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神田葡萄園ー三陸で海のワイン・アルバリーニョを作る長い歴史あるワイナリー。震災の被害も乗り越えて。


「海のワイン」と呼ばれる、潮風を感じるワインがアルバリーニョ。ポルトガルのブドウの品種で、代表的な産地はスペイン北西部、大西洋に面したリアス・バイシャス地方です。

学校でも習ったリアス式海岸の語源になったのがこのリアス・バイシャス地方。まさにアルバリーニョの故郷はスペインのリアス式海岸のあるエリアなのです。

日本ではカーブドッチ(新潟)安心院(大分)のワイナリーが有名です。でも日本の代表的なリアス式海岸のある三陸でもアルバリーニョが作られていることを知って見に行きました。

岩手県の陸前高田市へ行って、アルバリーニョは故郷の土地同様に日本のリアス式海岸のある地方がぴったりだと思ったのです。

昔ポルトガルで飲んだヴィーニョヴェルデ(グリーンワイン)微炭酸で爽やかなこのワインをポルトガルのナザレの海岸のレストランでイワシの炭火焼きを食べながら飲みました。爽やかで海風のように清涼なことに魅了され、それ以来、私はワイン好きになったのです。

微炭酸なので当時輸出はできず、ポルトガルでしか飲めなかったのも希少価値があると感じたのかも。随分後に日本で見つけた時は、時代が変わったなあと思いました。

今ワイン通の間で絶大な人気を誇るアルバリーニョは実はこのヴィーニョヴェルデとも同じ品種だったのです。

1905年創業、「神田葡萄園」は長い歴史を持つ東北のワイナリーの先駆けです。50年代に酒造りを止めてマスカットサイダーや葡萄ジュースを作っていたものの、6代目で今の代表である熊谷晃弘氏が2015年にワインづくりを復活。この地の気候にもピッタリのアルバリーニョなどの醸造を開始されたのです。

三陸でワインを造ることの意義とこだわりは、やはり地元で獲れるシーフードに合うワインであるということ。他にもMAR(マール=海)というとりわけ生ガキによく合う華やかな香りが鼻に抜けるワインなどたくさんの品種のワインを作っているのです。

ワイナリーはこじんまりしてチャーミング。醸造所は蔦の絡まるレトロな建物で、天井が低くて歴史を感じさせられます。

海に面しているから、2011年の津波の被害に遭い大変な体験をされたとか。建物が壊れたためリノベーションされたそうです。

ぶどう畑は藤棚スタイルで、通常の畑とは異なりユニークです。アルバリーニョは現在約7000本を栽培しているそうです。ファーストヴィンテージが2019年なので、フレッシュな果実感と酸味が爽やかです。まだ新しいのでカーブドッチなどに比べると成熟した旨味には欠けるようですが、新鮮な魚介料理にはよく合います

2020年のボトルをMARなどと一緒に買って、自宅に送ってもらいました。神田葡萄園で力を入れているワイン醸造者が作るジュース。中でもおすすめというシャインマスカットジュース2本も購入。

こちらは着いてすぐ待ちきれなくて早速1本開けていただきました。種ごとしぼっているのでコクがあって贅沢なジュースです。

次はアルバリーニョ、いつ飲もうかと楽しみです。




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