大変なんですよ。これライブまでに俺どうやって消化したらいいのかなっていうのをようやくワンマンツアーを三本目にして「うん。これだ。」ってなりましたね。歌詞に関しては、アルバムの曲が出揃ってきた中で、「C17H19NO3」っていうアルバムタイトルをふまえて、改めて歌詞全部見た時に、あぁ、なるほどなって。ちゃんと短い曲の割に深い部分に入り込めるような歌詞になってるんだなって。個々の楽曲で全部言ってる主張が違いそうで、どの曲も的を得てるなっていう作品の始まりには丁度いいんじゃないかなっていう感じを受けてます。 
Hiromu 僕も初めて聴いて時にやっぱり短いなっていうのが第一印象だったんですよ。いわゆる普通のって言うとあれですけど、四分半とか五分半ある曲のワンコーラス分で終わるぐらいまでの尺になってて、これは僕の感想ではあるんですけど、この曲二番あっても良かったんじゃないって最初思ったんですよね。
yuya それが狙いだったりもするね。
Hiromu 分かってる、分かってる。そうなんよ。そういう脳になってる時点でそれこそ薬っていう意味では、いい風に作用してるなって思うんですよね。
yuya 薬って入っちゃって効くまでの間ってよくできてるからさ、意外と十分十五分で効いたりするじゃん。その十分十五分て体感で言ったら長いけど曲で言ったらすごく短い曲にしなきゃいけないと思うんだよ。短い尺で効かせるっていう意味でね。だからよりコンパクトにしたよね。(笑)
Hiromu いや本当に。今、yuyaさんの意図も聞けたからあれだけど、もっと聴きたいって、次が聴きたいってなってる時点で本当にいい風に作用してると思う。
Johannes (翻訳済み)自分は二人よりもドラム組む段階で先に聴いてたんですけど、その段階で思いついたドラマー目線的な裏テーマが二つあって、シンバルを一回も叩かないのと、DOFで一番コピーしやすい楽曲という裏テーマのもとドラムを組みました。
★ それだけシンプルということですか?
Johannes (翻訳済み)そうですね。基本リフにユニゾンしてたりドラム叩いてるセクションもちょっと少ないので。
yuya ドラムに関してはうちのスタジオに来てもらってるんですよ。彼はドラムの打ち込み作業を本当に素晴らしくやってくれるドラマーだと思ってるので、だから彼がやってくれた方が私がやるより絶対早いし良くなるから助かるんですよね。この「マリオネット」に関しては一番いい意味で揉めたじゃないけどディスカッションいっぱいしましたね。本来の彼は全然違うビートを入れようと思ってたんですよ。それを私がそれはこうして欲しいって言って変えてもらったんですよ。だから、彼からしてもその私の要望に対して結構色々苦労したんだろうなって感じるんですけど、最終的には本当に素晴らしいドラムになりましたね
Johannes (翻訳済み)Aメロとかだいぶ変わったもんね。
yuya そうだね。私、やっぱりバンドはバンドだと思ってるんで極力メンバーの音が鳴っててくれた方が嬉しいというか。自分はソロもやってるんですけどソロで逆にバンドサウンド使うのが嫌だし、メンバーがいるからバンドで、だからバンドにおいてメンバーの音がなってない時間って嫌だなって思う時期もあったんですけど、いい意味でそれを乗り越えて、良い曲作りゃその方がいいよなって思えてきて。もっとメンバーにもこのバンドでやりたい可能性、例えばそれこそ一分間例えばメンバーの音が鳴らないとしてもソレが格好良いならソレだし、ソレをメンバーも求めてくれてると思ってて。前回の「peace」って楽曲もそうですけど、今回のアルバムもドラムがずっと鳴ってなきゃいけないって概念さえも良い意味で無くなったので色々と挑戦はしてますね。いつもと比べたら少ないよね?
Johannes (翻訳済み)うん。半分くらい。いや半分ちょいくらいかな。
yuya 申し訳ないなとは思ってるんですよ。でもそれを受け入れてくれた事が嬉しいなって気持ちもあるけど、私だったら暇な時間をどう乗り越えようって考えたりするかもしれないですね。(笑)
★ いいですね。お互いがリスペクトしあっているのがインタビューを通して伝わってきます。
yuya それがなくなったら解散ですよ。尊敬できる部分があり続けるからこそバンドだと思いますよ。
 
 
 
 
 
★ 続いて「強迫性障害」です。サウンド的にはこの曲はこれまでのDOFの楽曲の流れを汲んだ、ある意味らしい曲という印象を受けました。まずがタイトルになっている「強迫性障害」という病気に対してyuyaさんはどのような見解をお持ちなのでしょうか。
yuya 自身も結構悩まされちゃってて、別にかかってるからやばいとか困ることは私はないんですよね。人から変な風に見られたとしても日常生活に支障は出ないと私は思っているし、人の見る目気にするならミュージシャンなんてできないような気もしますしね。(笑)ただ、その病気に悩まされてる人達を肯定したい、同じ人間じゃないですか、だから本当にタイトルのままですけど、分かってくれる人は分かってくれるよねっていう曲だと思ってます。サビのリリックの書き方もそうなんですけど、あまり”賛同者”とか普段は使わないような硬い表現も出てくるんですけどこの曲は使ってみたいなって思ったのと、全体的なオケの組み方として、この曲はバンドサウンドよりもシーケンスを強めに出す曲として作りました。本来だったら私ギター弾いてるようなテイストなんですけど最近歌ってて本当にすごく楽しくて、このアルバムは面白いからギターを演奏しない曲も表現の一つとして増やしたくてって思って半分の曲でギター弾いてないんですよ。半分、けんちゃん(rui)一人に任せてて、色んな意味を込めてこれは愛だと思うんですけど、けんちゃん(rui)に安心して任せたいなって(笑)楽しいですよ、やっぱりボーカリストだな私って思って。歌一本に集中できる時って本当楽しいですよ、言い訳出来ないんで。全然話逸れちゃいましたけど。(笑) 
rui 僕は個人的にはこの曲が一番出来上がるのが楽しみでしたね。
yuya それはデモを送ってから出来上がる間までの過程でってこと?
rui そうそう。最終的にどうなるかなって。ひとつの音源としての出来上がりといえば出来上がり何ですけど、最終的にこの曲をライブで重ねていってどうなるんだろうっていうのが一番楽しみな気持ちが今もまだ強いですね。あと本人が意識してるか意識していないかは置いといて、割とネガティブな歌詞をめちゃめちゃポップな曲に乗せることが自分達のバンドには結構あって。
yuya あぁそうだね。それはめちゃめちゃ意識してる。嬉しいよ。
rui そういうギャップとしても、とてもいいなっていうのがあってサビで急にこの楽曲はすごいひっくり返る。キラキラした世界観が来るのに歌詞はややちょっと悲しい感じなんですよ。こういうのが"らしさ"でもあり、また新しい部分でもあり、一番そういう意味では楽しみだなっていう曲ですかね。
Hiromu この曲はさっき堀田さんがDOFらしいというかDOFっぽい曲みたいなことをちらっと仰ってたんですけど、ベースの観点から言うと結構新しいことをやってる曲です。DOFは結構テンポの速い曲が多かったり細かいフレーズが多かったりするんですけど、この曲はどっちかっていうと縦のラインっていうんですか、リズムだったりグルーブに一番重きを置いて演奏を必要とされる曲というか、今までの楽曲とはまた違った難しさ、スキルを求められるようなレコーディングでも自分を見つめ直すきっかけになった一曲ですかね。
★ Hiromuさん、DOFに加入してベーシストとして著しく成長していて新しい経験もされてるんじゃないですか。
Hiromu めちゃくちゃ増えました。最初の頃はもう本当にひたすら曲を覚えるのが大変でいっぱいいっぱいだったんですけど、ようやくここ一年ぐらい前回の「peace/insomnia」ぐらいからですかね。自分がどうしたいのかもちろん制作してる段階で自分の案だったりフレーズだったりっていうのは入れたりしてたんですけど、そういう自分らしさっていうのをもっと磨きながら入れていこうって意識を持って取り組んでいけてるかなってここ最近では思ってるし、形に出来てきてるのかなと思ってます。
★ Johannesさんはいかがですか?
Johannes (翻訳済み)この曲は最初聴いた時に懐かしさを感じました。イントロのシーケンスが、昔のRPGゲームのフィールドのBGM感がちょっとあって懐かしいなって。。。あと最後のサビだけ、1サビ2サビは跳ねてるのに最後で跳ねなくなる展開好きです。
 
 


 
★ 続いて「躁」です。これはいわゆる”躁鬱”の「躁」でしょうか。
yuya その通りです。これも自分自身めちゃめちゃ戦ってる病気のひとつで本当に結構未だに中々乗り越え切れてはないんですけどそれでもメンバーはそんな私を突き離さないでいてくれて、今こうやって音楽やらせてもらえてるの本当楽しいんですよ。うちのメンバーは愛が深いし私も真ん中で自信もって立たせてもらえてるんだけどやっぱり”躁鬱"って字に書いた如く明るい時と暗い時の差ってまじで激しいんですよね。この病気ってすごい不思議なもんで色んな解釈があると思うんですけど,
あくまでも私が思うに人に伝える際に外傷が無い分伝えられないんですよね。"今明るいのね”、”暗いのね”ぐらいにしか他人からしたら伝わらないんですよ。でも、本当にそのなりたい自分じゃないですけど、結局、人なんですよね。人が一番本当に恐ろしいんですよ、人がやっぱり状況を変えてしまうからそういう意味でも。自分が思う”躁鬱”の「躁」って操るって漢字に似てるじゃないですか。操られてる。さっきの「マリオネット」も全部繋がってるんですけど、結局司ってるんですよね。何かが司ってて自分じゃない何かの問題があって、そういう人に対して歌ってますね、この曲は。
★ “躁鬱”の「躁」の時って、実はなんか「鬱」の反動からきてて、その状態が実はとても危険だったりするじゃないですか。その表現を音楽としてしっかりと表現している曲だなと思います。
yuya めちゃめちゃ嬉しいです。ありがとうございます。本当にその通りで正直、今の自分のポテンシャルが怖いんですよ。これが続いてくれれば幸せだけど、きっと続かないだろうから、じゃあ続かなくなっちゃった時にメンバーに、私はどんな顔してあえばいいんかなとか、ちょっとまたテンション低いわとか思われたくないなとか、でも今はいいからってそういうふうに思うしかないから、届いて欲しいです、そういう人達に。決して可哀想とか同情して欲しいなんて全く思ってないし、こうやって前向くしか改善できる方法なんてないんだよって。
rui DOFの曲は歌詞が聞き取りやすい方だと思うんですけど、この曲だけボーカルの声が歪んでるんですよ。一回で歌詞を聴き取ろうとするとあまり聴き取れないんで、サビはすごく抜けて聴こえるんですけど、それ以外は聴きづらいんで、サビの歌詞は何でこうゆう歌詞になったんだろうって考えながら聴いてもらったりとかそういう意味にでも掴みにはいい曲だなと思いますね。
Hiromu さっきの「強迫性障害」でDOFとしては新しいスキルだったり、今までにあまりやってこなかったことをやってる曲だとお話したと思うんですけど「躁」も実はそういう一面がありまして、サビがずっとルート弾きなんですよね。
yuya 珍しいよね。確かに。
Hiromu 基本的に曲頭にあるベースラインがサビ手前くらいまでずっと続いて、サビはルート弾きをして、またそのメインのテーマフレーズに戻って、またルート弾きをしてって繰り返しの曲なんで。
yuya ヒロムのルート弾きのダイナミックさ感じて欲しいね。
Hiromu うん。それは是非とも感じて欲しいなって思います。さっきのヨハさんの「マリオネット」じゃないですけど、DOFでコピーするんだったら、ベースではもしかしたらこれが簡単な部類に入る曲なのかも知れないです。
Johannes (翻訳済み)ストレートなロックテイストなところが好きです(ファン目線)




★ 続いて「アンコンシャス・マインド」です。yuya 「アイコンシャス・マインド」に関しては短く説明が終わりそうだけど、そういうマインドを持ってる人いるよねっていう歌です。誰かに対して言ってるんじゃなくてやっとこういう曲も自分の言葉でちゃんと伝えれるなって思えたんです。自分に対して6割弱歌ってるんですけどね。私じゃなくてもそういう人が多いし、鬱陶しいよなこういう奴っていう歌を歌いたかったんです。この曲を歌うことによって、こんな奴うざいって思えてる自分はまだ幸せ者だと思うんですよ。それをそういう奴いるのは普通だよなーって思っちゃうのは駄目だなって思うし、やっぱり若干自分自身がチラつくし、本当鬱陶しいなこいつみたいな。そういう感じで歌ってます。(笑)
★ でも曲がすごく爽快だから気持ち良さすら感じますね。
yuya そうですね。爽快ですね。ただ、めちゃめちゃキー高いんですよ。正直あまり歌いたくないですね。ミスったなって思いました、メロディー完成してから(笑)
rui この曲も「強迫性障害」と近い部分があって、歌詞はネガティヴなんですけど凄くポップなんですよ。あと僕らの楽曲で最近多くなってきてる事で、弦楽器の二人で完全にユニゾンっていう曲があるんですけど、この楽曲に関してはAメロがほぼほぼ完全ユニゾンだし、後半のメロに入る前の間奏の部分も三人ユニゾンていう。
yuya もっと言えばイントロもね。
rui そうだね。なのでこの曲はほぼほぼユニゾンしてるっていう楽曲っていうところがすごく面白い。でもそういうふうに聴こえづらいっていうのもまた面白い曲ですね。あとギターソロが難しい。
yuya これ本来ギターソロは私が弾く予定だったんですよ。一緒にウチのスタジオで弾いたりしてさ「それめっちゃいいじゃんー。」とか言いあって、あれいいギターソロになったよね、本当に。そういう意味では貴重よね。けんちゃん(rui)がめっちゃ頑張って速弾きしてて。(笑)
rui 大変なんですよ。(笑)
Hiromu はい。この曲は僕もめっちゃ大変です。(笑)今回の収録曲でフレーズ面で言ったら1番忙しいんじゃないですかね。難しいけどかっこいい曲だなとは思ってます。聴きどころはサビの前のセクションで”ステップ1、ステップ2、ステップ3”と豪快に叫んでるのでぜひライブで観て欲しいと思ってます。そこは僕らが叫んで、yuyaさんがその後に歌うっていう掛け合いみたいな感じになってるので是非ともライブで聴いてほしいと思っていますね。
Johannes (翻訳済み)この曲はいかにコミカルなドラムにするかってことに全振りしてる曲です。DOFの曲の中でカウベルを一番叩いてます。




★ 続いて、今回、MVにもなっている「NPC」ですね。なぜこの曲がMVに選ばれたんでしょうか。
yuya これ誌面上出すの初だと思うんですけど私はあまりバンドにリーダーいらないと思ってて、全員リーダーでいいと思ってるから、ただバンドマスターは自分がやってるって自覚はちゃんとあるんですよ。だからCDの曲順とかは私が色々試行錯誤しながら考えているんですけど表題曲、MVの曲はこの曲で録るっていうのは色々曲がでてから決めるとかじゃなくて直感でコレだ!って信じたやつを選んでるんです。本当は私、この曲じゃないやつでやりたかったんですよ。じゃあなんでこの曲で録ったかって言ったら、MVってなった時にとっつきやすい曲が他に無いなーって個人的に思って(笑)もしかしたらこの曲もとっつきやすい方では無いかもしれないけど、今回のアルバムの中で一番最初にできた曲なんですよね。だからやっぱりこいつが繋げてくれたっていう感じはありますね。"ノンプレイヤーキャラクター”=NPCっていう世界。ネガティブイメージが強すぎてすごい申し訳ないんですけど、他人って基本的には自分の世界に居ないと思ってて、そのなかで大切にしたいとか愛したい人は勿論いるけど、結局最後は他人なんだよなーって。だからもしかしたら人じゃない世界線の方が幸せなんじゃないのかとか人じゃない世界線だと人はどうなるんだろうかとか気になっちゃって、例えば
貴方は何をやる役割ですってプログラミングがしっかり定まってれば揉め事も起きないし、戦争も起きないだろうし、全員が基本的に与えられたことをやるっていう役職が決まってるゲームっていう世界線でいくと、ハッピーエンドなケースが多いだろうなーとか。ゲームはプレイヤーがちゃんと上手く進めば全クリできて基本的にハッピーエンドで終わって、でも人間界ってそうは上手くいかないからそれを表して書いた曲ですね。
rui これは、メンバー個々で多分考え方が違うので、自分の個人的な思いや考えや感じ方になって来るんですけど、この楽曲一番初めに聴いた時に、"あぁちゃんと繋がってるな"って思ったんですよ。前回の「peace/insomnia」っていう流れからきて楽曲だけのイメージでいくんだったら繋がってるなっていう部分と、この楽曲がくるのとほぼ同時ぐらいにLeetspeak monstersの「Black owl」っていう曲のカバーをさせてもらって、Leetのあそこで使ってるコードのニュアンス感と、今まで使ってるコードのニュアンス感っていうのが、この新しい楽曲で繋がってるなって。あとは今までやってそうでやってないテイストで新しい爽やかな曲と思いきや、歌詞のこのネガティブさよっていう。ただこの曲がやっぱり一番初めに出来てるだけあって、他の楽曲と歌詞の毛色がちょっと違うんですよ。他の楽曲は”薬"っていうものが強く出てて、「C17H19NO3」ってアルバムタイトルと近い部分にあるんですけど、この曲だけちょっと見方が違うんですよね。どうしても時系列的にもそうなるんですけど、ただ別にかけ離れてたりとかいうことはなくて、どんどんやっぱり自分の内側の部分を上手く出せてるなっていうのが一番出てるのかな。あとは歌詞を書く上で多少なりとも色んな人に当てはまる言葉選びや色んな人にもそういう考えがあるんじゃないかっていう訴えかけるような歌詞を前より書けてるなって思うんでそういう面ではいい楽曲だなと思いますね。
Hiromu この曲に関してはですね、本当に色々思ったり考えたりすることあるんですけど、シンプルにかっこよくないですか?ってみんなに聞きたいかなと思いますね。受け取り方だったり、もちろん歌詞とかは大事な部分もあるんですけどやっぱり一発聴いてかっこいい、すげぇって思える曲かな。他の曲ももちろんそうなんですけど、最初にこの曲もらってからリリースするまで何回も聴いてます。もちろんレコーディングとかもあるんで聴くんですけど、何回聴いたか分からないぐらい今でもずっと聴いてる曲ですね。めちゃくちゃ好きです。やっぱりネガティブなワードが歌詞にも入ってくると思うんですけど、最後の一節で、全部このバンドが今後どう進んでいくのかっていうのを表現してくれてるというか見せてくれてるんじゃないかなって思うんで歌詞カード見たり、歌詞も聴き取れると思うんで言葉を聴きながら音源を聴いてもらえたらなと思います。
Johannes (翻訳済み)この曲は自分がドラム組む時、直感型と憑依型って勝手によんでるんですけど、その2パターンがあるんですけど、この曲は憑依型の方で考えたフレーズで叩きました。出したいアプローチがあんまり自分の中にない感じだったので他の誰か(複数人)を自分の中に憑依させつつ(想像の話)フレーズを考えました。
yuya 素晴らしかったね。本当に最高だった。あれは私にもない表現だったからテンションあがったよ
 
 



★ そして「DxMxT」です。「C17H19NO3」の前に収録したのはどんな経緯があるんでしょうか。
yuya 調べてみて貰えば分かるのですが中々に強烈な幻覚剤の一つで勿論私はやったことはないですけど、その世界線に行ってしまう前にこの作品聴いてくれよって気持ちで作りました。次の曲の「C17H19NO3」の途中で流れてるパッセージ、音の並びを引用してそれをリミックスする形で収録させてもらったんですけど。
この曲は逆再生したらまた違う楽しい一面が垣間見えるかもしれませんね
★ 「C17H19NO3」に繋がってるんですね。
yuya はい。繋がってます。
★ そしてアルバムを締め括るのはこのアルバムの作品のタイトルにもなっている「C17H19NO3」ですね。
yuya この曲は総括です。良いこと悪いこと、生きてる上で、じゃあ例えば人を叩いてはいけない、”悪い事"ですよね。人を褒める、”いい事"ですよね。これを無意識でやってしまう状況って結構危ないと思うんですよ。自分自身を見失わないでくれ、疲れたら旅に出ても良い、自分の体はひとつしかないから他人に預ける事はできないけど、そんな自分を実は一番理解できてなかったりもすると思うんです。
人生は「自分探し」をしているんだよって。しっかり向き合って欲しいですね。それ以上の言葉が出てこなかったです。

★ 最後に「破滅寸前素通りするような人にはならないで欲しい」とか「まだ出来る事があるはずだから」という言葉がとても印象的です。
yuya 堀田さんが選んでくれたワードは大切な言葉の一つでストーリーって人の生きる様でその人の生きる様に対して素通りする人が沢山いて、その人の人生だしそれを悪いとは別に言わないけど自分っていう人間が生きてる以上、誰かの為になっているし、誰かを傷つけてる事にもなるんです。そんな影響力を持ってる「人間」だからこそ格好良く生きて欲しいですね。あなたは誰かの糧にもなってれば刃にもなってて、その人間という生き物を操縦してるのがあなた自信なんです
それを忘れないで欲しいですね
★ 皆さんはこの曲をどのように受け止めていらっしゃいますか。
rui おそらくこの曲をMVにしたかったんだろうなって思うんですけど、この楽曲が一番このアルバムの中で一番アクが強いし、言いたいことの総括をしているってもちろん理解はしてはいる上で、どっちにも捉えられるから危ない曲だなっていう印象はありますね。良い風にも、悪い風にも捉えられるし。最後は割と背中を押すようなことを言ってくれるけど、曲のイメージはすごくダウナーですよね。
★ まさにね、容量・用法守らないとですね。
yuya 本当にその通りです。
rui 前回ミニアルバム「I WANT MY FREEDOM」を作った時の締めくくりになってる楽曲と今作は真逆の楽曲が最後にきてるので、そういう意味ではまた違うイメージのマニアックな二枚ってなってると思うんですけど、ただ「I WANT MY FREEDOM」をこれだけ年月が経ってもマニアックって思ってる人があまりいないんですよね。収録曲の楽曲を好きっていう人が圧倒的に多いんですよ。アルバム一枚で通して好きとは言わないんですけどあの曲が好きみたいな。好きな楽曲をあげてっていうと収録されている楽曲が絶対入ってるんで、決して悪いイメージにはなってないはずなんですよ。DOFはどの曲もいい曲だって思ってるので、今作でまたいいニューアンセム達が出来たんじゃないかなと思ってます。ただこの曲でライブを終わるのは結構大変だなって思います。どうしても僕は考えが直結してライブになっちゃうところがあって、僕のイメージの中でライブの終わりはこうあって欲しいみたいなものがあって、もちろんこの曲で終わる日も絶対くると思うんですけど、ある程度、前に押し出してライブから帰してあげたいなって思うので、この曲で終わると間違いなくプチトリップした状態で帰っていきそうな気がするんで、こいつは大変な楽曲だなって思っています。うちの楽曲で順を追っていることがあって、リリックを畳み掛ける楽曲が年々ちょっとずつ増えてって、多分一番はじめの実験的だったのが「I WANT MY FREEDOM」だったんですけど、それがちょうどミニアルバムでそこから時を経てだんだん色んな曲にも段々ラップみたいなのが入っていく中で「ボーダーライン」にも少し入ってたり、色んな楽曲で実験してて、「don't think feel 」だったり「My Name Is R&R」でどんどん形になっていって、今作に表れているっていうのもすごくいいところだなって思います。これまでの歴史の現在進行形が分かるっていうところでも。
Hiromu あくまで僕のヴィジュアル系の知識の中でですけど、従来のヴィジュアル系と言われる楽曲からは結構離れてると思うんですよね。この曲についてはDOFだからできると思うし、新しいものというか、ヴィジュアル系の中でこれをやっても全然大丈夫なんだって表現やライブの作り方で新しい面をどんどん生み出していく上で欠かせない曲なのかなとは思ってます。あと個人的にはこの楽曲はまだ未完成なんですよ。何がっていうのはちょっとまだ言えないんですけど、完成する時を楽しみにしてて欲しいなって思うのと、それに気づいてくれたら嬉しいなっていう感じですかね。
yuya ライブで観たら違いが分かると思いますね。
Hiromu そうですね。ライブ見たらすぐ一発で分かると思います。
Johannes (翻訳済み)この曲はドラム考えるのを一番苦労した曲で、サビ以外は正直ドラムなくてもシーケンスで楽曲が成立してしまってる楽曲だったんで、そこにどうドラムを乗っけるかってすごい悩んで、最終的にはライブと音源でまた違うんですけど、とりあえずドラムを叩こうじゃなくてシーケンスを奏でよう、シーケンスとグルーヴしてる音を出すって意識で作ってます。音源だとイントロ、Aメロはドラムが入ってないんですけど、ライブだとまた違ったアプローチをしているのでぜひチェックして体感して欲しいです。
 
 


 
★ yuyaさん改めてこの作品の正しい容量・用法は、どう受け入れて、どう向き合って欲しいですか。
yuya 例えば雨が降ったとして雨が降ると人は気分的に憂鬱な気分になってしまう人が多いじゃないですか。でもその雨がないと虹はかからないし、その雨がないと種は地上に出る事もないし花も咲かない。雨ってすごく大事なものなんですよ。それと本当に似たようなものです。そういう人が感じる苦手意識があるからこそこの世は成立してるし、表題曲になった「NPC」にも書いたんですけど、蕾が咲くためには雨がないと咲かないし、その雨がないと虹もかからない。枯れるかどうかさえも分からないんですよ。だから一度自分なりの花、咲かせて欲しいですね
 
 
★ 現在ツアー中のDOFですが、赤羽ReNYのツアーファイナルに向けての意気込みをお願いします。
Johannes (翻訳済み)赤羽の時までにはきっと今のこのツアーでミニアルバムの楽曲たちも進化を遂げてると思うので、あとさらに予定では赤羽ReNYは背景にでっかいモニターがあるので全曲映像付きのライブをお届けできる予定なのでその辺もお楽しみにということで。
Hiromu ツアーファイナルに限ったことではないんですけど、このアルバムを聴いてくれてる、必要としてくれてる人と一緒に進んでいけるようなアルバムツアーになってると思うので、ファイナルを超えた先にも繋がるような良いツアーにします。
rui 僕はツアーやリリースをする時に割と同じことを思っているんですけど、どうやってこれまでの楽曲と混ざり合って生かし合うようになるんだろうなっていう結末が楽しみです。どのツアー会場も今のところは楽しくやれてはいるので、このままファイナルも今以上にできるっていう確信に近い未来もみえてるので、その未来よりもうちょい先に行きたいなって毎度思っていますね。あとは次への展望がちゃんとそこで見えれば一番いいかなと思っています。

yuya これは結構ずーっと言ってるんですけどマジョリティではなくマイノリティのパワーの強さ。本当にマイノリティってバイタリティに溢れてると思うんですよ。そういう意味合いでやっぱり我々みたいな音楽をやってるものがどうやってのし上がってやろうとか当然やっぱり武道館も幕張メッセも行きたいですし、そうやって今もこうやって思えてる自分がすごい幸せだけど、それが夢だよなとか現実的に無理だよなとかじゃなくどうやってマイノリティなりに足掻いてやろうかなっていう楽しみが今回のツアーにも入ってるし、これからの私たちにも繋がってます。それがちょっとでも伝わってくれたら嬉しいなって気持ちではありますね。


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